m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

箕面滝道・時習堂&山本珈琲館

2022-08-28 | 建築巡り・街歩き【大阪】


箕面の滝道へ、
大学で書道専攻してる娘の卒業制作の題材探しに
滝道の途中にある「時習堂」がいいんじゃないかと、娘に付き合って久々行ってみることに、、


滝道の始まりにある橋本亭は、改装されてきれいに。1階はカフェ&ギャラリーになってる。


滝道の半ばくらいにある時習堂まで、川沿いの新緑ルートを歩く。
水の流れと、紅葉の新緑が清々しい〜

赤い提灯がかかる期間限定の川床には、お客さんがちらほら。

そして時習堂へ到着。
こちらは、日本創造教育研究所という企業へ社員教育などを行う会社がつくられた施設で、偉人の言葉などが展示されていたり、小学生向けに論語教室などされてたりと、地域や人々に還元されている。
めちゃめちゃ熱い係のおじさんに、論語
や大學について、熱心な説明を受けた。
しかし、肝心の題材探しは、、?!


坂村真民の直筆の詩もたくさん展示されていて、いいなと思う詩もいくつかあった。


敷地内には、琵琶湖畔の隣松庵から移築されたというお茶室がある。





向かいには、研修施設として使われている加古川山荘という施設がある。
元旅館だそうで、


中は改修もされてるようだけど、奥に建物が繋がっていて、

まさに迷宮旅館のような趣き。


見学はやはり無理なようだ。

川向こうにあるのは、山本珈琲館。

ここでお茶することに。

建物は、新しいようだけど、中はゆったりと豪華で居心地もよかった。


窓の外の緑が目に入り、

アンティークの家具調度品が重厚感ある。






まだまだ蒸し暑かったので、あまおうカキ氷を食べて、しばし涼んで帰った。

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鴻池組旧本店 春の見学会

2022-04-21 | 建築巡り・街歩き【大阪】
先日は鴻池組旧本店見学会に見事当選し、訪れてきた。
見学はちょうど10年前に建築講座で訪れて以来で、
再びあのアールヌーヴォーの部屋を見れるというのでわくわく。


鴻池組旧本店は事務所兼住居として1910年に建てられた洋館と和館からなる建物。
辰野金吾に師事したという建築家久保田小三郎により設計、建築された。
洋館の外観は辰野式を思わせるような赤いタイルのラインが巡るセセッション様式。


