<11月22日:いい夫婦の日>
「おにぎり持って、ツーリングに行こ。」
久しぶりに妻と2台でツーリングに出かけました。秋と言えば紅葉。家から20分ほどで足助の香嵐渓に行けるのですが、首都圏ナンバーのバスを見かけるくらいの紅葉の観光地で大混雑は必至。地元住民は、香嵐渓のある豊田を脱出するのです。
脱出先は岐阜県の洞戸にしました。地図を見て、山あいの板取川に沿って走る道はいかにも黄色や赤に染まった美しい山々を眺めながらのツーリングになるだろうと想像したからです。
10時半頃に家を出て、豊田松平ICから一気に東海環状道の終点・関広見ICまで走りました。
豊田松平ICからしばらく走ると、目の前にどっかと猿投山が見えます。これがまたこの季節はとても素敵で、山裾全体が濃淡さまざまな赤や黄色に染まり、まるで絨毯のようになっているのです。走り出してすぐ、やっぱり秋のツーリングっていいなあと思いました。
東海環状道は、岐阜県の東濃から中濃地方への自然豊かな山あいを走る高速道路です。僕の遠距離通勤路でもあるのですが、朝は名神、帰りは真っ暗な東海環状道で、秋の自然の美しさを感じることはありません。いつも走っている東海環状道が、いつもの道ではないような感じがして、景色を楽しみながら快適な高速走行を楽しみました。
僕のバイクはカワサキZRX1200ダエグ、妻のバイクはホンダCB400スーパーボルドール。ともに、ツーリングには最適・快適な魅力的なバイクです。美しい自然と快適な走りを楽しんでいるうちに関広見ICに着きました。
インターを出て2㎞ほどの武芸川郵便局近くのコンビニで最初のピットインです。実は、二人ともコンビニのコーヒーが大好きなのです。ブレンド・コーヒーなら缶コーヒーよりも安いたったの100円で温かくておいしいコーヒーが飲めるのですから。
店先でコーヒーを飲み、トイレをお借りし、再びR418を谷汲方面に向かいます。
真っ青な澄んだ秋の空にローカルな国道。まさにツーリングにぴったりのシチュエーションです。のんびり武芸川の自然を感じながら走っていると、洞戸方面の案内標識が目に入りました。
R256を北に向かうと、トンネルを抜け山の中に入っていきます。この辺りの山々は常緑樹が多いせいか、紅葉を楽しむ道ではありませんでした。それでも、空の青さと所々に見える赤や黄色は、それだけで秋を感じさせてくれます。
お昼を過ぎた頃、道の駅「ラステンほらど」に着きました。
建物の東側が、見晴らしのいい丘の上になっていました。眼下には洞戸の集落が、遠くには美濃の山々が見渡せ、すぐ近くはR256のS字カーブ。洞戸の集落には、2階のベランダいっぱいにつるされた柿。ここ美濃地方は柿の産地なのです。紅葉こそ少ないものの美濃の秋が十分に感じられました。
「ここでお弁当にしよう。」
持ってきたのはおにぎりとゆで卵とペットボトルのお茶だけ。地元のフランクか何かをおかずにしようと、持ってきたのはそれだけ。
里の秋を眺めて食べるおにぎりか格別です。この雰囲気を味わいたいというのが、今回のツーリングの目的だったのかもしれません。目の前に広がる景色とおいしい空気がおかずになり、僕も妻も、おにぎりとゆで卵だけで十分満足してしまいました。
おなかがいっぱいになったところで、次の目的地は板取です。地図で見る限り、R256は板取川に沿って走る秋の自然を満喫できる道です。
道の駅「ラステンほらど」を後にし、国道の坂を下ると、地図どおり板取川の脇を走るのどかな道になりました。適度なコーナーが続く道を進んで行くと、所々に小さな集落があり、いくつかのキャンプ場があり、時期になると営業するアユ料理の店があり、その背景はすべてうっすらと秋の装いに包まれた山々と真っ青な澄んだ空。
「気持ちいいね。」
「来てよかったなあ。」
「やっぱりバイクっていいね。」
妻とインカムでそんなやりとりをしながら走っていると、「板取川温泉まで7㎞」の看板を発見しました。
「この先に温泉があるよ。行く?」
「うん、行こっ。」
R256は、しだいに集落はなくなり、山と川だけの自然の中の道になりました。バイクだからこそ、おいしい空気を吸いながら走ります。
「あった。あれだ。」
大きく目立つ看板に、広い駐車場。
周りは山々に囲まれていましたが、赤や黄色が目立つほどではありません。紅葉を楽しむ場所ではないようでしたが、高くそびえるメタセコイアの木だけが鮮やかな黄色に染まっていて、それが十分に秋を感じさせてくれました。
