経済なんでも研究会

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アメリカ向け鉄鋼輸出が 2ケタ増

2018-05-23 07:54:57 | 貿易
◇ 関税引き上げにもかかわらず = 財務省は21日、4月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は6兆8200億円で前年比7.8%の増加。輸入は6兆2000億円で5.9%の増加だった。この結果、貿易収支は6260億円の黒字で、黒字の幅は前年より31%も増えている。それだけ外需の力が強く、景気を押し上げる援軍になったことは間違いない。

発表の内容をよく読むと、いくつか注意すべき点にぶつかる。第1はアメリカ向けの鉄鋼輸出額。4月の輸出額は181億6400万円で、前年より13.7%も増加した。周知のようにトランプ大統領は安保上の理由と称して、輸入する鉄鋼に25%もの関税をかけ、3月下旬から発効している。専門家は「日本製品はアメリカでは造れないから、輸出額は減らない」と予想していたが、4月だけの数字をみる限り、その通りになっている。

第2はそのアメリカとの貿易収支。日本側の6150億円の黒字となっている。前年比では4.7%の増加だった。17年度の統計は、日本側の黒字7兆円となっている。アメリカはいま、LAFTA(米州自由貿易協定)や中国との貿易交渉で大忙し。日本にまで手が回らない。しかし、そのうち二国間交渉を持ち出してくるだろう。トランプ大統領が、日本の対米黒字額にどんな評価を下すのか。

第3はエネルギーの輸入額。原油の国際価格が高騰しており、日本の輸入額も大幅に増えている。4月は鉱物性燃料の輸入額が1兆3700億円に達した。2年前の4月は7900億円にとどまっている。原油やLNG(液化天然ガス)が上がれば、電気料金やガソリン代も上がる。それだけ日本の企業や家計の購買力が、海外に流出しているわけだ。政府が何も対策を講じようとしないのは、怠慢ではないのか。

       ≪22日の日経平均 = 下げ -42.03円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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