またまた友人から送られてきたレポートに以前から興味のある記事がありました。
昨今、自然エネルギーが見直されていますが、今日のテーマは、地熱発電です。
地球を30~50Km深く掘ると約1000℃くらいの蒸気が得られるそうです。えっ
そんなに深く掘れるの・? やはり、無理ですが、いわゆる温泉地などの地熱地帯
だと1~数キロm位で1000℃くらい稼げるそうで、日本でも実績があります。
ただ、これをやるためには、現状だと温泉法、電気事業法、国立公園法などなど
規制がたくさんあって、実現にはかなり骨が折れるとか・・。
2年前?に、浪漫倶楽部有志で、八ヶ岳の硫黄岳登山に行った折、宿泊した山小屋「オーレン小屋」のオヤジが話していたのを想い出しました。ここは、すぐ前を流れる小川を活用して水力発電で小屋の電気を賄いたい。重油による自家発電だと環境問題や
費用面などなど・・。ところが、公園法、電気事業法、河川法、森林法・・などなどかなりの省庁を駆けずり回った。完成はして、私たちはその電気の明かりの恩恵を
受けましたが、小屋のオヤジが言うには「いいことをしようとしても、この国は
大変だ・・」とこぼしていました。よほどやる気がないと無理。
ちょっと脱線しましたが、地熱発電の仕組みは、ネットから拝借してアップしま
した。

地熱発電は、純国産エネルギーで、CO2排出も少なく、安定供給が可能・・など
利点が大きいが、発電量がそれほど多くなく、したがってローカル発電向きだそう
です。でも、大変魅力を感じています。
前置きが、かなり長くなりましたが、友人からのレポートをいかに転写します。
*********************************
Business i. ENECO 2011年08月号 p36-39
「地熱発電で世界を席巻する日本企業の戦略」
加納 浩志(フリーライター)
【要旨】原発事故にともなう原子力依存からの脱却のため、2つの代替エネ
ルギーの可能性を探る特集「太陽熱・地熱発電は再生可能エネルギーの本命
となるか?」のなかの一記事として、地熱発電の現状をリポート。地熱発電
用タービンの世界シェアの7割は、富士電機、東芝、三菱重工業が占めてお
り、世界第3位の地熱資源をもっているにもかかわらず、日本国内では地熱
発電が普及しているとはいえない。そこには地熱発電に関する誤解や知識不
足、法的な縛り、国立公園での開発の規制などの障害があるからだ。本記事
では、大手3社の事業展開と今後の展望を中心にリポートすることにより、
日本における地熱発電の可能性を探っている。
------------------------------------------------------------
火山国の米国では地熱発電が 309万kWに達しており、フィリピンでは電力
の19%が地熱発電でまかなわれている。日本は世界でも有数の火山国である
にもかかわらず、地熱発電は現在、18発電所で約54万kWと、電力供給の1%
にも満たない。国内では2006年に九州電力と出光興産が共同で運営する滝上
地熱発電所(大分県九重町)が稼働開始して以来、新設はない。
日本には2万7866個の温泉の泉源がある。地熱発電の貯留槽は本来、温泉
よりもはるかに高温で深いところにあるため共存できるはずだが、温泉の所
有者には影響を懸念する声が多く聞かれる。こうした誤解も開発の壁になっ
ている。
地熱の掘削は温泉法の縛りを受ける。このほかにも森林法、電気事業法、
環境影響評価法(環境アセスメント法)など多くの法的制約をクリアする必
要がある。このため、開発の着手から運転開始までの時間が世界でも有数の
長さとなっている。しかし、現在、国会で審議されている再生エネルギー特
別措置法案が可決・成立すれば、発電した電力を全量買い取ることが可能に
なる。地熱発電は探査や坑井掘削などにコストがかかってしまうが、同法に
