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タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

名古屋日帰り【タイルの宝庫・名古屋市役所本庁舎見学ツアー】

2025-01-25 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

午前中の予定をこなし、やって来た名古屋市役所本庁舎。
1933年、一般公募から採用された平林金吾設計により建築。
名古屋城との調和を図り、時計塔には和風の屋根瓦が乗った和洋折衷の外観
のデザインが考えられたという。






受付を済ませ、ツアー開始。



1階の大理石に包まれた中央階段。
階段手摺などに使用されているのは、山口県産の小桜という大理石だそうで、
国会議事堂で使用した残りのものが使われているとか。


階段ホールで目を惹くのは、手摺の上に乗った陶製の照明。
小森忍による作品で、花文様の透かし彫りの中から緑色の明かりが漏れている。
三彩のような色合いの釉薬が、流し掛けされて、それらが複雑に交じり合ってとても良い風合い。


各階に設置されている照明器具は、少しずつ釉薬のかかり具合も違っている。
緑の明かりによく合うなあ。


階段上から見ると、上部も透かし彫りが施されていて、とても豪華だ。



流し掛けされた釉薬が、裏側で溜まってる様子。


吹き抜けの階段ホールを下から見上げる。



階段下のスペースには、御休憩室。



北側、東側の廊下は、明るめのベージュ色の布目タイルが貼られていた。




廊下には郵便のシューターも。
シューター周りのタイルは、少し赤みを帯びたもの。



2階中央廊下は、濃紺とちょっと渋めの金色のタイル。


議場前壁面には、華やかなタイル貼りのコーナーが設けられていた。


色とりどりのタイルが貼られた黒い大理石に囲まれたコーナー。
黒い大理石が、内に貼られたタイルを引き立てている。



タイルは、一枚一枚、見たことのないような風合いの窯変が現れていて、
それぞれがとても複雑な表情。


藍色やえんじなどの深い色合いの中に、鮮やかなライトブルーやオレンジなどが所々に現れていて、何これ?!状態・・


なんと魅惑的な風合いなんだろうか~





うっすら布目が見えてるものもあるが、
ほとんどが布目が隠れてしまうくらい、たっぷりと釉薬が掛かっている
ようだ。




いつまででも眺めていたくなるような魅惑のタイルたち。





2階の中央廊下沿いには、外にテラスのようなスペースも設けられていた。
建築当初はパーゴラが付いていたそうだが、
現在は老朽化の為取り払われ、その名残の庇がいくつか残る。


布目タイルの貼られた階段ホール。


2階、3階にある議場。
円形の議場は、全国的にも珍しいのだそう。


格天井の中央部は、ステンドグラスに。



こちらは市長室。
天井飾りなどは、そのままだがシャンデリアは新しいものに変えられている。




柱のやハンチの装飾。




こちらは4階の貴賓室。
海外からの賓客などをお迎えする部屋。


大理石のマントルピース。
東山魁夷の絵がマントルピースの上に掛けられてる。


シャンデリアの傘も大理石。
戦時中、貴賓室は、金属供出されなかったのだそうで、
シャンデリアやヒーターのグリルなど金属製のものが多く残されていた。


ハンチには、雲のようなデザインの装飾。




大理石の壁かけ時計も。
金属製の飾りもおもしろい。


洋風ぽい装飾の中に、五三の桐をモチーフとした文様があちらこちらに使われていた。


ヒーターの装飾グリル。
マントルピースのグリルにも、同じくデザインされていた。


そして、貴賓副室を挟んで、貴賓化粧室が設けられている。
扉が開くと、一面のブルーのタイルが目に飛び込んできて、
うおーーっと歓声を上げたくなった。
広々とした化粧室は、床面も、壁面も美しい光沢のあるブルーのタイルが
一面に貼り巡らされている。




うっすらと布目の見えるタイルは、ぬめっとした艶やかさがあって、
美しい~~







洗面台上の、三段ラックは、大理石の造り付け。


洗面の壁を挟んで向こう側には、トイレも。
なんと贅沢なトイレなのだろうか・・


貴賓化粧室のタイルも小森忍が手掛けたもの。
議場前のタイルとはまた雰囲気が違っているが、こちらもブルーの濃淡がつけられていて、味わい深い・・


階段ホールのアーチ。
手摺に嵌められた金属は、金属供出時に全て取り去られ、
新しい、シンプルなものが入れられている。



上から階段の吹き抜けを見下ろす。


階段や、ホール付近の各フロアには、ベージュ系の布目タイルが貼られていた。


屋上へも案内して頂く。
広い屋上の床面は、クリンカータイルが敷き詰められている。


ここのクリンカータイルは、中央部分がほんのり赤みを帯びているな?!
とてもきれい。


屋上から見た時計台。


屋上から見た城郭風の屋根部分。
銅板貼りの屋根の天辺には鯱が、屋根の軒下には、鬼面が建物周りにぐるりと貼り付く。




防空迷彩の為、壁面をコールタールで黒く塗った部分も残されていた。




屋上から望む名古屋城。
この日はとてもいい天気で、背景の山並みまで、こんなにはっきり見えることは、あまりないとのことで、きれいだった〜



最後に、トートバッグ、缶バッジ、付箋メモまでお土産に頂く。
市主催の無料ツアーだったが至れり尽せりで、大満足。
念願だったタイル三昧の名古屋市役所本庁舎をじっくり楽しめた。
この後は、一宮へ。



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