経済なんでも研究会

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世界最大の株主になった 日本銀行

2021-02-17 07:39:37 | 日銀
◇ 株高でも買い続ける不思議 = 日銀の発表によると、昨年末時点のETF(上場投資信託)保有額は35兆3005億円だった。これは買い入れ価格の累計で、時価に直すと46兆5600億円になる。一方、これまで国内最大の株式保有者だったのはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)。そこが発表した昨年末時点の株式保有額は45兆2700億円だった。つまり日銀が最大の株式保有者となったわけ。他国の中央銀行は株式を購入しておらず、日銀はおそらく世界最大の株主になったとみられる。

日銀は10年から、市場を通じてETFの購入を開始した。リーマン不況による株価の下落を、少しでも食い止めることが目標だった。買い入れ額は年々大きくなり、たとえば18年は6兆5000億円、20年は7兆1000億円にのぼっている。ところが不思議なのは、株価が大幅に上昇していても、ETFを買い続けていることだ。たとえば昨年11月、日経平均は大きく上昇したが、日銀はETFを1630億円も買っている。

この日銀のETF購入については、批判も少なくない。民間が自由に取引する市場に日銀が参入することで、市場の需給調節機能が損なわれる。またETFには、業績がよくない企業も含まれてしまう。このため株価が下落するはずの銘柄が値下がりを免れる・・・などなど。しかし日銀はこれらの批判に、耳を傾けることはなかった。

株価が上がれば経済界の空気が明るくなり、消費も増える。だからリーマン・ショックやコロナ・ショックのときに、日銀が買い出動するなら理解できる。しかし株価がここまで回復した現在、ETFの買い入れは必要なのだろうか。株高でもうけた一部の人が、高級品を買い漁る。そんな風潮を助長するだけではないのか。日銀だけでなく、みんなで考えてみたい問題である。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +383.60円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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