玄関扉上部の矢の文様のステンドグラス中央に入った「北」マークは
鴻池組の社章で、鴻池組の所在地が北伝法にあったことに由来してるという。



郵便受けのデザインも渦をまくセセッション風。


床下換気口のデザイン。



隣接する和館は町屋形式で建てられた住居部分。



裏手に回り、庭から和館を望む。


洋館の玄関ホール。



玄関ホールの天井には彫刻家、相原雲楽によるキューピットの彫刻。


そして玄関と、事務所の間に入れられたステンドグラスは木内真太郎によるもの。
バラと孔雀がモチーフとなっていて、とても華やか。



玄関のたたきに貼られたモザイクタイル。


事務所側からステンドグラスを。


寄ってガラスを見てみると、
孔雀に使われている乳白色のガラスは微妙に色が入り混じったマーブル模様が美しく、





周りの花部分もマーブル模様入りの色ガラスが深みのある色合い。


バラの葉も同じ緑でもさまざまな色味のガラスが使われてる。


旧事務所の床は寄木貼り。


旧事務所照明。


展示物がいくつか。
洋館に使用されていたというスレート瓦。


洋館2階に使用されていた壁紙のオリジナル。
川島織物のもので、現在でも同じ版木で修復に使用されているそう。


そしてメインの2階の応接室へ。
アールヌーヴォーの家具や建具が目に飛び込んでくる。
大正3年改修時に彫刻家の相原雲楽により手掛けられたもの。


鏡の入ったマントルピースの両脇には一見キャビネットのような家具。



天井の装飾も凝ったもの。


このキャビネットのような家具は、
上のダミーの引き出しの引手をひくと、ベッドが出てくるというキャビネット兼収納式ベッドになっているのだ。



2011年の見学時に引き出してもらって撮った写真。


家具や建具のあちこちには、アールヌーヴォーの意匠が優雅。


中央のマントルピース上の鏡台部分の装飾。
コーナーにぴったり収まるようにデザインされた植物。




椅子の背もたれにも繊細な彫り物が。


花台も。
2段になっていて、脚のラインまでデザインが細やか。


鈴なりのどんぐりが可愛い扉。


テーブルの角には象嵌細工も。



あらゆる家具に手の込んだ彫刻が彫られていて、見どころがありすぎる。



こちらのカーテンはオリジナルのまま残っているものだそうで、
タッセルも美しく、重厚感がある。


天井四隅の換気口にもアールヌーヴォーデザインが。
廻り縁にも細かな彫刻が入ってる。


サンルームに通じる扉上部には、鳩がデザインされたステンドグラス。


サンルームは明るい光が差し込む空間に。


奥には洗面とお手洗いがある。


外国製の洗面ボウルかと思いきや、東洋陶器製の高級品のよう。





個室内にあった手洗い器はイギリス製のものだった。


階段にはサンルームからのやわらかい光が差し込むステンドグラスが入っていて、縁飾りも凝ったもの。


階段上のペンダント照明。
天井飾りとシンプルなデザインの照明がぴったり。
鎖もよいデザイン。



和館へ通じる扉。



扉を開けると、隣接する和館が見える。
和館の方が階高が低いので階段がつけられている。


和館の玄関。


台所の壁はタイル貼り。



土間の吹き抜けに通る梁。


1階和室の書院欄間は鶴の透かし彫り。





階段を上がると、階段手摺の柱の先端に小ぶりのかわいい狛犬の彫刻。
相原雲楽の銘が入ってる。
狛犬は皆に撫でられてぴかぴか。


ひときわ豪華な鳳凰の透かし彫りが入った欄間。





うまく撮れなかったが、こちらも鳳凰。





和室を取り囲む廊下にはガラス窓が張り巡らされ、見晴らしがいい。
「浜座敷」とよばれ、当時縁側の眼下には伝法川が流れていたそう。


ガラス窓は戸袋に収納することもでき、
その場合は欄干だけが残る。
欄干にも社章の「北」マークが。


最も格式が高い座敷の書院欄間。
組子細工が美しい


欄間には塗りの額が嵌められてた。


こちらの欄間の彫刻も浮き彫りになっていて、リアルで重厚感たっぷり。




襖の引手には裏にはひとつひとつに銘が入っているそう。





最後に、和館から見た洋館とのつなぎ目の階段。

50分があっという間の濃密な見学会だった。



最後には、孔雀のスタンドグラスのクリアファイルまでお土産に頂けるという至れり尽くせりの見学会、ありがとうございました!


ちなみに10年前の見学時には風呂場や1階廊下なども見れたみたい。→



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「本のお店スタントン」にて「台湾市場」が始まりました。

2022-04-15 | 建築巡り・街歩き【大阪】

「本のお店スタントン」さんで今日から「台湾市場」が始まりました。
さまざまな作家さんの台湾にちなんだzineや雑貨、本が集まっています。
(5/15まで)

