経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

揺らぐ“安倍一強” : 海外投資家の見方

2018-03-20 07:34:39 | 株価
◇ 日本人より重大視するわけ = 日経平均株価は1月下旬から下げ基調にある。1月23日の高値からみると、先週の終り値は2500円近くも値下がりした。その最大の原因は、外国人投資家が売りに回ったこと。この程度の下げで持ちこたえているのは、日銀や年金基金が買い支えに出動しているからだ。では、なぜ海外投資家が日本株を売り始めたのか。その理由として、専門家は円高の進行と政治不安の増大を挙げている。

円の対ドル相場は、1月下旬から2円70銭ほど上昇した。このため海外投資家は輸出関連株を中心に利益確定売りを出したが、3月に入ると内需株からも手を引き始めた。これは森友学園問題に火が付いたことを、嫌気したためだとみられている。この問題がさらに燃え上がれば、安倍一強体制が揺らぎかねない。するとアベノミックスに象徴される財政・金融面からの積極政策は、継続が難しくなる。

海外投資家が思い浮かべるのは、1998年に選挙に大敗して政権を退いた橋本内閣の事例。その後の日本経済は、長期にわたるデフレに陥った。現在の状況は、そのときの状態によく似ていると指摘する外国人も少なくない。したがって森友問題の終息が見えてくるまでは、リスクを避けたいという姿勢になる。

政治不安と株価下落の関係を考えるとき、日本人はロッキード事件による田中首相、リクルート事件による竹下首相の退陣劇を思い出す。いまの森友事件は、それに比べればスケールが小さい。だから安倍首相の退陣にまでは繋がらない。平均的な日本人の感覚は、まだこの程度だろう。もちろん、事件の発展しだいでは「外国人の嗅覚の方が鋭かった」ということになる可能性もないではないが・・・。

       ≪19日の日経平均 = 下げ -195.61円≫

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


今週のポイント

2018-03-19 07:39:26 | 株価
◇ 政治に神経を使う市場 = 「森友学園問題は、安倍内閣の屋台骨を揺さぶり始めた」と、多くの外国人投資家は考えている。その結果は、利益確定の売り。にもかかわらず株価が下落しないのは、日銀や年金基金などの買いによるものだ――市場関係者は最近の動きを、こう分析した。出来高は細っている。日経平均は先週207円の値上がり。

ニューヨーク市場にも、政治の影が伸び始めた。トランプ政権の保護貿易的な政策、さらにティラーソン国務長官の突然の更迭に象徴される政権内部の不協和音。加えて今週21日のFRBによる金利引き上げ。金融引き締めのテンポが、さらに速まるのかどうかへの警戒感。こちらも市場の膠着感は強まってきている。ダウ平均は先週389ドルの値下がり。

佐川元理財局長の国会証言は、近く実現する見通し。それで森友学園問題がいっそう過熱するかどうか。特に前後に発表されるであろう各種マスコミの内閣支持率が急落するようだと、外国人投資家の日本株離れは加速するかもしれない。その一方で国内の個人投資家が、割安感を頼りに出動するかどうか。今週の見どころになりそうだ。

今週は19日に、2月の貿易統計。20日に、2月の訪日外国人客数。22日に、1月の全産業活動指数。23日に、2月の消費者物価。アメリカでは21日に、2月の中古住宅販売。22日に、2月のカンファレンス・ボード景気先行指数。23日に、2月の新築住宅販売が発表される。

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2018-03-18 08:05:36 | SF
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪24≫ コン棒からコンピュータ―へ = 歴史博物館は石造りの宏大な建物だ。天井が高い真ん中のホールは、運動会が開けるほどの広さ。そこから四方に幅広の廊下が突き出しているから、空から見ると大きな十文字型をしているはずだ。その1つの廊下の左側に経済資料館の部屋が並び、右側は科学資料館になっている。相変わらずラフマと腕を組んだままのショッピー館長と一緒に、動く歩道に乗っていちばん奥の部屋まで進んだ。

古びたコン棒やヤリ、弓矢などが所狭しと並べられていた。壁には畑を耕したり、動物を追いかける古代人の大きな絵。ここでショッピー館長が説明を始めると、珍しくマーヤが口ごもった。
「この部屋は『自然・・経済の時代』だと申しておりますが、それで意味が解りますか」と聞いてくる。
――あゝ、農耕や狩猟など自然だけを相手にしていた時代という意味だろう。

地球だって、昔はそうだったんだから判っているよ。こう言いたかったが、黙っていた。するとショッピー館長が「地球人もわれわれと同じような環境で進歩してきたはず。そうですよね」と、鋭く指摘した。その通りと言うしかない。

