経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

コロナ鎮圧作戦の 行程表 (下)

2020-09-17 07:58:34 | なし
◇ 第3波の死亡者数に注目 = 新型コロナ・ウイルスの“寄せる波”。その高さは何で計測したらいいのだろう。その一つに重症者数があるが、重症者はICU(集中治療室)に収容した患者をすべてカウントするかどうかで、数値が違ってくる。そこで死亡者数で計ってみよう。死亡者数ならば、誤差はほとんどない。また死亡者数が極端に低ければ、その影響度はふつうの風邪と同じだということにもなる。

1週間の死亡者数をみると、第1波のピークは4月24日に終わった1週間の137人だった。今回のピークはまだ確定できないが、これまでのところでは9月4日に終わった1週間の94人となっている。もし、これが第2波のピークならば、第1波よりも大幅に低下したことになる。政府や東京都が規制緩和に踏み切ったのも、このためだろう。

ただ経済活動が活発になれば、ウイルスはまた息を吹き返すに違いない。これが第3波となるわけだが、こんどはウイルスが好むといわれる冬の乾燥期に差し掛かる。さらにインフルエンザの流行期とも重なるから、油断は禁物だ。もし第3波の高さが、第1波や第2波を上回るようなことがあると、コロナ鎮圧作戦は失敗ということになるだろう。

そこで登場する魔法の杖がワクチンだ。いま世界では26社ほどが、ワクチンの開発に努力している。そのうちの数社は、年末から来年初にかけて実用化できるという。このワクチンの有効性が高く、コロナの第3波に間に合うかどうか。もし間に合わないと、コロナ鎮圧作戦は来春に予想される第4波まで持ち越されることになる。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +20.64円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

コロナ鎮圧作戦の 行程表 (上)

2020-09-16 07:06:52 | なし
◇ “寄せる波”をしだいに低くして行く = 東京都は飲食店の営業時間制限を撤廃した。政府はGO TO トラベル・キャンペーンに、東京都を加えようとしている。新型コロナ・ウイルスの威力がやや和らいだために、経済再生を目指す方向に傾いているわけだ。しかし、この緩和でコロナの力がまた盛り返すことは、覚悟しておかなければならない。すると、また一部の経済活動が制限され、コロナの力が弱まる。

この繰り返しで、コロナの波が襲ってくる。この状況を“寄せる波”現象と呼ぶことにしよう。この寄せ来る波がしだいに低くなれば、いずれコロナは終息する。低くなり方が大幅ならば、終息は速くなる。小幅ならば、遅くなる。政府や専門家が、このような“寄せる波”現象を想定していることは確かだろう。また一般の国民も、そう考え始めたようだ。

だが不思議なことに、政府も専門家も“寄せる波”現象については明言しない。仮に経済再生の結果、次に来る波が前よりも大きな波になったら大変だ。政策を誤ったということになり、責任を問われることになりかねない。それが嫌だから、口にしないのだろうか。でも国民は政府が“寄せる波”作戦を実施中だと明言し、誤ったら責任をとるぐらいの覚悟を示してもらいたいと感じている。

日本は3月から5月にかけて、コロナの第1波に見舞われた。そして7月から8月にかけては、第2波が襲来している。1週間の新規感染者数をみると、4月17日までの1週間は3761人だった。それが8月7日に終わる1週間では9485人に急増している。しかし感染者数はPCR検査の数が増えると、増加してしまう。では寄せ来る波の高さは、何で計測したらいいのだろうか。

                               (続きは明日)

        ≪15日の日経平均 = 下げ -104.41円≫

        ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

ハイテク株が 急落した : NY市場

2020-09-15 07:33:42 | 株価
◇ 調整局面はまだ続くのか = ニューヨーク市場の株価が、先々週3日から急落している。ダウ平均は先週末までに1400ドルを超す値下がりとなった。原因はハイテク株の高値に対する警戒感。このためIT銘柄の上場が多いナスダック指数は、2週間足らずの間に10%も下落した。市場では調整は終わったという見方も多いが、まだ終わらないと予想する関係者も少なくない。というのも、ことしに入ってからのハイテク株の上昇が、あまりにも大きかったからである。

ハイテク銘柄の株価は、一斉に9月2日ごろ高値を付けた。この高値を昨年末の株価と比べてみると、アマゾンが82.3%、アップルが64.7%、フェイスブックが41.8%の上昇。特にEV(電気自動車)のテスラは、なんと2.2倍の値上がりを記録した。テスラの販売台数はまだ100万台に達していない。にもかかわらず株価が上がったために、時価総額では一時トヨタを抜いた。

