さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

函館の滞在は終わる

2023年04月03日 | 北海道シリーズ


2月から1ヵ月以上にわたる函館滞在も終わりとなりました。思い出せばいろいろ
ありましたが、早いものです。小学生の1学期はとても長い感覚がありますが、
中年を過ぎると1年や3年や10年なんかもあっという間に過ぎ去ってしまうような
気がします。これは年を取ると新鮮な体験や喜びなんかがどんどん減ってきて、
成長もなくなると生活が単調なルーティーン化してしまうからそう感じるんだとか。

でもさ、あっという間に過ぎ去ったこの1ヵ月が「早いものだ」と感じるのは、
それだけ楽しかったからだとも言えないか?そうだよねえ、旅行なんかは楽しければ
楽しいほど、終わるときに寂しくなって「もう終わっちゃったー」と思うんだから。
なじみになった酒場やバーでは、「今回は今日が最後」というと、「早いもんだ。
ちょっと寂しいなあ」と言ってくれました (T_T)/~~~

それでは特にアップしなかった画像なんぞをつらつらと思い出してみましょう。


文字がひとつ消えていますが、「北方歴史資料館」です。ここはもう何年も前に
閉鎖になって、入ったことがありません。


今回の旅のお供に、司馬遼太郎の「菜の花の沖」(酒でこの名前がついたやつが
ありますが)を持ってきて読んでいます。文庫本で全6巻の大著なので、こういう
長い旅にぴったりだと思ったのです。これまた面白いんです。淡路島に生まれた
嘉兵衛は理不尽な理由で村八分になり、生まれ育った島から逃げ出して船乗りになり、
瀬戸内海から蝦夷地まで行く北前船の船頭になり、北海道開拓、函館を切り開く
立役者になるのです。歴史小説の大家だけに、背景の描き方も丁寧で名作ですぜ。

しかし、その資料が充実しているという資料館が閉まったまま!


同じくベイエリアにある、嘉兵衛の子孫が運営している「箱館高田屋嘉兵衛資料館」
も、このところずっと閉まったまま。コロナのせいかと思ったら、どうやら何か
運営上もめていて閉鎖になっているとか。それじゃあずっと見られないの?


せっかく読んでいるのに、見られるのはこの嘉兵衛さんの銅像だけだw


今回何度も通ったのがここ、「ラーメンバー・アルト」。ラーメンも出すバーという
のも聞いたことがない。しかし、ラーメンを食って酒を飲むのはどちらも好きなので、
一緒にやれるのは悪くない。まずビールを飲んでゆっくりし、それからラーメンを
食べて、そのあとにまたゆっくりウィスキーを飲むというパターンでした。


「函館黒ラーメン」というのが、ここのマスターの自信作。函館といえば塩が有名
ですが、マスターによると、80年代くらいまではこういう醤油ラーメンが主流だった
とか。その味を復活させたいという熱意が生んだラーメン。かなり旨いです。
その他にもちろん「塩」、「煮干し」、「コクみそ」、そした「昔ながらのラーメン」
というのがあります。これはむかし、塩だから醤油だかわからないような味のが
あったでしょう?というので復活させたそうです。食べると確かに昭和の時代に
ひなびたところで食べたなあ~と思い出させてくれる味でした。


コロナの余波もあって、だいたいは俺ひとりが多かったですが、最後の夜にはなんと
満席!となりにドイツ人の青年、その向こうに香港からきたお嬢さんが座りました。

そのドイツ人の青年、なんと東京から新幹線で函館まで来たところなのですが、
これから稚内まで行って、自転車で日本を縦断し、鹿児島まで行ったらフェリーに
乗って沖縄まで行くそうです。その行程3ヵ月! 俺みたいに函館と小樽で酒ばっかり
飲んで3ヵ月とはえらい違いだな。。。

稚内から南下して来たら、小樽に俺がいるから寄れよ、と話しました。再会できたら
またその様子をお伝えします(^益^)b


いつも通るところにある素敵な建物。函館によくある開港時の洋館です。
歴史的建築物だとか。


函館の夜景はついに見なかった。実に何度も見ているし、混んでるしね^^;
その時間は酒飲んでるしってか?