スタントンさんがある駒川商店街は、お買い物も楽しめる激安商店街です。
ぜひお買い物ついでにお立ち寄りください。


私は、台湾の和製マジョリカタイルを模した手作りタイルや、台湾風組タイル、


他オリジナル組タイル額やトレイいろいろ、



モザイクタイルのコースターも。


そして、台湾の和製マジョリカタイルをたくさん載せたものと、台湾のモザイクタイル、扉や面格子など、街角の風景を載せたzineも出展してます💠

よろしくお願いします。

設営日初日に行ったので、全体の様子がまだ見れてません。


ここから記録の為詳し目に↓


台湾風?組タイルは2種類。


台湾の街角では、ちらほら可愛い組タイルを見かける。
こういうものや↑


こんな感じのものをイメージしてデザインしました。


和製マジョリカタイルは全部で3種類。


ポピュラーなデザインのものを模してみました。制作工程はこちら→☆


小ぶりな組タイルの額いろいろ。
全てオリジナルの1点ものです。






そして、既成のモザイクタイルを使ってデザインしたコースター。
ブルー系、


ピンク系、


ひょうたん&玉石タイル系、


ブラウン系

以上出展してます。

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高島屋東別館建物ツアー

2022-04-04 | 建築巡り・街歩き【大阪】

昨日は高島屋東別館建物ツアーに申し込んでいたので、ついでに朝一コロナワクチン接種を予約して、済ませた後やってきた。
高島屋東別館は2010年のリノベーション前に一度見学したことがあり→
今回は、リノベーション後、どのように変わったのか?楽しみに。


鈴木禎次設計により、三期にわたり、建設された建物は、オーソドックスな歴史様式と、シカゴやニューヨークの先進的な百貨店建築を参考に、アールデコを融合したスタイルで建てられたという。
歴史的な説明は、2010年見学時のブログにて→



1階のアーチ部分は67mも続くアーケードに。
アカンサス模様が簡略化されたデザインが床に入れられ、


窓ガラス上部にはアカンサス模様をアールデコにデザイン化した模様などが見られる。
グレーに塗られているが、アメリカ軍接収時に塗られたものかもしれないとのこと。



柱の縁を飾る留め具など、細かい部分にもアカンサスがワンポイントに。
とにかくアカンサス尽くしの装飾たち。


1階の大理石のメイン階段ホール。
当時は、建物の両端に対称的にこのような階段が設けられていたという。


現在は1箇所だけ残されていて、
上階は現在はホテルになっていて途切れているのだが、2階以上も階段が続いてるかのように見える改修の工夫がされている。
ここまでは、普段から見れる箇所で、
この先の地階からは非公開エリア。


今回の見学では、この地階へも案内して頂いた。
見学の申込メールには、写真&動画撮影禁止と書かれていたので、写真は無理だと思ってたら、禁止箇所以外は写真撮影可能で、SNSもOKとのこと。

階段を降りた正面には大理石の台座が残されたショーウィンドウ部分。


大理石でできた大きな丸窓のようなもの。
こちらにも広告などに使われていたんだろうか。


階段踊り場にも丸窓のようなショーウィンドウに、一面は鏡貼り。


鏡には大きな水玉模様がポップで
ウキウキするような装飾になっている。


上部には、一列、またアカンサスを取り入れたデザインの照明がつく。


コーナー部分がアールに収められた階段。華やかな、デパートらしい雰囲気があふれる空間だった。


階段を降り切ったスペースの天井にも、当時のままの天井飾りが残されている。


そして、かつては壁の向こうには食堂が続いていたという床部分に、当時のモザイクタイルが残されていた!
わぁ〜、こんなところでタイルに出会えるとは!


赤系と青系のグラデーションの間に白色が入ったデザインは、とてもカラフル。
ほんの一部分だったが、これがこの壁の奥までずっと続いていたんだなあ。
想像するとワクワクする。
一部分でも残しておいてもらえててよかった。


場所は変わって、、バックヤード部分の地階には、こんな掃除用のシンク的なものが残されていたり、


壁面にはタイルが残されていたり、、
床も当時のままであるとか。
むやみにきれいさっぱりに改修し過ぎず、
できるだけ、当時の物を保存しながら活用するという姿勢があちこちで窺えた。


こちら地下1階のエレベーター。
メインの階のエレベーターよりは装飾が控えめ。
天井は配管が通っていることをカモフラージュするため、天井を下げ、梁が通っているかのように見せているのだとか。
真ん中のエレベーター以外は撤去されている。


