5月21日の土曜日、久しぶりに300㎞超えのソロツーリングに行ってきた。目的地は、あの忌まわしい噴火以来行っていない木曽御嶽山。僕の好きな山の一つで、これまでにもよくツーリングの目的地として御嶽山界隈を選んできた。しかし、数年前の噴火で多くの犠牲者がでたため、観光目的で、しかも走りを目的の一つとして行くことをずっとためらっていた。
心から尊敬していた父の初めての月命日も過ぎ、少し心も落ち着いてきている。そこで、「久しぶりに御嶽の雄姿でも見に行こうか」
と、そう思えたのだ。
いつもいっしょに走っている妻は仕事のため、今回はソロ・ツーリングだ。まだ600㎞ほどしか走っていないNinja650にトップケースを取り付け、休憩用の折り畳み椅子と温泉に入るためのタオルを入れ、東海環状道豊田松平ICに向かった。
東海環状道~中央道を乗り継ぎ、中津川ICでR19に入った。市街地を抜けた辺りにあるドライブイン元起(もとこし)でトイレ休憩をとり、北へ北へとバイクを走らせた。
三留野宿にお気に入りの古い橋がある。国道と木曽川を跨ぐ木の橋だ。古くて長いからすぐに目に付く。
河原から眺めようと脇道に入ったら、角の尖った小石が敷き詰められたダート路面の坂道。妻といっしょだったらきっと妻は固まってしまうだろう。固まるだけでテクはあるから「やだよ~」とでも言いながら僕の後ろをついてくるはずだ。僕も、ごろごろした石の上を走るのは好きではないが、中型バイクに替えたら、なんて気楽にダートコースに入れるのだろうと思った。正直、リッターバイク(前車ZRX1200ダエグ)に乗っていたら、体に力が入ったかもしれない。
三留野の古い橋の下はちょっとした公園になっていて、地元の人がゲートボールなどを楽しんでいた。橋と並行して鯉のぼりが掲げられ、青い空に泳いでいた。いい雰囲気だ。
しばらくお気に入りの古い橋を眺め、再びR19を北に向かって走り続けた。
途中までは「一人ってつまらんなあ」と思っていたけど、木曽川のカーブに沿った緩やかなコーナーを気持ちよく走っているうちにだんだんソロ・ツーリングがおもしろくなってきた。ただ、橋とトンネルで直線的につなぐバイパス部分が増え、川沿いのワインディング部分が減ってしまったのはライダーとしては残念に思えた。もちろん、クルマで走るにはバイパスの方が断然いい 木曽町福島からR361で開田方面に向かった。新緑の中を抜ける気持ちのいい道だ。5月にしては暑い日になったが、新地蔵トンネルの中だけはひんやりしていた。白樺林が高原の雰囲気を盛り上げている。
開田高原の賑わいを過ぎた辺りの蕎麦屋で、ざる蕎麦とミニいわな丼のセットで昼食にした。蕎麦どころの蕎麦は腰があってうまい。いわな丼は、いわなと夏野菜、山菜の天丼だった。もちろん、おいしくいただいた。
御嶽山はR361の九蔵峠からの眺めが美しい。タイトなコーナーもNinja650ならひらひらと軽く重心を移動させるだけですうっと曲がってくれる。
少し路肩が広くなっている九蔵峠にバイクを止めた。今日は天気はいいが御嶽には霞がかかっていてうっすらとしか見えない。それでもやっぱり霊峰と称されるだけあって木曽御嶽山は威厳があって堂々としていて存在感は抜群だ。見れば見るほど力が沸いてくるような気がする。
御嶽の雄姿を目に焼き付けたら、あとは温泉で心と体をしっかりと癒やして帰ろう。
R361を少し戻り、県道20号で三岳方面へとバイクを進めた。山あいのワインディングだ。新緑の中で御嶽山が見え隠れする。適度に楽しめるコーナーをいくつもクリアし、御嶽の麓にある木曽温泉へ。行き交うクルマはほとんどなく、まるで自分だけのようなコースは気持ち良すぎ。
