m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

千葉の建築&タイル旅【大多喜の町歩き&大多喜町役場中庁舎他】

2025-01-05 | 建築巡り・街歩き【その他】


大屋旅館へ泊った翌朝、朝の散歩へ繰り出す。
大多喜は、城下町として、又、房総半島の東西を結ぶ宿場町として栄え、
現在も江戸時代の商家が残る町並みが見られる。

こちらの渡辺家住宅は、江戸末期に建てられた商家で重要文化財。


伊勢幸酒店店舗兼主家は1873年に大多喜城の大手門の部材を用いて建てられたという商店で、昔は質屋、古物商を営んでいたという。



蔵造りの商家で、質屋金物屋を営んでいた1876年建築の旧江澤邸。



古い蔵なども残っている。




扉の下方に、何やら鼠マークが。
鍵穴でもなさそうなのだけど何だろう?
鼠除けのおまじない?!


江戸中期創業の造り酒屋、豊乃鶴酒造。
現在の建物は1874年の建築。


町屋や蔵造りの商家が並ぶ町並みの中、
こちら、こじんまりとした下見板貼りの洋風の建物。
郵便局として使われていたそうで、現在は、花屋さんとして活用されているそう。





まだ開店はしていなかったので、窓の外から中を拝見してみると、
カウンターらしきものがのこされていて、中もそれほど手を加えずに
使われているようだった。
植物の入った鉢もいくつかあった。





裏口の軒の持ち送り。



風化した看板とシャッターがいい味わい。


こちらは、元たばこ屋さん。
タイルがあると聞いてやって来た。


ショーケースの下部にモザイクタイルが残されていたが


かなり朽ちてきていて一部剥がれてしまっていた。
カラフルな赤白、そして黒と緑のモザイクタイルが鮮やか。


上部のガラスの部分には、たばこの文字。


お隣は、元クリーニング店?
窓の桟などが洋風でおしゃれな店舗。


いすみ鉄道大多喜駅
1988年に鉄道の開業と共に大多喜城をイメージして改築されている。


大多喜庁舎を回って旅館へ戻ろうとしていたら、庁舎の屋上辺りにふと
モザイクのようなものが見えた。



屋上のモザイクをチラ見して、もしやと思ってたら、看板から今井兼次設計と判明。
ノーチェックだったので驚いた。
こちらの中庁舎は、1959年、今井兼次設計により建築。


コンクリート打ち放しの外観の中、南面の壁には、荒々しい石が貼られていた。
石は、役場職員自ら採取した蛇紋岩だそう。



玄関前のポーチの庇。
天井に描かれる流れるような曲線は、夷隅川をあらわしているという。
正面の壁面にも蛇紋岩が使用されている。



玄関前の金属製のスクリーン。
コンクリート打ち放しの無機質な建物の中にも、蛇紋岩だったり、こんなスクリーンだったりと装飾性のあるものが各所に使われていて和む。


玄関ホール床は、方角を示し、デザインされたテラゾーの装飾が入っていた。



玄関ホール天井を見上げると、三つ扇をかたどった明かりとり窓が。



階段ホールは、渋いタイル!
ざらざらとした印象のタイルが貼り巡らされている。
一部コンクリートの壁面ともよく合っていて、あたたかみが感じられた。


こちらは、信楽焼のタイルだそう。
土の質感と釉薬の色合いがマッチしていて、とても良い味わい。




階段を見上げる。


この上へ上ると屋上へ出れた。



屋上に、先ほど下からチラ見えしてたモザイクタイルが貼られたペントハウスがあった。
それほど背が高くないので、下からはほとんど見えない。



モザイクタイルは、大多喜に暮らす人々の日常が表されてるという。
後に続くモザイクタイル作品の最初の試みだったそう。


陶片をじっくり見ていくと、布目タイルがあったり、重ね掛けの窯変がきれいなタイル、絵付け陶器の欠片?など様々なものが混じってる。




こちらには、何かコーナー部分の陶器?スクラッチタイルにレリーフタイルも。





見覚えのあるデザインのマジョリカタイルの一部や、オレンジ色の
マーブルタイルも







牛をかたどったようなモザイクの上には「1959」と年号らしきものと、中央には足を交差する人物レリーフ。






この葉が描かれたタイルもどこかで見たような気が・・


辰砂釉の美しい陶片もあった。


これは、あのタイルの破片かな?!と想像を巡らすのも楽しく、、
ほんとに様々なタイル陶片が集まっているのを感じた。


再び1階へ下りて、散策。
こちらはホールの入口。
旧事務室が、多目的ホールとなっている。
引手は、扇子モチーフのデザイン。


多目的ホールは、マットが敷かれてたので、体操教室などにも使われてるんだろうか?