時計のような階数表示板。
「下り」「上り」の下の四角のランプは、「休止」「満員」と書かれていたそう。



そして、これまたレアだったのは、当時は地階でお客さんと荷物の受け渡しが行われていたそうで、商品を地下へ下ろすバケットエレベーターというものが存在していたそうで、それが保存されていた。


両脇に大きな歯車のようなものが見える。
商品はカゴに入って下されていたそう。


地下2階に残された階段。
戦時中、金属供出などで4期工事は途中で中断されている。
こちらの階段は、完成していれば4階まで繋がるメイン階段になっていたとか。



階段は親柱や手すりなどの要所要所は大理石が用いられ、壁などはテラゾーを用いるなど節約も考えられていた。


そして、驚いたのはこの地下2階。
アーチの向こうには傾斜した壁に白いタイルが貼られていて、


その上は、現在は塞がれているが、当時はプリズムガラスが嵌められ、自然光を地下2階まで取り入れる構造になっていたという。
その取り入れた光を、反射性の高いタイルを貼ることにより、より明るく照らし出すという仕組みになっていたとか。
そんなタイルの活用法があったとは!?目からウロコで驚いた!
そしてこの壁の向こうはすぐそばに堺筋線が走ってる。


タイルを撫でてみたが、つるんと光沢がある。
上から光が注いだら、確かに明るく反射しそうだ。


そのタイルが貼られた傾斜した壁面の中には、大小様々な大きさの配管も通ってた。


そしてこちらが1階の最も華やかな装飾が施されたエレベーター。
こちらもやはり1基だけ残されている。
消防法により、非常用エレベーターとして、活用されながら保存されている。


エレベーターまわりは、サラサと呼ばれる山口県産の黄色い大理石が、両脇にはニノクロと呼ばれる岐阜県産の黒い大理石が用いられ、装飾はやはりアカンサス尽くし。
エレベーター周りの金属部分はホワイトブロンズのメッキがほどこされていたという。





持ち送りのようにつく天井の照明。



こちらのアーチの奥には中2階のレストランがあったところ。
壁の中に手摺が埋め込まれている。
改修前の見学会での写真あり→


現在非常階段用に使われている階段ホール。
大理石に囲まれたウィンドウも残されている。





金属供出により手摺が外された跡が階段の壁面にぽつぽつ残る。


残されていた手摺。
接続部分は金属だけど、手すりは木製。


回数表示板。
枠の装飾も小さなアカンサス。


階段踊り場には木製の枠の照明もあった。


ここで一旦建物の裏手から外へ。
建物から少し外側へ突出してる塔、こちらは店内の埃を排出する為の空気摂取塔。
外観のテラコッタは唯一この塔に貼られたものだけは上から塗り重ねて補修せずにそのままの状態で残っているという。


建物の裏側は一期から四期までの工事の拡張の様子が見られる。


四期工事が進んでいたらエントランスになっていた部分。

この後は史料館のほうへ戻り、見学会は終了した。
たっぷり1時間半くらい、前回の改修前には見てなかった箇所もたくさん
見ることができた。
できる限り元の状態を残し、新たな役割を持たせて活用しながら保存するということが考えられているところなど、すばらしいなと感じた見学会だった。