お気に入りの温泉は、御嶽ロープウェイスキー場への分岐点に建つ一軒宿の「ホテル木曽温泉」。開田や福島にある温泉は無色だが、ここ木曽温泉は茶色のお湯で、体の芯まで効能が効きそうな気がするばかりでなく、柔らかい感じがして気持ちよく長時間入っていられる。霞がかかってなければ、露天風呂から雄大な御嶽山を眺めながらお湯に浸かっていられる絶景の温泉でもある。しかも、あまり知られてないので、のんびりとした気分で温泉を楽しむことができる。こうして木曽の温泉に浸かっていると、つくづく「ライダーでよかった」と思えた。妻もこの温泉が好きなので、帰って話をするとすごくうらやましがることだろうと思った。
ゆったりとした気分で木曽温泉を後にした。木曽町三岳でR19に出て、帰路についた。R19は今でも時々ピースサインを交わすことができる道だ。往路も合わせると、20回くらいはピースサインを交わしただろうか。木曽川を右手に見ながら、時折すれ違うライダーとピースサインを交わし、心地よさを感じながらNinjaを操る。
道の駅「大桑」で晩ごはんになりそうなものを探すことにした。今日は、妻は仕事の打ち上げで晩ご飯を食べて帰る日だ。妻がうらやましがるようなものを見つけようと思ったが、なかなか見つからない。なんとか、長野県限定の信州みそラーメンのカップ麺と朴葉寿司のパックを買ったが、これなら料理をしなくても食べられるのでいい選択だったように思えた。
道の駅「大桑」を出ると、ひたすら南に向かって走った。
往路と同じように中央道~東海環状道と乗り継ぎ、鞍ケ池パーキングで最後の休憩をとった。バイクの駐車場は僕と3組のカップルライダーだった。今回は妻が仕事だったのでソロツーリングだが、カップルライダーを見ているとやっぱり二人で走った方がおもしろいだろうなあと思えた。
鞍ケ池パーキングから家まではわずか6、7分ほどで着く。
総走行距離318㎞。1200㏄のバイクから650㏄のバイクに買い換えたが、走りの感覚はほとんど同じ。高速安定性もコーナリング性能なども通常レベルでは何の不足も感じないし、400で感じたパワー不足も650なら十分だと感じている。しかも取り回しが1200とは比べものにならないほど楽なので、もっともっと走りたくなる。
次は、妻といっしょにどこへ行こう。
心から尊敬していた父の初めての月命日も過ぎ、少し心も落ち着いてきている。そこで、「久しぶりに御嶽の雄姿でも見に行こうか」
と、そう思えたのだ。
いつもいっしょに走っている妻は仕事のため、今回はソロ・ツーリングだ。まだ600㎞ほどしか走っていないNinja650にトップケースを取り付け、休憩用の折り畳み椅子と温泉に入るためのタオルを入れ、東海環状道豊田松平ICに向かった。
東海環状道~中央道を乗り継ぎ、中津川ICでR19に入った。市街地を抜けた辺りにあるドライブイン元起(もとこし)でトイレ休憩をとり、北へ北へとバイクを走らせた。
三留野宿にお気に入りの古い橋がある。国道と木曽川を跨ぐ木の橋だ。古くて長いからすぐに目に付く。
河原から眺めようと脇道に入ったら、角の尖った小石が敷き詰められたダート路面の坂道。妻といっしょだったらきっと妻は固まってしまうだろう。固まるだけでテクはあるから「やだよ~」とでも言いながら僕の後ろをついてくるはずだ。僕も、ごろごろした石の上を走るのは好きではないが、中型バイクに替えたら、なんて気楽にダートコースに入れるのだろうと思った。正直、リッターバイク(前車ZRX1200ダエグ)に乗っていたら、体に力が入ったかもしれない。
三留野の古い橋の下はちょっとした公園になっていて、地元の人がゲートボールなどを楽しんでいた。橋と並行して鯉のぼりが掲げられ、青い空に泳いでいた。いい雰囲気だ。
しばらくお気に入りの古い橋を眺め、再びR19を北に向かって走り続けた。
