MLBドジャースの大谷選手は50本塁打、51盗塁を達成しました。7回までで7打点。
中秋の名月、翌日の満月・・と、夜空に輝く月を愛でるロマンティックな秋が‥
と行きたいところですが、このところ夜に入っても25℃をはるかに超え30℃近くまで、
生暖かい空気に折角の風情が失われてしまいます。
ですが近く珍しい天体ショーが見られるかもしれない‥という、ワクワクするニュー
スがあります。昨年(2023年)初め、中国の紫金山天文台と南アフリカのアトラス
望遠鏡が発見した「紫金山・アトラス彗星」が、この9月27~8日に太陽に最も近づき、
一旦は見えなくなるそうですが、10月12日には最も地球に近づくとされ、9月下旬は
夜明け前の東の空で見え始めるそうですが条件は良くなく、10月中旬からは日没後の
西の空に見え始めるとの予想で、肉眼でも見える可能性があるそうです。もしかすると
彗星の尾が見えるかもしれないとあります。
紫金山・アトラス彗星
(美星天文台より)
手元にある会報の連載記事はいつも楽しみにしていますが、今回は第11回で『宇宙
の言の葉を尋ねて「彗星」―宇宙の放浪者』(渡部潤一氏、国立天文台上席教授)が
取り上げられていました。
彗星といえば、子どもの頃から「ハレー彗星」の名前を聞いたことがあり、その
ハレー彗星を想い出しますが、これは、イギリスの天文学者エドモンド・ハレーが、
1705年に出版した著書で初めて明らかにした彗星なのです。彗星そのものは、紀元前
から観測されていたそうですが、1531年、1607年そして彼自身が観測した1682年の
彗星は、同じものでその出現間隔(周期)が約76年の細い楕円形軌道を描いている
ことを突き止めたのです。この背景には、彼の友人であるニュートンの万有引力に
よる計算があるとあります。
そして、次回に観測できるのは、1758~59年と予測しまいたが、本人はこれを見る
ことなく亡くなってしまったのです。しかし、予言通り 1758年12月25日にドイツの
アマチュア天文家が、果たしてハレー彗星が出現したことを確認したそうです。実際
には、翌1759年3月19日が近日点だったそうで、誤差はありますが凄いことですね。
1910年にハレー彗星が近づく頃に、ハレー彗星の尾の中を地球が通過するとされ、
彗星の尾の成分に毒性の強い青酸(シアン)ガスが含まれることから、地球大気が
毒されるといううわさが広まったそうです。「彗星毒消丸」なる薬が発売されたり、
数分間の空気を確保するためのゴム製チューブが売られたりしたそうです。実際には、
彗星の尾の濃度は、地球大気の数兆分の一と全く心配する必要はなかったのです。
因みに、彗星のコマ部分の大きさは直径~10万㎞で、尾の長さは~1億㎞だそうです。
それからのハレー彗星は、1986年に接近しましたが、日本では観測条件は悪かった
ため観測の話題はありませんが、次回は地球により接近し夏休み頃に見られるとあり
ますが、なんとそれは2061年のことだそうで・・お呼びではないですね。
1986年3月8日に撮影されたハレー彗星
(ウイキペディアより)
彗星は、その軌道が大きく放物線を描いて二度と戻ってこないタイプと、楕円形を
描いて周期的に観測できるものとがありますが、太陽の周りをまわっている8つの惑星
たちは、ほぼ円を描いてお行儀良く回っていますが、彗星は、細い楕円形を描いて、
まるで「宇宙の放浪者」のような存在であるのですね。そして、彗星には、長い尾が
あります。彗星の球の部分(コマ)や尾の部分はガスや塵で出来た「雪玉」と呼ば
れる、ほぼ80%が水の氷で、残り20%はCO₂やCOなどの氷だとあります。この雪玉が
太陽に近づくと少しづつ溶けて宇宙では霧(気体)となって、チリや砂粒が一緒に
宇宙空間に放出されるのです。
これが太陽風を受けて、長い尾が作られ先に行くほど広がりまるで「ほうき」の
ように見えるところから「ほうき星」などとも呼ばれています。枕草子にも取り上げ
られているようです。「恐ろしきもの」の範疇だそうです。
ハレー彗星の軌道
(ウイキペディアより)
(同心円状の4円は内側から木星、土星、天王星、海王星)
2061年のハレー彗星を見ることは無理ですが、さしづめこの9月下旬もしくは10月
中旬に見ることが出来るという「紫金山・アトラス彗星」を待ち構えてみたいと思い
ます。
写真ではなくライブの彗星を楽しみにしています。
世紀の大彗星となるか!? 紫金山・アトラス彗星 いつ、どこで、どう見えるのか?