イケフェス、一日目の最初に訪れたのは西長堀アパート。
昭和33年に関西初の公団高層住宅として、当時最先端の設備を備えて建設されたマンモスアパートが
58年ぶりにリノベーションされ、今回、三つのタイプの住宅を見せてもらうことができた。
再生のコンセプトは「温故知新」ということで、従来のデザインをそのまま引き継いだものと、
時代に合わせて新たに付加されたものとがうまく合わさり、いろいろと工夫が凝らされていた。
当初からの全長100mあるという外壁に、縦長のスリット窓は、当時慣れない高層住宅の高さへの不安や冬季の寒さを考慮し
当時の設計担当者が検討を重ね生まれたものだという。
今見ても斬新でおしゃれなデザインだなあ。
新たに改修されたエントランスホール。
20世紀の前衛美術を代表する画家、吉原治良によるエントランスホールの壁画は当初からのもの。
募集当初の様子をできる限り再現したという住宅
リビングキッチンを配した住宅は当時ではとても斬新だったそう。
畳敷きの居間に押入れ、障子
収納スペースには着物用の引き出しなども。
そしてこちらは「ヴィンテージ・シンプル」といわれるお部屋のキッチン。
ヴィンテージな部品を残した内装ということで、キッチンの吊戸棚などは当初からのものだそう。
当時は洗濯機置き場がなかったことから、流しのすぐ横に壁を設けて
洗濯機のスペースが確保されている。
更にコの字型に回り込んで収納棚と、コンパクトにレイアウトされている。
こちらの洗面キャビネットの棚なども既存のものが利用され、新たに扉に鏡が取り付けられている。
その下の洗面台もちょっとレトロな形がかわいい。
こちらは「stay+(ステイタス)」といわれるお部屋で、2口コンロのシステムキッチンとその横に洗濯機置き場がつくられている。
リビングの壁面には有孔ボードが貼られ、収納やディスプレイのバリエーションがもてるよう工夫され、
更に小天井の設置により、収納力もアップされている。
シャワールームは浴槽はないものの、大き目シャワーヘッドが完備
この扉やドアノブは既存のものでレトロ。
他にも黒板ボードの壁面の部屋などもあるそうで、レトロと今風がほどよくミックスされていた。
廊下の階数表示板。
4なんて、下の方がちぎれかかってたけど大事に使われてた。
西長堀アパート、当時、最先端だった内装が今はそれがほどよくレトロ感を醸していて、それがまた新しい感じでよかった。