途中までは「一人ってつまらんなあ」と思っていたけど、木曽川のカーブに沿った緩やかなコーナーを気持ちよく走っているうちにだんだんソロ・ツーリングがおもしろくなってきた。ただ、橋とトンネルで直線的につなぐバイパス部分が増え、川沿いのワインディング部分が減ってしまったのはライダーとしては残念に思えた。もちろん、クルマで走るにはバイパスの方が断然いい 木曽町福島からR361で開田方面に向かった。新緑の中を抜ける気持ちのいい道だ。5月にしては暑い日になったが、新地蔵トンネルの中だけはひんやりしていた。白樺林が高原の雰囲気を盛り上げている。
開田高原の賑わいを過ぎた辺りの蕎麦屋で、ざる蕎麦とミニいわな丼のセットで昼食にした。蕎麦どころの蕎麦は腰があってうまい。いわな丼は、いわなと夏野菜、山菜の天丼だった。もちろん、おいしくいただいた。
御嶽山はR361の九蔵峠からの眺めが美しい。タイトなコーナーもNinja650ならひらひらと軽く重心を移動させるだけですうっと曲がってくれる。
少し路肩が広くなっている九蔵峠にバイクを止めた。今日は天気はいいが御嶽には霞がかかっていてうっすらとしか見えない。それでもやっぱり霊峰と称されるだけあって木曽御嶽山は威厳があって堂々としていて存在感は抜群だ。見れば見るほど力が沸いてくるような気がする。
御嶽の雄姿を目に焼き付けたら、あとは温泉で心と体をしっかりと癒やして帰ろう。
R361を少し戻り、県道20号で三岳方面へとバイクを進めた。山あいのワインディングだ。新緑の中で御嶽山が見え隠れする。適度に楽しめるコーナーをいくつもクリアし、御嶽の麓にある木曽温泉へ。行き交うクルマはほとんどなく、まるで自分だけのようなコースは気持ち良すぎ。
お気に入りの温泉は、御嶽ロープウェイスキー場への分岐点に建つ一軒宿の「ホテル木曽温泉」。開田や福島にある温泉は無色だが、ここ木曽温泉は茶色のお湯で、体の芯まで効能が効きそうな気がするばかりでなく、柔らかい感じがして気持ちよく長時間入っていられる。霞がかかってなければ、露天風呂から雄大な御嶽山を眺めながらお湯に浸かっていられる絶景の温泉でもある。しかも、あまり知られてないので、のんびりとした気分で温泉を楽しむことができる。こうして木曽の温泉に浸かっていると、つくづく「ライダーでよかった」と思えた。妻もこの温泉が好きなので、帰って話をするとすごくうらやましがることだろうと思った。
ゆったりとした気分で木曽温泉を後にした。木曽町三岳でR19に出て、帰路についた。R19は今でも時々ピースサインを交わすことができる道だ。往路も合わせると、20回くらいはピースサインを交わしただろうか。木曽川を右手に見ながら、時折すれ違うライダーとピースサインを交わし、心地よさを感じながらNinjaを操る。
道の駅「大桑」で晩ごはんになりそうなものを探すことにした。今日は、妻は仕事の打ち上げで晩ご飯を食べて帰る日だ。妻がうらやましがるようなものを見つけようと思ったが、なかなか見つからない。なんとか、長野県限定の信州みそラーメンのカップ麺と朴葉寿司のパックを買ったが、これなら料理をしなくても食べられるのでいい選択だったように思えた。
道の駅「大桑」を出ると、ひたすら南に向かって走った。
往路と同じように中央道~東海環状道と乗り継ぎ、鞍ケ池パーキングで最後の休憩をとった。バイクの駐車場は僕と3組のカップルライダーだった。今回は妻が仕事だったのでソロツーリングだが、カップルライダーを見ているとやっぱり二人で走った方がおもしろいだろうなあと思えた。
鞍ケ池パーキングから家まではわずか6、7分ほどで着く。
総走行距離318㎞。1200㏄のバイクから650㏄のバイクに買い換えたが、走りの感覚はほとんど同じ。高速安定性もコーナリング性能なども通常レベルでは何の不足も感じないし、400で感じたパワー不足も650なら十分だと感じている。しかも取り回しが1200とは比べものにならないほど楽なので、もっともっと走りたくなる。
次は、妻といっしょにどこへ行こう。