「この自然経済時代は、3000年以上も前から始まりました。終わったのは、いまから550年ほど前。圧縮空気によるポンプや蒸気機関が発明されて、機械経済時代に入ったのです。その時代の様子は、次の部屋に詳しく展示されています」

頭のなかで、めまぐるしく計算する。地球の産業革命はたしか1760年代だった。いまから300年ほど昔ということになる。ということは、この星の方がその時点で250年も進んでいたということか。

「自然経済時代の進化は、とてもゆっくりでした。でも機械経済時代には進化が加速し、電力がエネルギーの主流になったのです。そしてコンピューターが発明され、すべての機械が電脳化されました。これが350年ほど前のこと。つまり、われわれの先祖がこのダーストン星に移住してくる直前です。

そのころまでに、ロボット工学も高いレベルに達していました。人間の代わりに工場などで働くロボットは、完全に仕事をこなすようになりました。ただ当時のロボットは、人間の形をしたコンピューターだったと言えるでしょう。私たちは、この時代のロボットを機械的ロボットと呼んでいます」

――そのロボットが350年ぐらい前から、一大進化を遂げたんですね。
「その通り。ロボット工学と医学がドッキングしたのです。その結果、ロボットの頭脳構造のなかに、人間のDNAが組み込まれました。機械経済時代は終わり、人間は働く必要のない経済レス時代が始まったのです」

ショッピー館長はそう言うと、いとおしげにラフマの肩をやさしく抱いた。

                            (続きは来週日曜日)


青森県に 拍手を! : 健康寿命 (下)

2018-03-17 08:16:12 | 寿命
◇ 最下位から第34位に浮上 = 都道府県別の順位はかなり変動しているが、そのなかで目立ったのが青森県の男性の健闘。前々回10年の調査では最下位だったのが、今回は34位まで浮上した。6年前の健康寿命は68.95歳。それが今回は71.64歳まで改善している。青森県は平均寿命もいちばん短く、10年ほど前から県民の健康増進に力を入れてきた。

青森県は“短命県”の汚名を返上しようと、健やか力推進センターを設置して、県民の生活指導に力を注いだ。特に塩分の取り過ぎに注意することを徹底させたという。ほかの数々の対策とともに、その効果がようやく表れてきたのだろう。青森県の成績向上は「やれば出来る」という証拠にもなる。今後も頑張ってほしいものだ。

青森県のほかにも長野県など、健康対策に力を入れている自治体は少なくない。そういう自治体に、いくつかの提案がある。まず対策の効果を測定して、お互いにその結果を交換すること。次に県民の状態は国よりも自治体の方がよく知っているのだから、県民の健康寿命は独自に調査したらどうか。また健康寿命が延びた結果、自治体の社会福祉支出にどんな影響があったかも発表してもらいたい。

都道府県が独自で健康寿命を計測するには、市町村の結果を積み上げ計算することになるだろう。すると市町村単位の健康寿命も明らかになり、隣同士の自治体間でいい意味の競争が生まれる。健康寿命への取り組みは、まだ始まったばかり。これからは国や都道府県よりも、末端の市町村が自分で考え努力する時代になることが望ましい。

      ≪16日の日経平均 = 下げ -127.44円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】    


青森県に 拍手を! : 健康寿命 (上)

2018-03-16 07:47:55 | 寿命
◇ 山梨県と愛知県が好成績 = 厚生労働省は先週、16年の健康寿命を発表した。それによると、男性は72.14歳、女性は74.79歳。13年時点の調査に比べて男性は0.95歳、女性は0.58歳延びている。都道府県別にみると、男性の第1位は山梨県の73.21歳で、前回に続いて首位を確保。女性の第1位は愛知県の76.32歳で、3年前の第18位から急伸した。

健康寿命というのは、介護など他人の力を借りずに自力で生活できる期間。元気で過ごせる期間が長くなるから、生きがいのある高齢者が増えることになる。また医療費や介護費用が減るから、国や自治体の財政負担も軽くなる。このため、いま自治体では健康寿命の延長を目指して、いろいろな施策を講じているところが多い。

平均寿命と健康寿命の差は、介護などの支援が必要な期間となる。このブログでは、これを「不健康期間」と名付けた。全般的に平均寿命も延びているが、健康寿命の延びの方が大きく、不健康期間も短くなった。16年の場合、不健康期間は男性が8.84年。女性は12.35年。13年に比べて男性は0.18年、女性は0.05年短くなっている。

この調査には地震の影響で、熊本県が入っていない。したがって調査の対象は46都道府県となるが、最下位は男性が秋田県の71.21歳。女性が広島県の73.62歳だった。男性の第1位と最下位の差は2.00歳、女性は2.70歳。これが平均値だから、その差はけっこう大きい。

                              (続きは明日)

      ≪15日の日経平均 = 上げ +26.66円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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