経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2021-02-08 07:41:08 | 株価
◇ 大幅高となった日米の株価 = ダウ平均は先週5日間の連騰で、週間1166ドルの値上がり。日経平均も1116円の上昇だった。日米の株価がそろってこれほど大幅に上昇したのは、昨年11月以来のこと。ともに先々週の大幅な下げを一気に挽回した。個人投資家による“反乱”が一応は収まり、決算発表で予想を上方修正する企業が多いこと。それに景気回復への期待が高まり、ニューヨーク市場の株価を押し上げた。

株高の基本的な原因は、やはり大量のカネ余りだ。警戒すべき材料がなくなると、資金は株式市場に戻ってくる。たとえば金曜日に発表された1月の雇用統計が予想を下回っても、株価は下がらなかった。また長期金利がじわじわと上昇しても、株価は上げ続けた。悪材料には目をつぶる状態が、市場に舞い戻ってきている。

東京市場は、このニューヨークの自信回復に引きずられた。また決算発表の内容が予想より好転していること、それにドル高・円安が進んだことが大きい。さらに緊急事態宣言の効果が表れ、新型コロナ感染者の増勢が止まったことも、市場の空気を明るくしている。今週もこうした傾向は持続する。大幅高の反動があっても、下げ幅は限定的だろう。

今週は8日に、1月の景気ウオッチャー調査。9日に、12月の毎月勤労統計。10日に、1月の企業物価。アメリカでは10日に、1月の消費者物価。12日に、2月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、1月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (47)

2021-02-06 07:37:57 | なし
◇ 朗報! パンデミックの勢いが鈍った = 新型コロナが発生してから1年あまり。ようやくパンデミック(世界的大流行)に、陰りがみえてきた。世界の感染者は1億0440万人で、1億人を超えてなお増加中。しかし1日当たりの増加人数は1月上旬の87万人に対して、直近では51万人にまで縮小してきた。アメリカやイギリス、スペインやインドなどでも感染者の増加数は減少している。都市封鎖などの対策が功を奏したためとみられる。

ただ重症者や死亡者の増加は続いている。日本時間5日午前0時の集計をみると、死亡者の数は世界で227万人。最も多いアメリカは45万0826人に達した。この1週間で2万3000人も増えている。次いでブラジルが22万人台、メキシコが16万人台、インドが15万人台。さらにイギリスが10万人台、イタリアが8万人台、フランスとロシアが7万人台、スペインが6万人台、ドイツとイランが5万人台などとなっている。

日本でも同様の傾向がみられる。感染者数は40万0003人で、ついに40万人を超えた。しかし、この1週間の増加数は1万8866人で、前週の2万8448人より1万人近くも減っている。これは緊急事態宣言の効果が表れたものとみていいだろう。緊急事態宣言はさらに1か月間延長されたので、感染者の増加数はまだ低下する可能性が大きい。

しかし重症者や死亡者の増加には衰えがみられず、医療体制の逼迫はなお続いている。死亡者は累計6189人で、この1週間に675人増加した。前週の628人より多い。3日には120人の最多を記録した。変異ウイルスは世界77か国に拡散、日本でも70人の感染が確認された。なお油断が出来ない状態が続いている。

       ≪5日の日経平均 = 上げ +437.24円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】     

早漏れしすぎる 緊急事態宣言

2021-02-05 08:03:15 | 政治
◇ 内閣支持率が低下する一因 = 菅内閣の支持率が、ずるずると下がっている。新聞各社が1月末に実施した世論調査でも、軒並み不支持率が支持率を上回った。最も支持率が高かった日経新聞でも支持率は43%で、不支持率の50%を下回っている。こうした世論調査で「自民党の支持率から内閣支持率を引いた数字」を“首相プレミアム”と言うのだそうだ。すなわち首相の人気だが、最近の調査ではゼロ前後になった。

2月2日の朝刊各紙は「緊急事態宣言を3月7日まで延長、栃木県は除外」というニュースを一斉に報じた。みな予想記事ではなく、きわめて断定的に書いていた。その日のうちに専門家会議に諮問し、菅首相が夜の記者会見で説明するとまで書き込んでいる。そして事実は全くその通りに運んだ。