腰壁には、タイルが貼られてる。


階段壁のものとは、ちょっと雰囲気が違い、焼き締めのものだろうか?
こちらも信楽のタイルぽい感じ。


天井につく照明は、こんな繊細なデザイン。


ホールにあった間仕切り的なものについていた金具も凝っていた。
紫鯉をデザインしたものだそう。






1階廊下の天窓の明りとりは、丸い電球のようでかわいい。


会議室も見せて頂く。
二方向全面ガラス貼りになっていて、とても解放感がある。
天井のレンコンのようなものは、照明で、中世大多喜城を築城した武田氏の家紋、武田菱をデザインしたものだそう。



中庁舎と本庁舎の間に位置するベルタワーは1969年に完成。

思いがけず、今井兼次設計の大多喜市庁舎を見学できて感激。


この後は、宿をチェックアウトして、バスとJRを乗り継いで千葉駅へ。
つづく・・
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千葉の建築&タイル巡り【桜湯&大屋旅館他】

2025-01-04 | 建築巡り・街歩き【その他】
東京から千葉へやって来た。
この日は大屋旅館へ宿泊予定だったが、その前に千葉の近代建築を巡ることに。
まずやってきた千葉市美術館。
何階建てなのか?ものすごい威圧感のある建物に圧倒される。
こちらは、1995年大谷幸夫設計のもので、旧川崎銀行千葉支店の建物を包み込む形、鞘堂方式で建てられたものとのこと。


正面から。
この日はなんと臨時休館日で、中へは入ることができず、無念だった。


イオニア式柱のある入口は、包み込まれている旧川崎銀行千葉支店のエントランス部分のよう。


駅へ向かう途中に出会ったタイル貼りのマンションエントランス。



こちらもエントランスにあったモザイクタイル画


日本キリスト教団千葉教会。
1895年、ドイツ人建築家リヒャルト・ゼール設計により建築。
下見板貼りのかわいい教会だった。





千葉駅トイレのボーダータイル。
ここから大多喜へ向かうためにまずは茂原へ。


茂原で、タイル的にもおすすめと伺っていた桜湯へ入って行くことにした。


のれんをくぐると、女湯と男湯の扉の間の壁面にマジョリカタイルがびっしりと貼られていた。
その上に無造作に貼られた料金表。


タイルは、きれいな状態で残されていて感激~


女湯の扉を開けると、床面にもタイルが貼られてた。
一部、踏まれて絵が消えかかっていたが・・
本業タイルかな?あまり見覚えのない文様。


入った時、先客がちょうど出られたところで、
浴室内も写真撮影許可頂けた。


灯台のある海を描いた絵が描かれている部分は、タイルではなかったが


浴槽の上部には、雷文のマジョリカタイルが二列に渡って巡らされていた。


洗い場横には、こんな浦島太郎を模したような絵も。
写真を撮らせて頂いた後は、ゆっくりお湯に浸かった。
お風呂に浸かった後は、ちょうど近くのバス停から大多喜行きの最終のバスに乗って大屋旅館へ。


バス停を降りて、真っ暗な道にやや不安を抱いたが、
明かりの漏れた大屋旅館がすぐ見つかった。


大屋旅館は、江戸時代から続く門前宿として、夷隅神社の参道脇に建つ。
現在の建物は明治期1885年に建てられたもので、その後大正、昭和と、
増築されているようだった。
引き戸を開けると、土間と帳場のある広い空間があり、女将さんに迎えて頂いた。



帳場横にはガラス扉に電話室と書かれた部屋も残されていた。



お部屋に案内してもらう途中に、浴室のあるスペースを通った。
白い壁とタイルに、水色の木製の窓枠と、この空間だけが洋風空間に。
大正時代に建て増しされた部分とのこと。
(ここから翌朝の写真も混じる)



洗面シンクは、タイル貼りで、ハーフサイズのマジョリカタイルがボーダー状に貼られている。
シンクの水切り棒は、木製?!


