蝉と過ごす夏(2)
このところ蝉の往来が激しい。
朝、庭の地面を這っていたり、テーブルや椅子に掴まっていたりする。
この日は物干しの柱にとまり、その後ひたすら上を目指して登り続け、ついに横木に取り付くことになる。
<長谷川の舞い>になぞらえるのは無理かもしれないけど、つい連想してしまうんだよね。
有名な登山家で岩登りの名人だったが、雪崩に遭って四十三歳で亡くなった長谷川恒男さん。
彼にまつわる神話のうち、ヨーロッパ三大北壁冬季単独登攀は最もよく知られている。
「山をこんなに愛してしまった僕を、山がもう放さないって言うかもしれない」
なんとも怖いコメントを残しているんだ。
ひたすら上部を目指す蝉くんの姿を見てやってください。
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