夜の記者会見で、菅首相は懸命に説明した。しかし重要な点は、多くの国民が新聞を読んで朝から承知していた。これではテレビのゴールデン・アワーにせっかく記者会見をセットしても、気の抜けたビールを飲む感じ。菅首相の緊張感は伝わってこなかった。世論調査では「菅氏にリーダーシップがない」という理由も、不支持の大きな理由になっている。

たしかに朝には判っていることを、夜まで引き延ばす。それも周辺がお膳立てしたスケジュールに、首相は乗っかっているだけのようにみえる。これでは存在感がない。それにしても前夜のうちに、誰かが報道陣に確報を流している。なぜなのか不思議だ。言論統制をしろと言うのではない。もっとインパクトのある発表の仕方を考えないと、内閣支持率は回復しないと心配しているのだ。

       ≪4日の日経平均 = 下げ -304.55円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫          


百戦錬磨の イギリス : TPPに参入

2021-02-04 08:18:40 | 貿易
◇ 問われる日本の交渉力 = イギリスは1日、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加を正式に申請した。イギリスの参加が認められれば、加盟国は現在の11か国から12か国へ。世界全体のGDPに占める加盟国合計のGDPは、13%から16%に上昇する。またTPPは名前からも判る通り、日本やカナダ、オーストラリアなど、太平洋の沿岸国ばかり。そこへヨーロッパの大国が参加する意義は、きわめて大きい。

イギリスは昨年末、移行期間も終えてEUから完全に離脱。単一国家として、各国との間でFTA(自由貿易協定)を結び直している。日本とのFTAも昨年末に発効した。イギリスとTPP加盟11か国の貿易額は年間約16兆円。自由貿易が出来る相手国を増やせば、スコットランドや北アイルランドの独立機運を鎮めることにも役立つものと思われる。

TPP11か国は直ちに作業部会を設立、イギリス側と交渉を始める。関係筋によると、交渉は1年ほども続き、イギリスの参加は来年になる見通しだという。何が重要な議題になるのかはまだ不明だが、すでに根回しの段階で対立点は明らかになっている模様。とにかく、相手はEUとの離脱交渉でも粘り腰を見せたイギリスだ。甘い相手ではない。

関税率や貿易ルールなどの交渉で、イギリスがどれだけ得点を稼げるか。TPPへの参加を狙っている中国、台湾、タイなど。あるいは途中で離脱したアメリカも、その結果に大きな関心を寄せている。この交渉で、日本はイギリスの要求を聞きながら、加盟国の意見をまとめる役割を担わなければならない。日本の外交センス、交渉力が問われている。

       ≪3日の日経平均 = 上げ +284.33円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

コロナ不況の跡くっきり : 20年の雇用

2021-02-03 07:47:00 | 景気
◇ 休業者が80万人も増加 = 総務省は先週、20年の労働力調査を発表した。それによると、年平均の失業者数は191万人で前年比29万人の増加。完全失業率は2.8%で、前年より0.4ポイント上昇している。失業者のうち「勤務先や事業の都合でやむなく離職した人」は35万人、前年より14万人増えた。コロナ不況の影響が色濃く出た結果である。

目立ったのは、休業者が急増したこと。年平均の休業者数は256万人で、前年より80万人も増えた。休業者というのは、普通なら産休や育児休暇で仕事を一時的に休んだ人が多い。しかし20年の場合は、店舗や施設が緊急事態宣言によって休業したものの、雇用調整助成金のおかげで解雇を免れた人たちが加わった。

仮にこれらの人たちが失業していれば、失業者は270万人にも達したはず。失業率も4%近くに上昇していたかもしれない。雇用調整助成金の効果が出たとも言えるが、コロナによる異常な現象だと考えることも出来る。もう1つ、20年の特徴は、コロナのシワ寄せが非正規雇用に集中したこと。正規雇用者は3539万人で前年比36万人の増加だったが、非正規雇用者は2090万人で75万人も減少した。

20年の雇用状況は年間を通じてみると、緊急事態宣言が発令された春から夏にかけてが最悪。その後は少しずつ改善している。たとえば12月の休業者数は202万人だった。しかし現在は再び11都府県に緊急事態宣言が発令中。また雇用情勢が悪化しつつあることは明白だ。はたして21年を通じては、どういうことになるのだろう。

       ≪2日の日経平均 = 上げ +271.12円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫        

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