◇ 怖ろしいのは金融不安だけ? = 世界中に投機資金がどのくらいあるかは、計測できない。環境しだいで同じおカネが投機に向けられたり、安全資産になったりするからだ。だが投機を主な目的としているヘッジファンドは世界でおよそ1万。その運用資産は350兆ドルに達するという試算もある。こうした巨額の資金が、常に株式市場への参入を狙っているわけだ。
かつては景気の見通しが悪化すると、株価は値下がりした。しかし現在はコンピューターによる売買で、瞬時に売り抜けられるから早めに手を引く必要がない。しかも最近の景気下降は、きわめて緩やかだ。たとえばIMFが予測する先進国のことしの成長率は2.0%だが、昨年との比較では0.1ポイントの下方修正にしかすぎない。だから株価が下がると、すぐに買いが出てくる。
米中貿易戦争にしてもイギリスのEU離脱にしても、道のりが長かったために株価はかなり織り込み済み。したがって結論が出るぎりぎりまで、様子をみる傾向が強まっている。その間にも株価は変動を繰り返すから、投機筋としては儲けるチャンスが多い。こうして株価と景気の関連性は、少しずつ薄まってきたように思われる。
要するに市場は“リスク慣れ”したのだろう。しかし怖ろしいのは、金融不安の再来。リーマン・ショックのような不安が再来すれば、投機資金はほとんどが市場から姿を消す。株価は暴落するわけだ。だから市場は金融不安の兆候には、きわめて神経質にならざるをえない。その小さな芽は、中国やアメリカ、ヨーロッパや日本にも点在しているのが現状だ。
≪10日の日経平均 = 下げ -115.02円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
かつては景気の見通しが悪化すると、株価は値下がりした。しかし現在はコンピューターによる売買で、瞬時に売り抜けられるから早めに手を引く必要がない。しかも最近の景気下降は、きわめて緩やかだ。たとえばIMFが予測する先進国のことしの成長率は2.0%だが、昨年との比較では0.1ポイントの下方修正にしかすぎない。だから株価が下がると、すぐに買いが出てくる。
米中貿易戦争にしてもイギリスのEU離脱にしても、道のりが長かったために株価はかなり織り込み済み。したがって結論が出るぎりぎりまで、様子をみる傾向が強まっている。その間にも株価は変動を繰り返すから、投機筋としては儲けるチャンスが多い。こうして株価と景気の関連性は、少しずつ薄まってきたように思われる。
要するに市場は“リスク慣れ”したのだろう。しかし怖ろしいのは、金融不安の再来。リーマン・ショックのような不安が再来すれば、投機資金はほとんどが市場から姿を消す。株価は暴落するわけだ。だから市場は金融不安の兆候には、きわめて神経質にならざるをえない。その小さな芽は、中国やアメリカ、ヨーロッパや日本にも点在しているのが現状だ。
≪10日の日経平均 = 下げ -115.02円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