経済なんでも研究会

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米中貿易戦争は “保留”

2018-05-22 05:45:30 | 貿易
◇ 米朝首脳会談を前に一時休戦? = 米中両国政府はワシントンでの貿易協議を終え19日、共同声明を発表した。声明では「アメリカの対中貿易赤字を減らすため、中国がアメリカのモノとサービスの輸入を大幅に増やすことで合意した」「引き続き高いレベルで貿易問題の打開策を探る」と明記している。ただ中国側がどれだけアメリカからの輸入を増やすか、についての具体的な金額や品目には触れていない。

アメリカの対中貿易赤字は、17年に3752億ドル(約41兆円)にのぼっている。貿易協議でアメリカ側は、この赤字を2000億ドル減らすよう要求したと伝えられた。さすがに中国側も、この要求は受け入れなかったと思われる。面白いのはアメリカ側のこの要求に対して、中国側が「米中間の貿易は計画経済的であってはならない」とコメントしたこと。時代の流れを感じさせる一幕だった。

懸案事項は、モノの貿易だけに限らない。特許権や著作権の保護や外資規制、さらにはIT企業に対する不当な補助金など。アメリカ側の要求項目は数多い。短時間では議論が煮詰まらず、継続審議に持ち込まざるをえなかったのだろう。アメリカ側も中国に対する報復関税の実施を延期するなど、譲歩の姿勢を打ち出した。

ムニューシン米財務長官は「貿易戦争は保留だ」と語っている。これで一時停戦は確実となり、株式市場にも安心感が広がった。米朝首脳会談を間近かに控えて、米中両国が緊張関係にあるのは得策でないという判断も働いたのだろう。ただし保留は保留。再び両国が貿易問題を巡って緊張することは避けられそうにない。

       ≪21日の日経平均 = 上げ +72.01円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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