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堺の町歩き

2021-12-23 | 建築巡り・街歩き【大阪】

レストラン丹治の後は、せっかくなので「かん袋」へくるみ餅を食べに。
入口ショーウィンドウ下のいい風合いのタイル。


くるみ餅の緑を思わせるような緑の大理石とタイルの外壁。


青大豆と抹茶の緑の餡でくるまれたくるみ餅。
決してクルミは入ってない。


渡された番号札はこんなに大きかった。


開いていたらぜひ行きたかった喫茶スコーレ。
鱗模様の外壁、華麗な面格子、


そして、オレンジ色のテントと、全てが可愛い。
日曜定休なのが残念だった。


二等辺三角形とひし形のシンプル面格子。




Z型に渦巻く面格子。



S字連続模様の面格子。タイルに囲まれたベランダ。


花模様が華やかな面格子。



アールデコなシンプル面格子。



こんな洋館も発見。


縦長の三連窓の周りはスクラッチタイルが囲む。間にはテラコッタのレリーフも。


友人調べによる、ヴォーリズ建築の富久邸を見に、石津町へ。
ヴォーリズというので、洋館かと思いきや、純和風建築だった。
門からは奥まっていたのでちょっと見にくい。


空地越しに。
縦長の窓のあるところだけが洋風ぽい・・階段だろうか?


最後に天理教松浜分教会へやってきた。
寺院建築にあるような斗栱や懸魚を模したようなレリーフ装飾がついていた。


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箕面市立船場図書館&「北の椅子と」

2021-12-17 | 建築巡り・街歩き【大阪】
先日、娘と箕面の船場をうろついた。
行ってみたかった北欧ヴィンテージ雑貨のお店「北の椅子と」へ。



蔦の絡まる建物。
以前は別の雑貨店だったな。


デンマークのスーホルムなどのヴィンテージの陶板が目に留まった。
冬が長い北欧では、家の中で過ごすことが多いので、家の中の壁面を飾るためのこのような装飾的な陶板がポピュラーだそう。


