今回は2泊3日のひとり旅、どこに行こうかと考える。
とある旅行記を読んでいると、千葉の佐原町という街が、利根川の水郷を舞台にした古い街並みを残しているらしく、風情があるらしいじゃないか。
そこの木の下旅館というのが、まるで江戸時代の旅籠のような作りで、何度も映画やドラマの撮影に使われているとか。私は古い旅館のギシギシいうような階段や、年月を感じさせる柱や天井、使い古した畳の匂いなどが大好きなのである。
すぐ近くには、昭和初期にタイムスリップしたような銭湯もあるらしい。また寂れた赤提灯もあるとか。う~ん、こりゃイイ!(=゜益゜):;*.’:;
さっそく宿に予約の電話を入れる。
さきち・: すみませ~ん、○月×日から2泊、ひとりなんですけど、部屋空いてますでしょうか。。。
元気なおばちゃん: ハイ!空いてますよォ~^^
(こちらの名前と電話番号を伝え、無事予約終了となるハズであったが…)
おばちゃん: あっ、ところで朝でますか?(声のトーンが変わる)
さ: 朝でるって、どういうこと???
おばちゃん: 2日目、朝でて頂きたいんです。
さ: ・・・ 昼間部屋に居られないってことなんですか…。(しかたねえ、外をブラブラすりゃいいか、と考える)
(チェックインは16時だし、チェックアウトはやけに早い9:30である意味がようやくわかった)
おばちゃん: (こちらがそのシステムに同意するかどうかも聞かず)
あの~、いまビジネスのお客が一杯なので~、他あたってください~。
私は空いていると言われたあとに宿泊を断られたのは生まれて初めてであった。
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ううむ、古く歴史ある旅館ということらしいが、これがHPいわく「気軽にお越し頂けるアットホームなお宿」であろうか。
連泊だろうが朝の9:30におん出されるシステムでやっているというならそれも
よかろう。しかしこちらの同意も確かめず、いつの間にか「一杯」になっているというのも… w(゜゜)wコリャマイッタネ
気を取り直し、第二候補の北温泉に予約を入れる。
こちらは江戸時代から続く、那須温泉の古い秘湯の宿である。ここはひとりでも気楽に泊れる感じのいい宿だ。温泉宿と言えば「二人から」というシステムも多いし、一部屋を何人で使うかで値段も変わるのが普通だ。しかしここはひとりでも値段が変わらないどころか、週末だろうが正月や連休だろうが年中同じ値段でやっているところが立派じゃないか。山奥にあるので「朝から夕方までは外にいろよ」などというアホなことを言うわけもない。
ただ遠い…。人里離れた山ん中なのである。宇都宮からローカル線で1時間、黒磯に着く。ここからバスなのだが、次が出るのは小1時間あとだ。
しかたなくブラブラと駅前の通りを歩く。人がほとんどいない。
古いまんじゅう屋があるが、売れているのか?
駅前に喫茶店があったのでコーヒーでも飲もうかと考えるが、「店内禁煙」と書いてあり、表に灰皿が出ている。結構なことですが、一服するために外に出るのはイヤだな。しかし駅にも灰皿はないし、困ったもんだ。しかたなく真っ直ぐ歩きだす。
古い酒屋さんがある。これを通過して歩くと、とある店の前にビシッと和服を着たおばさまが立っていて、目が合い軽くおじぎをされる。なに屋さんだか見ないで通過。よく人が来ないスナックの前にママが立っていることがあるが、あれと同じで逆効果じゃないか?その店の前にベンチがあり、灰皿が置いてあるが、仁王立ちした和服のおばさまを目の前にして一服する勇気はない。まわりに誰もいないんだもの!
もう少し先にもまた灰皿があったので、無事一服終了。目抜き通りは100mほどで終了した。戻ってくるときは反対側を通るしかねえ。またおじぎされちまうではないかね。
黒磯駅前から那須ロープウェーまで約1時間、バスは山を登って行く。乗客はごくわずか。こりゃ絶対赤字だな。
ここはその直前だ。左手に見えているバスを降り、北温泉まではまたバスの乗り換えなければならないが、徒歩20分くらいの道のりなので、歩いていくことにする。
幸い「雨模様」という天気予報ははずれ、那須の山からは関東平野が見渡せるではないかね。それにしても人が全然いない。まるでSF映画のよう?