基づいて買い取りが実施されれば、コスト面でのバックアップが可能になる。
国内での地熱の普及は、バイナリーサイクル発電と呼ばれる技術の普及が
もう一つのカギとなる。バイナリーサイクル発電は、アンモニアやベンタン、
フロンなど、水よりも低い沸点の媒体を使うことによって、地下の温度や圧
力が低い、熱水しか出ないといった条件のなかでもタービンを回して発電で
きる。比較的高温の温泉でも小規模な地熱発電を行うことができる。効率的
にしかもコンパクトな施設で発電できることから、今後の普及に期待がかかっ
ている。
一方、日本政府はインドネシアで地熱発電に必要な蒸気を確認する試掘に
円借款を供与する方針を固めた。日本が強みを持つ地熱発電について、プラ
ント建設から運営までを手がける卸発電事業(IPP)への参画とシステム輸出
を支援する。世界第1位の地熱資源大国であるインドネシアの政府は、年内
に総額 200億円規模で地熱の試掘基金を設立する。同国の IPPには伊藤忠商
事と九州電力が参画、また住友商事も参画する意向だ。
富士電機は、タービンの製造市場では2000MWを超え、世界第3位となって
いる。1960年に国内で初めて地熱発電システムを納入して以来、世界各地へ
地熱発電設備を納入している。昨年5月には、ニュージーランドのロトカワ
地区に世界最大出力 140MWの地熱発電プラントを納入した。富士電機の設備
の特徴は、蒸気が羽根と羽根との間から吹き出す反動力を利用する反動式蒸
気タービンが採用されている点だ。不純物が衝突したときの衝撃が小さくて
済み、信頼性が高い。
昨年5月には2000kWのバイナリー発電設備の販売を開始した。従来使えな
かった 100~ 150度の低温蒸気や、これまで発電後に地中に戻していた低温
熱水を有効に活用できる。また、従来の発電設備において利用できなくなっ
た低温の減衰井蒸気を発電に使うこともできる。フラッシュ発電との併用な
どを進めることによって事業の拡大を図り、11年に25億円の受注を目指して
いる。
東芝は世界各国に52台の設備を納入しており、タービンの製造では2500MW
を超えて、世界第2位となっている。今年4月にはニュージーランドのタウ
ボ火山帯にコンタクトエナジー社が建設を予定しているテミヒ地熱発電所の
設備を受注した。同社の製品の特長は、タービンの翼の形状設計などを工夫
した耐久性にある。米ガイザーズ発電所に収めたタービンは、8年間開放点
検なしの稼働を達成した。また、ローターや配管、電気配線などを工場で組
み立ててから出荷する「パッケージ型タービン」となっているため、現地で
の調整が不要で据え付け期間は4ヵ月程度と、通常より1、2ヵ月短縮でき
る。
三菱重工は、タービンの製造市場では、2500MWを超えて世界トップの位置
を占めている。地熱蒸気は腐食性のある不純物やガスの濃度が高いため、ター
ビン回転部の腐食の防止が課題になっていたが、同社の製品は、回転部の材
料や構造に工夫を重ね、損傷発生率を低減しているのが特徴となっている。
同社は海外電力会社と協力してグローバル展開を積極的に進めている。
2007年にはケニア電力公社から、08年には、アイスランドのレイキャビク電
力会社から受注した。アイスランドでの受注は、累計で15基、56万5000kWに
達した。
アイスランドは50年までに、産業、交通、発電に関する CO2排出量をゼロ
にする目標を掲げており、発電分野では地熱や水力を活用してゼロエミッショ
ン(排ガスゼロ)を既に達成している。さらに10年4月には、レイキャビク
電力会社とグローバルに協力して展開していくことで合意した。同社と共同
で世界の地熱発電の特定と検証、事業の立ち上げ、主要機器の開発と供給、
運転・管理に関するガイドラインの作成などに取り組んでいる。両社の合意
は、船舶などのクリーンな代替動力源となる合成燃料の生産や電気自動車の