ヴィンテージ家具にも天板にタイルが使われてるものが多い。



デンマーク、町でもタイルや陶板が見れるのかなあ。
行きたくなった。


ロイヤルコペンハーゲンのヴィンテージ陶器も。
今まで磁器のイメージしかなかったけど、こんなあたたかみのある陶器も
つくられていたんだと初めて知った。


目の保養だけして、お店を出た。



タイルが使われてるビルも。






アーチ状にタイルが貼られてたコーナー。
錆びた赤い扉とタイルがいい感じ。


北摂焙煎所カフェマタンでランチして、



今年オープンした箕面市立船場図書館へやってきた。
阪大の施設と一体化していて、箕面市の文化芸術の総合拠点に。



蔵書は約70万冊。
3階、4階には阪大の蔵書がある。


図書館以外にも生涯学習センター、文化芸術劇場がある。


外観も凝っているなあ。



長さがランダムな木材を並べたファサードや、


バスケットのように編み込んだような壁面など
デザインも楽しい。



1階には景観に配慮した黒い看板のローソンも入ってる。


阪大のキャンパス。





食堂へも今度食事に来てみたい。



図書館にもカフェが併設されていて、図書館の本も持ち込み可。
ここでゆっくりお茶した。

図書館内部は通常撮影禁止で、申請すると撮影もできるようだった。


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千里阪急ホテル見学ツアーその三

2021-11-29 | 建築巡り・街歩き【大阪】
千里阪急ホテル見学ツアーの続き・・

中庭に面したガーデンラウンジは、サンルームのように明るい光が差し込む。


藤のテーブルセットや照明カバーもこのガーデンラウンジの雰囲気にぴったり合っていて、


窓ガラスには、千里のこの地域で見られる様々な野鳥の姿がさりげなく彫り込まれている。





そして第三期1984年に増築された西館宿泊棟へ。


吹き抜けの階段ホール。


階段の両サイドには手すりが巡らされ、その手すりは、手にしっくりと馴染むように、ホテルの中でも最も苦心して造られたものだそう。


手すりを握ってみると、なるほど手にぴったりとフィットし、なんともいえない心地よさがあった。



こちらの蝋燭が何段も並ぶような照明も二期に造られた東館ホワイエにある照明のデザインを模したもの。



1階ロビーを階段ホールからアーチ越しに見下ろす。


エレベーターの扉には、東館のホワイエにあった丸窓に描かれていた絵がそのまま取り入れられている。


こちらの階段踊り場にもステンドグラス作家、作野丹平によるステンドグラスが入れられている。



この手すりもまた握り心地が抜群・・


階段上のステンドグラスに寄ってみると、
森や水の流れなどをイメージしたかのような、グリーンのグラデーションが美しい。


大小さまざまな形のガラス片が散りばめられ、抽象的な図柄を描く。


こちらのロビーには、三か所に天井装飾があり、


それぞれ違った絵がフレスコ画で描かれている。







こちらのフレスコ画には人が手を上げて踊っているかのような絵が描かれていた。


手仕事の跡が見られる柱の装飾。


そして最後に、アイビーチャペルへ案内して頂いた。
チャペルへのアプローチ前の床は、煉瓦色のタイルに赤いタイルをワンポイントに入れたちょっと華やかなデザイン。


いい具合にカーブを描いた石畳の先にあるのがアイビーチャペル。
森の中にある教会の雰囲気。1991年に建てられたというチャペル。
その数年後に、当時この教会にあこがれて、自分の結婚式をここ挙げたのだった。
25年ぶりに見れてちょっと感激・・懐かしい!


チャペルの入口扉の両脇のステンドグラスは作家、三浦啓子による、ロクレールといわれる手法で造られたものだそう。


2.5cmの厚みのある板状のガラスをハンマーで割って造られるという。



シェルカットと言われるのはハンマーで割ることにより貝殻のような渦を巻くような跡がつくことによる。




横から見ると、大胆にハンマーでカットされたガラスの表面は波打ち、さまざまな長さや奥行のガラスで構成されているのが分かる。
ステンドグラスにこのような手法があることは知らなかった。


近寄って見ても、ガラスの断面が美しく、遠目で見ても、その断面の動きが
全体に深みや奥行を与え、とても美しい。
なんとそのロクレールのステンドグラスを扱っておられる工房が箕面にあるというので、今度又見に行ってみよう。



扉の引手にはハート型のモチーフ



エントランスの床面には大理石が半円状にデザインされている。






祭壇の頭上には、天窓があり、十字架を象ったステンドグラスがはめ込まれている。


チャペルの壁面に使われている石は、赤みがかかった天然の御影石。
地元産にこだわり関西でとれるものを使用したという。
そしてこちらにもステンドグラス。



片側は窓が広く取られ、自然光や庭の緑が目に入る。





パイプオルガンも。


後方の2階への階段も天然石貼りになっていて、鋳物の手すりや、



鋳物の照明器具など、手作り感があるものが使われている。


こんなレリーフガラスの照明も。



一通りの見学が終わった後は、部屋へ戻り、ケーキタイム。

ホテルの方のお話によると、
2026年にはホテルは営業終了するということは決まっていて、その後のことはまだ何も決まってはいないとのこと。
この日見学してあらためて、このホテルの自然との一体感や、ゆったりとしたつくり、建物の細部にわたり手仕事のあたたかさを感じることができ、ホテルとしての営業が終わってしまうのは本当に残念で仕方がないなと思ってしまった。
今回はとりあえず、今の建物の姿を写真で記録することができてよかった。
まだ営業終了までは、期間があるので、再びこの空間を味わいに来たいなと思う。