板取川温泉のお湯はややぬるめで、猫舌ならぬ猫肌の僕にとってはちょうどいい湯加減でした。しかも、ヌルッヌル。ヌルヌルを通り越して、ヌメヌメに近いくらいのお湯。気持ちがいいなんてものではないくらいの温泉で、温度も高くないからいつまでも入っていたくなるような温泉でした。露天風呂にも入ってみました。美しい山と青い空を見ながらの温泉はまた格別でした。ただ、お湯の温度に慣れてくると、なんだかぬる過ぎるような気がしてきて、再び内湯に戻って、のんびりとお湯に浸かりました。
お湯から上がると、ちょうど妻も同じくらいに出てきました。僕はフルーツ牛乳、妻はコーヒー牛乳を一気に飲み干し、
「ふぁあ~、いい気持ち。」
妻は、お湯はそんなにぬるくは感じなかったと言ってたので、きっと、ちょうどいい湯加減だったのだと思います。隠れた名湯を見つけたような気がしました
帰りは、今来た道をそのまま戻ります。板取から洞戸への道は、秋のツーリングの気持ちよさを反芻するような快な心地で走りました。まだ3時前というのに、なんとなく夕方のような雰囲気が感じられました。山に囲まれたこの地は、日照時間が短いせいか、もうすぐここら辺り全体が日陰になってしまうのです。洞戸を抜けて、R418に入り、武芸川を通ります。のどかなローカル国道は、僕のお気に入りの道の一つに加わりそうです。
関広見ICからは、ひたすら高速道路を走り続けます。土岐JCTまでは片側一車線で制限速度が70㎞/hの高速道路なので、北海道の国道を走るのとだいたい同じくらいです。しかも、気温が16℃前後だったので、まさに9月の北海道ツーリングとほぼ同じ。北海道の地平線まで続く大平原と、岐阜美濃の山々に包まれた景色の違いは大きなものですが、空気を感じながら、季節を感じながらバイクを操ることがものすごく楽しいということは同じです。
五斗蒔PAで小休止しただけで、あとはずっと高速走行を楽しみながら自宅のある豊田に向かいました。
行楽地はどこも大渋滞です。僕は、ごく普通にある自然の風景が好きです。今回の武芸川~洞戸~板取の関市郊外のコースは、まさに普通に美しい秋を感じる素敵なツーリング・コースでした。
「おにぎり持って、ツーリングに行こ。」
久しぶりに妻と2台でツーリングに出かけました。秋と言えば紅葉。家から20分ほどで足助の香嵐渓に行けるのですが、首都圏ナンバーのバスを見かけるくらいの紅葉の観光地で大混雑は必至。地元住民は、香嵐渓のある豊田を脱出するのです。
脱出先は岐阜県の洞戸にしました。地図を見て、山あいの板取川に沿って走る道はいかにも黄色や赤に染まった美しい山々を眺めながらのツーリングになるだろうと想像したからです。
10時半頃に家を出て、豊田松平ICから一気に東海環状道の終点・関広見ICまで走りました。
豊田松平ICからしばらく走ると、目の前にどっかと猿投山が見えます。これがまたこの季節はとても素敵で、山裾全体が濃淡さまざまな赤や黄色に染まり、まるで絨毯のようになっているのです。走り出してすぐ、やっぱり秋のツーリングっていいなあと思いました。
東海環状道は、岐阜県の東濃から中濃地方への自然豊かな山あいを走る高速道路です。僕の遠距離通勤路でもあるのですが、朝は名神、帰りは真っ暗な東海環状道で、秋の自然の美しさを感じることはありません。いつも走っている東海環状道が、いつもの道ではないような感じがして、景色を楽しみながら快適な高速走行を楽しみました。
僕のバイクはカワサキZRX1200ダエグ、妻のバイクはホンダCB400スーパーボルドール。ともに、ツーリングには最適・快適な魅力的なバイクです。美しい自然と快適な走りを楽しんでいるうちに関広見ICに着きました。
インターを出て2㎞ほどの武芸川郵便局近くのコンビニで最初のピットインです。実は、二人ともコンビニのコーヒーが大好きなのです。ブレンド・コーヒーなら缶コーヒーよりも安いたったの100円で温かくておいしいコーヒーが飲めるのですから。
店先でコーヒーを飲み、トイレをお借りし、再びR418を谷汲方面に向かいます。
真っ青な澄んだ秋の空にローカルな国道。まさにツーリングにぴったりのシチュエーションです。のんびり武芸川の自然を感じながら走っていると、洞戸方面の案内標識が目に入りました。