実証実験のためのインフラ構築など、環境事業まで幅広く及んでいる。
昨今、自然エネルギーが見直されていますが、今日のテーマは、地熱発電です。
地球を30~50Km深く掘ると約1000℃くらいの蒸気が得られるそうです。えっ
そんなに深く掘れるの・? やはり、無理ですが、いわゆる温泉地などの地熱地帯
だと1~数キロm位で1000℃くらい稼げるそうで、日本でも実績があります。
ただ、これをやるためには、現状だと温泉法、電気事業法、国立公園法などなど
規制がたくさんあって、実現にはかなり骨が折れるとか・・。
2年前?に、浪漫倶楽部有志で、八ヶ岳の硫黄岳登山に行った折、宿泊した山小屋「オーレン小屋」のオヤジが話していたのを想い出しました。ここは、すぐ前を流れる小川を活用して水力発電で小屋の電気を賄いたい。重油による自家発電だと環境問題や
費用面などなど・・。ところが、公園法、電気事業法、河川法、森林法・・などなどかなりの省庁を駆けずり回った。完成はして、私たちはその電気の明かりの恩恵を
受けましたが、小屋のオヤジが言うには「いいことをしようとしても、この国は
大変だ・・」とこぼしていました。よほどやる気がないと無理。
ちょっと脱線しましたが、地熱発電の仕組みは、ネットから拝借してアップしま
した。

地熱発電は、純国産エネルギーで、CO2排出も少なく、安定供給が可能・・など
利点が大きいが、発電量がそれほど多くなく、したがってローカル発電向きだそう
です。でも、大変魅力を感じています。
前置きが、かなり長くなりましたが、友人からのレポートをいかに転写します。
*********************************
Business i. ENECO 2011年08月号 p36-39
「地熱発電で世界を席巻する日本企業の戦略」
加納 浩志(フリーライター)
【要旨】原発事故にともなう原子力依存からの脱却のため、2つの代替エネ
ルギーの可能性を探る特集「太陽熱・地熱発電は再生可能エネルギーの本命
となるか?」のなかの一記事として、地熱発電の現状をリポート。地熱発電
用タービンの世界シェアの7割は、富士電機、東芝、三菱重工業が占めてお
り、世界第3位の地熱資源をもっているにもかかわらず、日本国内では地熱
発電が普及しているとはいえない。そこには地熱発電に関する誤解や知識不
足、法的な縛り、国立公園での開発の規制などの障害があるからだ。本記事
では、大手3社の事業展開と今後の展望を中心にリポートすることにより、
日本における地熱発電の可能性を探っている。
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火山国の米国では地熱発電が 309万kWに達しており、フィリピンでは電力
の19%が地熱発電でまかなわれている。日本は世界でも有数の火山国である
にもかかわらず、地熱発電は現在、18発電所で約54万kWと、電力供給の1%
にも満たない。国内では2006年に九州電力と出光興産が共同で運営する滝上
地熱発電所(大分県九重町)が稼働開始して以来、新設はない。
日本には2万7866個の温泉の泉源がある。地熱発電の貯留槽は本来、温泉
よりもはるかに高温で深いところにあるため共存できるはずだが、温泉の所
有者には影響を懸念する声が多く聞かれる。こうした誤解も開発の壁になっ
ている。
地熱の掘削は温泉法の縛りを受ける。このほかにも森林法、電気事業法、
環境影響評価法(環境アセスメント法)など多くの法的制約をクリアする必
要がある。このため、開発の着手から運転開始までの時間が世界でも有数の
長さとなっている。しかし、現在、国会で審議されている再生エネルギー特
別措置法案が可決・成立すれば、発電した電力を全量買い取ることが可能に
なる。地熱発電は探査や坑井掘削などにコストがかかってしまうが、同法に
基づいて買い取りが実施されれば、コスト面でのバックアップが可能になる。
