◇ “漁夫の利”を狙う中国 = アメリカが大統領選挙で、未曽有の大混乱に陥っている。トランプ現大統領が勝ってもバイデン民主党候補が勝っても、アメリカの政治・社会は分裂の度を深めるだろう。人種や階層あるいは地域間に生じた亀裂は、短時間では修復できない。その結果、アメリカの国力は落ち、世界からの信頼感も低下する可能性がある。その間に中国は着々と国力を増強し、やがてはアメリカに追いつき追い越す。――習近平国家主席が、こう考えても不思議ではない。
中国は先週開いた共産党中央委員会全体会議で「2035年の1人当たりGDPを2倍にする目標」を決定したばかり。平均4.7%の成長を続ければ、15年後にはイギリス・ドイツ並みの先進国になる。あとは短期間でアメリカにも追いつくはずだ。アメリカがコロナや分断でもたもたしてくれれば、追いつくのも早くなる。
こうした状況を、アフリカ大陸などの新興国家はどうみるだろうか。コロナの封じ込め一つをとっても、アメリカは失敗。中国は成功した。政治的な安定性は、中国の方が抜群に高い。国造りに懸命な新興国は、混乱する民主主義国と、しばしば非難はされるが安定した社会主義国のどちらを手本として選ぶだろうか。
中国の古いことわざに“漁夫の利”という言葉がある。シギとハマグリが喧嘩に夢中となっていたため、漁師がたやすく両方を獲ってしまったという故事である。つまり争いごとに夢中になっていると、第三者が思わぬ利益を得るという話だ。習近平主席の頭のなかには、最近この言葉が去来しているに違いない。
≪5日の日経平均 = 上げ +410.05円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
中国は先週開いた共産党中央委員会全体会議で「2035年の1人当たりGDPを2倍にする目標」を決定したばかり。平均4.7%の成長を続ければ、15年後にはイギリス・ドイツ並みの先進国になる。あとは短期間でアメリカにも追いつくはずだ。アメリカがコロナや分断でもたもたしてくれれば、追いつくのも早くなる。
こうした状況を、アフリカ大陸などの新興国家はどうみるだろうか。コロナの封じ込め一つをとっても、アメリカは失敗。中国は成功した。政治的な安定性は、中国の方が抜群に高い。国造りに懸命な新興国は、混乱する民主主義国と、しばしば非難はされるが安定した社会主義国のどちらを手本として選ぶだろうか。
中国の古いことわざに“漁夫の利”という言葉がある。シギとハマグリが喧嘩に夢中となっていたため、漁師がたやすく両方を獲ってしまったという故事である。つまり争いごとに夢中になっていると、第三者が思わぬ利益を得るという話だ。習近平主席の頭のなかには、最近この言葉が去来しているに違いない。
≪5日の日経平均 = 上げ +410.05円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