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千里阪急ホテル見学ツアーその二

2021-11-28 | 建築巡り・街歩き【大阪】

プールサイドから第一期に建設された宿泊棟を見学した後、
第二期に増築された東館宴会場の方へ向かった。


通路の途中に何気なくあったタイルが貼られた柱。
民藝風の絵付けがされたもの。
明るい茶色で絵付けされたタイルは、ホテルの通路にしっくり馴染んでた。


天井には丸くくり抜いた中に照明が仕込まれている。


披露宴会場前のホワイエもとてもいい空間。
押し出し成型のあたたかみのあるタイルが床に敷き詰められ、


中庭に面したアーチ窓からは外の光が差し込む。


アーチ部分ににはアイビーの装飾が。
倉敷のアイビースクエアと同時期に建てられたことから
同じモチーフが使われたという。


床のタイルには押し出す時についたと思われる渦状の跡形が
うっすらと見られて、手作り感が一層感じられる。


木々を表したものだろうか?
外観にも使われていたアイアンの面格子が階段や2階のバルコニーのフェンスに取り入れられている。


赤い絨毯が敷かれたゆるやかな階段。
この階段で自分の結婚式の写真を撮ってもらったことを思い出した。



天井からぶら下がる照明は手吹きガラスで作られたものだそうで、
ヨーヨーのような模様がレトロで味わいがあった。


階段踊り場には、ステンドグラス作家、作野丹平の作品。



夕日がモチーフなのだろうか?
オレンジ~赤のグラデーションが細かいガラス片が組み合わされ表現されている。


階段の踊り場からホワイエを望む。


2階のバルコニーの下には、アーチ型にくり抜かれた天井に照明も。


宴会場「樹林」の前のアーチ窓には、無数の葉が折り重なるようにデザインされた模様の入ったガラスが使われてる。



この葉も本物の葉のように葉脈が細かく入ってる。
宴会場は見学コースには入ってなかったのだけど、
自分が結婚披露宴会場に使った樹林は窓が大きく取られ、
外の緑と一体となった素敵な会場だった。


館内はいたるところに半円アーチのモチーフが繰り返し使われている。



鶴の模様が刻み込まれた半円アーチのガラス窓。


蝋燭が列をなしたように連なるデザインの照明。
電球の中のフィラメント?はハート型をしてるのだとか。


丸窓には自然の動植物をモチーフにした絵が描かれている。

  





中庭に出て見上げる西館の客室棟は、各階デザインの違うタイル装飾が付けられていて、白いタイルの数がその階数を表しているのだとか。
解説を聞くと、ホテルのあちこちに数々のこだわりが見られ、
手をかけて造られたということがよくわかった。

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千里阪急ホテル見学ツアーその一

2021-11-27 | 建築巡り・街歩き【大阪】

先日は友人に教えてもらって応募した千里阪急ホテル見学ツアーに参加してきた。千里阪急ホテルは自分の結婚式&披露宴を行った場所でもあり、
思い入れもあるので楽しみにしていた。


千里阪急ホテルは、浦辺鎮太郎設計により建設され、大阪万博が開催された1970年に開業。1976年に東館、宴会場が、1984年に西館宿泊棟がそれぞれ浦辺建築設計事務所により建設された。
合理的な中にも手仕事の温かみが感じられるディティールが随所に見られる建物を
隅々まで解説を聞きながら見せて頂いた。


まずは外観から。
メインエントランスのある棟の屋根にはオレンジ色系のタイルが敷かれている。タイルは7段階もの色味に焼き分けられてるというこだわり。それにより深みのある色合いになっている。



3期に建てられた西館宿泊棟の壁面は煉瓦色と白のタイルが網代状に貼られて
クラフト感いっぱい。
間には植物を表したような面格子。





タイルの模様のデザインも少しづつ違っているのだ。






エントランスの柱の照明。



エントランス扉。


2期に増築されたエントランス付近の壁面には、増築によりロビーが
移設した際、元の玄関にあった千里阪急ホテルのロゴマークの入った壁面が
あちらこちらに取り入れられていて、
できる限り建設当時のものを引き継いでゆくという姿勢が見られる。


広々とゆったりしたロビー。



照明は、建築当初からのさまざまなデザインのものが使われている。



ロビーにはオレンジがかった明るい茶色のタイルが敷き詰められている。
押し出し成型によりひとつひとつ作られたタイルだそうで、
ふっくらとしたタイルが足に馴染み、歩き心地がとてもいい。