国内での地熱の普及は、バイナリーサイクル発電と呼ばれる技術の普及が
もう一つのカギとなる。バイナリーサイクル発電は、アンモニアやベンタン、
フロンなど、水よりも低い沸点の媒体を使うことによって、地下の温度や圧
力が低い、熱水しか出ないといった条件のなかでもタービンを回して発電で
きる。比較的高温の温泉でも小規模な地熱発電を行うことができる。効率的
にしかもコンパクトな施設で発電できることから、今後の普及に期待がかかっ
ている。
一方、日本政府はインドネシアで地熱発電に必要な蒸気を確認する試掘に
円借款を供与する方針を固めた。日本が強みを持つ地熱発電について、プラ
ント建設から運営までを手がける卸発電事業(IPP)への参画とシステム輸出
を支援する。世界第1位の地熱資源大国であるインドネシアの政府は、年内
に総額 200億円規模で地熱の試掘基金を設立する。同国の IPPには伊藤忠商
事と九州電力が参画、また住友商事も参画する意向だ。
富士電機は、タービンの製造市場では2000MWを超え、世界第3位となって
いる。1960年に国内で初めて地熱発電システムを納入して以来、世界各地へ
地熱発電設備を納入している。昨年5月には、ニュージーランドのロトカワ
地区に世界最大出力 140MWの地熱発電プラントを納入した。富士電機の設備
の特徴は、蒸気が羽根と羽根との間から吹き出す反動力を利用する反動式蒸
気タービンが採用されている点だ。不純物が衝突したときの衝撃が小さくて
済み、信頼性が高い。
昨年5月には2000kWのバイナリー発電設備の販売を開始した。従来使えな
かった 100~ 150度の低温蒸気や、これまで発電後に地中に戻していた低温
熱水を有効に活用できる。また、従来の発電設備において利用できなくなっ
た低温の減衰井蒸気を発電に使うこともできる。フラッシュ発電との併用な
どを進めることによって事業の拡大を図り、11年に25億円の受注を目指して
いる。
東芝は世界各国に52台の設備を納入しており、タービンの製造では2500MW
を超えて、世界第2位となっている。今年4月にはニュージーランドのタウ
ボ火山帯にコンタクトエナジー社が建設を予定しているテミヒ地熱発電所の
設備を受注した。同社の製品の特長は、タービンの翼の形状設計などを工夫
した耐久性にある。米ガイザーズ発電所に収めたタービンは、8年間開放点
検なしの稼働を達成した。また、ローターや配管、電気配線などを工場で組
み立ててから出荷する「パッケージ型タービン」となっているため、現地で
の調整が不要で据え付け期間は4ヵ月程度と、通常より1、2ヵ月短縮でき
る。
三菱重工は、タービンの製造市場では、2500MWを超えて世界トップの位置
を占めている。地熱蒸気は腐食性のある不純物やガスの濃度が高いため、ター
ビン回転部の腐食の防止が課題になっていたが、同社の製品は、回転部の材
料や構造に工夫を重ね、損傷発生率を低減しているのが特徴となっている。
同社は海外電力会社と協力してグローバル展開を積極的に進めている。
2007年にはケニア電力公社から、08年には、アイスランドのレイキャビク電
力会社から受注した。アイスランドでの受注は、累計で15基、56万5000kWに
達した。
アイスランドは50年までに、産業、交通、発電に関する CO2排出量をゼロ
にする目標を掲げており、発電分野では地熱や水力を活用してゼロエミッショ
ン(排ガスゼロ)を既に達成している。さらに10年4月には、レイキャビク
電力会社とグローバルに協力して展開していくことで合意した。同社と共同
で世界の地熱発電の特定と検証、事業の立ち上げ、主要機器の開発と供給、
運転・管理に関するガイドラインの作成などに取り組んでいる。両社の合意
は、船舶などのクリーンな代替動力源となる合成燃料の生産や電気自動車の
実証実験のためのインフラ構築など、環境事業まで幅広く及んでいる。