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン――この4社の頭文字をとってGAFAと呼ばれる。この超巨大IT企業の時価総額は260兆円以上。日本のGDPの半分を上回る。ほかにもマイクロソフトやエヌビディアなど多士済々。ここ10年ほどで急成長を遂げたが、コロナ不況になっても、在宅勤務やリモート会議などデジタル需要が高まって業績は衰えない。当然、豊富な資金を抱える投資家が殺到。その株高が平均株価を押し上げてきた。

普通なら1割も2割も株価が下がれば、調整は終わる。だがハイテク各社の株価は上昇が大きかっただけに、まだ調整し足りないという見方も出るわけだ。しかし投資家は次の反発に乗り遅れまいとして、早めに市場に戻るだろう。したがって今回の調整は、もう間もなく終わる。そして株価は再上昇し、再び最高値に近づけばまた調整に。大胆に先読みをすれば、こういうことになる。

       ≪14日の日経平均 = 上げ +152.81円≫

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2020-09-14 07:57:07 | 株価
◇ 東京市場はITバブルの調整なし = ダウ平均は先週468ドルの値下がり。先々週の下落と合計すると、下げ幅は988ドルになった。原因は急速に上げてバブル状態になったハイテク株価に対する警戒感。利益確定の売り物が続いて、市場は調整色に染まった。IT銘柄の多いナスダック市場は下げがきつく、総合指数は9月初めの最高値から10%以上も落ち込んでいる。

日経平均は先週201円の値上がり。こちらは先々週からの通算で524円の上昇となった。菅官房長官の次期首相就任が確実となり、アベノミックスが継続されること。コロナの勢いがやや収まり、GO TO トラベルが東京都にも適用されそうなことが、買いの原動力になった。幸か不幸か、東京市場では急騰したIT銘柄がなかったため、高値警戒感も生じなかった。

ニューヨーク市場では、長期的な下げ相場の入り口ではないかという見方もないではない。しかし反発する場面もあるから、一時的な調整とみるべきだろう。ただ調整は、もう少し続く可能性がある。しかも大統領選挙が近づいてきたから、相場は様子見に傾きやすい。コロナ・ワクチンに関する好材料でも出れば、ムードは一変するだろうが。

今週は14日に、7月の全産業活動指数。16日に、8月の貿易統計と訪日外国人客数。18日に、8月の消費者物価。アメリカでは15日に、8月の工業生産。16日に、8月の小売り売上高と9月のNAHB住宅市場指数。17日に、8月の住宅着工戸数。18日に、8月のカンファレンス・ボード景気先行指数と9月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が15日に、8月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお14日は自民党総裁選挙、16日には国会で首相選出が行われる。

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (27)

2020-09-12 08:24:07 | なし
◇ 世界の死亡者は90万人超す = WHO(世界保健機関)が新型コロナ・ウイルスのパンデミック(世界的大流行)を宣言してから、この11日でちょうど半年。当時の感染者は12万人だったが、現在は2700万人を突破した。この半年で225倍に膨張したことになる。まだ1日に20-30万人増えており、その勢いは止まらない。死亡者の累計も90万人を超えた。

国別の死亡者数を日本時間11日午前0時の集計でみると、最多のアメリカは19万0887人で断トツ。次いでブラジルの12万8539人、インド7万5062人の順。ただ感染者数ではインドが446万人で、ブラジルの419万人を抜いた。インドは困窮者が多く、経済活動の規制が出来ない。ブラジルは大統領をはじめ政府が、コロナ対策に気乗り薄だ。

いったん終息したと思われたヨーロッパに、再燃の気配が出ている。特に要注意はフランスとスペイン。フランスでは1日の感染者が9000人を記録、3月時点の数字を上回った。オランダやフィンランドは、これらの国からの入国を制限。ハンガリーは入国を禁止した。ヨーロッパには第3波が来たという見方も強まっている。

日本の感染者は7万4744人。1週間の増加数は3638人だった。死亡者の累計は1432人で、1週間の増加数は84人。これで4週続けて80人を超えている。政府はGO TO トラベル・キャンペーンに東京を含める方針だが、これから冬にかけて感染者・死亡者の増加を抑え込むことが出来るか。決して気は抜けない。

       ≪11日の日経平均 = 上げ +171.02円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   

Zenback

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