今月の建築巡り講座で訪れた三田学園。
以前に外観だけ見に訪れたことがあったけど、この日は内部見学もすることができた。
三田学園は英国イートン校をモデルにし計画され、明治45年から大正10年の間に校舎をはじめ、寄宿舎が建設された。
こちらの建物は昭和12年に置塩章設計によりスパニッシュスタイルで建てられた二十五周年記念図書館。
閲覧室へ入ると、広々とした高い天井は格天井になっていて、当初はシャンデリアが下がっていたという中央には装飾が残されている。
建築当初の写真を見せていただくと、こちらの正面には緞帳が下がり、舞台を意識した造りになっていた。
舞台の周りのアーチの装飾
図書館奥には床の間のついた和室あり、
凝った欄間に
広く取られた縁側の窓は正方形と花型を合わせたクワトレフォイルといわれる洋風建築の伝統モチーフがみられる。
縁側の扉の四隅には木材のゆがみを軽減する役目もあるという装飾も入れられてた
図書館の玄関扉の装飾
ドアノブ
玄関庇の持ち送りも凝ったデザイン。
こちらは明治45年に建てられた本館。
現在は教室の他に資料室などに使われている。
スティック様式で建てられた木造で、当時ヨーロッパでは木造は仮設という考えがあったそうで、
いずれ石造か煉瓦造りに建て替えの計画もあったという。
結局校舎は木造のまま現在まで使い続けられ、明治時代の現役校舎としては日本では大変珍しいものとなった。
二階の資料室へ。
二階には三田学園史料室と創設者である小寺謙吉資料室がある。
資料室には古い家具類なども展示されていて、
碁盤の目が入った囲碁のテーブルも。
テーブルの脚がリアルな獣の足になっていたのも面白かった。
100kgあるという避雷針の展示も。
安全上屋根の上から下されたものだとか。
避雷針って目の前で見るとこんなに大きなものだったとは!
他にも絶滅危惧類のオランウータンやカモノハシなどの動物のはく製の展示など珍しいものも見れた。
緑豊かで広々とした敷地の中、歴史ある建物に囲まれ、恵まれたこの学校の環境をうらやましく思ったのだった。
この後は打ち上げの会場でもある宝塚ホテルへ移動した。