R256を北に向かうと、トンネルを抜け山の中に入っていきます。この辺りの山々は常緑樹が多いせいか、紅葉を楽しむ道ではありませんでした。それでも、空の青さと所々に見える赤や黄色は、それだけで秋を感じさせてくれます。
お昼を過ぎた頃、道の駅「ラステンほらど」に着きました。
建物の東側が、見晴らしのいい丘の上になっていました。眼下には洞戸の集落が、遠くには美濃の山々が見渡せ、すぐ近くはR256のS字カーブ。洞戸の集落には、2階のベランダいっぱいにつるされた柿。ここ美濃地方は柿の産地なのです。紅葉こそ少ないものの美濃の秋が十分に感じられました。
「ここでお弁当にしよう。」
持ってきたのはおにぎりとゆで卵とペットボトルのお茶だけ。地元のフランクか何かをおかずにしようと、持ってきたのはそれだけ。
里の秋を眺めて食べるおにぎりか格別です。この雰囲気を味わいたいというのが、今回のツーリングの目的だったのかもしれません。目の前に広がる景色とおいしい空気がおかずになり、僕も妻も、おにぎりとゆで卵だけで十分満足してしまいました。
おなかがいっぱいになったところで、次の目的地は板取です。地図で見る限り、R256は板取川に沿って走る秋の自然を満喫できる道です。
道の駅「ラステンほらど」を後にし、国道の坂を下ると、地図どおり板取川の脇を走るのどかな道になりました。適度なコーナーが続く道を進んで行くと、所々に小さな集落があり、いくつかのキャンプ場があり、時期になると営業するアユ料理の店があり、その背景はすべてうっすらと秋の装いに包まれた山々と真っ青な澄んだ空。
「気持ちいいね。」
「来てよかったなあ。」
「やっぱりバイクっていいね。」
妻とインカムでそんなやりとりをしながら走っていると、「板取川温泉まで7㎞」の看板を発見しました。
「この先に温泉があるよ。行く?」
「うん、行こっ。」
R256は、しだいに集落はなくなり、山と川だけの自然の中の道になりました。バイクだからこそ、おいしい空気を吸いながら走ります。
「あった。あれだ。」
大きく目立つ看板に、広い駐車場。
周りは山々に囲まれていましたが、赤や黄色が目立つほどではありません。紅葉を楽しむ場所ではないようでしたが、高くそびえるメタセコイアの木だけが鮮やかな黄色に染まっていて、それが十分に秋を感じさせてくれました。
板取川温泉のお湯はややぬるめで、猫舌ならぬ猫肌の僕にとってはちょうどいい湯加減でした。しかも、ヌルッヌル。ヌルヌルを通り越して、ヌメヌメに近いくらいのお湯。気持ちがいいなんてものではないくらいの温泉で、温度も高くないからいつまでも入っていたくなるような温泉でした。露天風呂にも入ってみました。美しい山と青い空を見ながらの温泉はまた格別でした。ただ、お湯の温度に慣れてくると、なんだかぬる過ぎるような気がしてきて、再び内湯に戻って、のんびりとお湯に浸かりました。
お湯から上がると、ちょうど妻も同じくらいに出てきました。僕はフルーツ牛乳、妻はコーヒー牛乳を一気に飲み干し、
「ふぁあ~、いい気持ち。」
妻は、お湯はそんなにぬるくは感じなかったと言ってたので、きっと、ちょうどいい湯加減だったのだと思います。隠れた名湯を見つけたような気がしました
帰りは、今来た道をそのまま戻ります。板取から洞戸への道は、秋のツーリングの気持ちよさを反芻するような快な心地で走りました。まだ3時前というのに、なんとなく夕方のような雰囲気が感じられました。山に囲まれたこの地は、日照時間が短いせいか、もうすぐここら辺り全体が日陰になってしまうのです。洞戸を抜けて、R418に入り、武芸川を通ります。のどかなローカル国道は、僕のお気に入りの道の一つに加わりそうです。
関広見ICからは、ひたすら高速道路を走り続けます。土岐JCTまでは片側一車線で制限速度が70㎞/hの高速道路なので、北海道の国道を走るのとだいたい同じくらいです。しかも、気温が16℃前後だったので、まさに9月の北海道ツーリングとほぼ同じ。北海道の地平線まで続く大平原と、岐阜美濃の山々に包まれた景色の違いは大きなものですが、空気を感じながら、季節を感じながらバイクを操ることがものすごく楽しいということは同じです。
五斗蒔PAで小休止しただけで、あとはずっと高速走行を楽しみながら自宅のある豊田に向かいました。
行楽地はどこも大渋滞です。僕は、ごく普通にある自然の風景が好きです。今回の武芸川~洞戸~板取の関市郊外のコースは、まさに普通に美しい秋を感じる素敵なツーリング・コースでした。