そしてフロントのカウンターには


床と色調の似たタイルが貼られているのだが、



その所々に、葉の葉脈がそのまま焼き付けられたようなタイルが
使われているのだ。



「千里の自然、人の手のぬくもり」という設計のコンセプトがまさに現れているようなタイルに感激。


床からの立ち上がりもアールのついた役物のタイル、モールディングタイルが使われ、細かい部分まで丁寧な仕上がりで、カウンターのコーナー部分の床のタイルの貼り方も凝っていた。



天井を見上げると、矢羽根模様の天井装飾が、明るくウッディな雰囲気を盛り上げている。


階段上り途中にあった壁面の飾りは、なんと瓶の底を用いた装飾なのだそう。
瓶の底のようなガラス装飾はたまに見かけるが、よく見るとほんとに
瓶の底部分だった。
こんなアップサイクル精神、遊び心はとても好き。


そして、第一期の1970年開業当時に建てられた宿泊棟をプールサイドから。
プールを囲むようにゆるやかにアールを描き、ゆったりとした低層ホテルは
まるで外国のようで、広い土地が贅沢に生かされている。
各部屋も都会のホテルと比べると、一室がゆったりと広くとられているのだそう。


夏はこのプールサイドでビアガーデンが開かれているのだが、一度行きたいと思いつつまだ行けてない。



モザイクタイルが貼られた噴水らしきもの。

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オーガニックカフェ・リジョイス&赤いタイルのビル他

2021-11-14 | 建築巡り・街歩き【大阪】

個展に来てくれた超久しぶりの友人とランチすることになり、
岡町の古民家のオーガニックカフェ・リジョイスへ、自転車で向かった。
友人は家の近くなのに知らなかったというくらい、分かりにくい場所にある
まさに隠れ家的なカフェだった。


入口の扉はキラキラ模様のこんな型板ガラスが入ってる。


懐かしい雰囲気のするお家にお邪魔するように、靴を脱いで玄関を上がる。



こちらの建具などは、部屋の仕切りに使われていたものを
付け替え再利用したそう。


お部屋の真ん中には大きなテーブルが一つあり、


二つの押し入れの襖を外して、元押し入れのスペースに二つのテーブル席が用意されていた。



欄間の細工は以前に住まわれてた方が、新たに入れられたとかで、
元の欄間は奥にしまわれているという。
ステンドグラスの扉はお店オープン時にとりつけられたそう。


ランチはベジタリアンのプチコース。
前菜に、


メインと副菜、これにパンとお味噌汁、果物がついていた。
これに人気のヘルシードリンクだというチコリコーヒーをプラスした。
この日会った友人はバドクラブ時代にダブルスのペアでもあり、
高校時代のテニス部の先輩でもあったので、
懐かしい話がいろいろ出てきた。


待ち合わせ前に、商店街を少し歩いた時に見つけた手作りの木彫りのお店。
木彫りをされたご本人の方がお店をされていた。


どの額もデザインが好みで、タイルを入れるのにちょうどよさそう~
と思ったけど、手作りの為ちょっと手が出ない価格で断念。


ひときわ目を引いたこの鏡の入った額は、祖父の作品だそうで、
非売品とのこと。
見とれてしまう力強さがあった。




こんなデザインもいいなあ。



こういうの見てると自分でも彫りたくなってくるけど・・
さすがにここまで手を出せないなあ。


ガラスが上にのせられたミニトレイも素敵だった。



結局、この少しお手頃価格になってた一輪差し的なものを購入した。
ドライフラワーなど差しても可愛いかも。


商店街の中で気になった喫茶店エーワン。
今調べたらどうも閉業してるよう。


赤いタイルが張り巡らされたビル。


きれいな赤色。。


床は対照的な黄色。


優雅な螺旋階段があったり、


ハチの巣状の照明入り看板があったり、魅力的なビルだった。

岡町駅周辺、いろいろと見どころがありそうなので、またゆっくり歩いてみたい。


帰り道見かけた廃店舗の泡状面格子。
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