シンクの形も裾窄まりになっていてかっこいい。


蛇口上の「水」「湯」の表示も陶製だ~
湯の蛇口の根本の渦を巻くようなシミもなんだかアートのよう。


こちらは浴室内。広々として快適そうだったが、
この日は、すでに銭湯の桜湯に入ってきたので、こちらの浴室は使用せず。


浴室内の照明も素敵。
洋風の漆喰装飾が見られる。



朝の浴室。
坪庭の緑が目に入り窓からの朝の光がやさしい。


少し小さ目の家族風呂も見せて頂けた。
こちらは、真っ白なタイルに覆われている。


床は蜀江文型のタイル。
それにしても、汚れの目立ちそうな真っ白なタイルなのに、
きれいに維持されてるなあ。



天井の漆喰装飾、こちらも大浴室と同じデザインのもののよう。


そしてお部屋へ。
掘りごたつがうれしい~


一息ついたら、早速旅館内のタイル探索へ。
扉開ける前は、普通のトイレかと思いきや開けてびっくり。
腰壁にマジョリカタイルがずらり。



もう一つのトイレも、こちらは連続模様ではなく、あえて別のタイルが交互に入れられている。エメラルドグリーン部分の釉薬の透明感が最高。


そして、こちらは、少し広めの男子トイレ。
この日は、私以外誰も泊まってなかったので、ガラッと開けると、
床一面のタイルが!
床全体の白いタイルの縁を囲むように緑のラインのマジョリカタイルが並ぶ。
便器の周囲は、透明感のあるグリーンのタイル、青磁色の陶器のスリッパも
揃ってる。見事な保存状態に驚愕。


並べると連続模様になるマジョリカタイル。
緑一色だけど、シンプルで美しいデザイン。



翌朝、更にお部屋を案内して頂けた。
玄関のある棟は、明治時代と最も古い棟。


階段を上がると、玄関の真上の部屋は、広々として装飾も豪華。
こちらは人気のお部屋だそうで、指定される方も多いのだとか。





雨戸を開けてくださったが、解放感いっぱい。
低すぎる手摺が怖いくらい。









こちらから増築された棟へ。


廊下のデッドスペースにこんな洗面台。


こちらのお部屋、窓の下部は無双窓になっていて、風通しもよさそう。





三間続きの大広間も見せて頂けた。
欄間や組子細工が凝っていた。













館内ツアーを一通り楽しませて頂いた後は、朝の散策へ繰り出した。

つづく・・



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2025年あけましておめでとうございます

2025-01-02 | ブログ





2025年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

自宅で家族とふるさと納税で選んだおせちをつつきながら
今年も穏やかなお正月を迎えることができて感謝。
今年は洋風、肉系多めのおせちが家族には好評で食べ応えあった。
もはやお節料理とはいえないお節かも?!
2日は、恒例の家族で実家へ。常日頃訪れてはいるが、お正月なので家族皆揃って両親と会え、ゆっくりできたのはよかった。

今年も、去年に続いてヨーロッパ第四弾のタイル&建築旅へ行きたい。
そのためには、さすがにもう少し英語をなんとかしないと~と;
言葉がもう少しできれば、更にもっと旅も深まるはず?!
既に諦めモードだったけど、去年出会ったベルギーの友人も日本語の勉強を始められたので、今更ながら私も少しがんばってみようかな。
と思うように。

そしてDoorsの第二弾として、一昨年に訪れたハンガリー&チェコのドア編を作りたいな。パソコン操作を忘れないうちに・・もう忘れてると思うけど;

後は、ヨーロッパへ行って一日中歩き回れる体力を維持するべく、日々鍛錬を積みたい。

今年も様々な体験をして、良いものを見て、自分の中に蓄えつつ、
秋の個展へ向けてのタイル作りに生かしていけたらと・・
そして今年もブログにできるだけ記録を続けていきたいな。



お正月恒例、今年もいらないカレンダーで封筒を作る儀式を行った。






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