五稜郭タワーがライトアップされているのは何度も見ました。登らないけど。
それはこの横に図書館があり、何度も通ったからです。ひとつには新聞。しかし
地方だと夕刊はないのね。住んでいるところの近くの図書室には、北海道新聞と
函館新聞しかなかったので、路面電車に乗って中央図書館まで通ったのです。

『ゴールデンカムイ』も読みました。もう少しで最後。小樽の図書館にもあるのが
わかったので、少し残しておきました。残酷なシーンを和らげるぎこちないような
ユーモアが絶品の作品ですなあ。


ベイエリア(旧市街とでもいうのか)には、古き良き食堂や町中華があちこちに
あって、そういうのが好きな俺にはパラダイスでした。前に昼飯の紹介でいろいろ
アップしたのですが、滞在も最後のほうになってアルトのマスターが紹介してくれた
「丸京」に早速行きました。


ここは地元の労働者御用達。こういうところが安くて旨いんです。近年増えまくって
いる小ぎれいな観光客向けの少し高いところはダーメーよw これはこの店の
一押しである「イカ天おろし蕎麦」。


滞在中は、毎日散歩しました。函館は大火があってから、このように道路がとても
広くなっているのです。この街は何度歩いても飽きません。

ヴェネツィアもいくら散歩しても飽きない街ですね。曲がる度に景色が変わり、
思いがけない発見があり、魅力的な建物がたくさんある。あちこちに絵になるような
ファンタスティックな景観を楽しめます。

日本でいえば、ここ函館でしょう。だから映画のロケ地に選ばれるのですね。


倉庫のドアを見ただけでも興味深いものがある。


こんな和風の商家もあったり。


ここは路面電車の終点、函館どっく。ここも何度も行きました。


古い港町だけに、こんな大きい倉庫も。


なんか表情を見せている気がします。


そして個性があります。


こんなふうに古い建物がいろいろ混在していたり。品評会みたいだよ。


谷地頭温泉に入ったあとに何度も寄った「弁天鮨」。住宅地の奥の暗がりにあるので、
通りすがりの人はいません。これが安くて旨くて、大将も陽気な人と三拍子揃って
いるお気に入りの店。


今回の滞在では最後になると言ったときには、少し寂しくなりました。だいぶ
いろいろ話をして仲良くなりましたから。最後の夜には、韓国人の青年とその母親が
来ました。大将はスマホを駆使して、スマホに日本語を話すとそれが韓国語になって、
あちらに話をさせるとそれが日本語になる。最近はそういう通訳アプリがあるのか!


夜も更けてふたりきりになりました。最後だけにたくさん飲んで、すっかり酔って
もう帰ろうとしたとき、大将はカウンターの向こうからこっちにやってきて、
となりに座って酒を開けて俺に注ぎはじめました。それがまたどんどん勧めるんだw

こりゃすっかり酔ったぞ、と思ったのが最後の記憶。そのあとはきれいに覚えて
いません。タクシーに乗った記憶もないし、路面電車も遅くなるとないぞ?長い
道のりを歩いたとも思えない。まったくなんにも覚えていないって!!!

朝、目が覚めるとアゴに裂傷。右手と左ひざにも傷がある。転んだのでしょう。。。
布団カバーに血がついているではないか。そしてびっくりしたのが、机の上に
俺が使わない黒いマスクが置いてある。これは何だ?何かが起こったのだな。

幸い財布やスマホ、傘もある。なくなっているものはない。あるのは傷だけwww
病院に行くほどではない。大変なことにならなくて実に幸いでしたー。

しかしこれが函館最後の思い出かよw つっても何が起こったのか、覚えてないん
だけどwww


東京の花粉地獄から逃れて北海道の地に長期滞在でやってきたのに、函館では
3月も中旬を過ぎると花粉症の症状が出てきました。まさか?!と思って花粉マップを
見てみると、やっぱり飛んでるよ! 今年は暖かいせいか、雪がまだ山には残って
いるというのに青森から飛んでくるんです。下北半島のやつが津軽海峡を越えて
くるのかーwww これから北上するので、ふたたび避難の旅は続きます。。。