このところの愛知の暑さは半端ではありません。連日35~36℃となり、下手に外に出て動き回ると熱中症になっちゃいそうです。平日はもちろん仕事なのですが、このご時世、職員室でエアコンを使うのを躊躇してしまうのです。公立学校ですから電気代も貴重な税金を使うことになり、Tシャツに短パンというおよそ教員らしくない服装で汗を拭き拭きド暑い職員室で文書等と格闘しています。
先週末も全国的に猛烈な暑さでした。夏休みに入って、少しは大好きなバイクに乗りたいと思っていましたが、気温35℃で、フルフェイスのヘルメット、長袖ブルゾン、1200ccのエン ジンの熱気、直射日光、アスファルトの照り返し・・・では、気持ちよく走れるワケがありません。そこで、35℃に達する前の午前中だけ妻と2人でバイクを走らせました。土曜日は新城作手の道の駅で、日曜日は足助界隈まで行って、帰りに近くのミニ・ストップでお昼ご飯を買って、家でテレビを観ながら食べました。
土曜日の午後からはスポーツ観戦漬けでした。1時から高校野球愛知大会準決勝・豊田西対愛工大名電、4時からサッカーJ1札幌対名古屋、晩ご飯を食べて8時からオリンピック女子サッカー日本対スウェーデン、終わってすぐにF1ハンガリーGP予選と、夜までテレビ漬けでした。
まずは、高校野球愛知大会準決勝の豊田西対愛工大名電です。愛工大名電は今大会の優勝候補です。対する豊田西高校は僕の母校なのです。愛知大会決勝に6度進出の強豪高で、「公立の雄」などと言われている学校です。ただ、「めざせ甲子園」よりはむしろ「めざせ国立大学」という進学校で、何年か前に春の甲子園に出場した時には「参考書片手に甲子園」なんて新聞記事があったりして、卒業生としてさすがにちょっと複雑な気持ちになったことを覚えています。「文武両道」(僕のように文武アッパッパーでバイクに乗って遊んでばかりのトロい生徒もいましたが、おかげで、そういう子の気持ちの分かる先生になれました)を地でいく県立豊田西高です。なんとか4回までは愛工大名電を0点に抑えていたものの、5回以降はメッタ打ちされ、準決勝敗退となりました。それでも、優勝候補の高校を相手に、よくがんばったと思います。ひょっとしたら勝てるかもと思いながら観てましたが、力の差は歴然としていました。結果は豊田西の大敗でしたが、少しもイヤな気持ちにはなりません。勝った愛工大名電は、その後決勝戦で東邦高校に延長戦で逆転勝ちし、甲子園出場を決めました。もちろん、次は愛工大名電を応援します。
続いて、4時から札幌で行われたサッカーJ1札幌対名古屋の試合を観ました。不甲斐な い名古屋の試合を見ていて泣けそうなくらい情けなかったです。北海道大好きな僕ですから、コンサドーレ札幌は好きなクラブチームの一つですが、僕は名古屋グランパスのサポーターの一人です。ホームの豊田スタジアムは家から2㎞ほどの所にあり、よく試合を観に行っています。
札幌は、今シーズンまだ1勝しかしていないダントツの最下位です。絶対に名古屋が勝つと信じてテレビ観戦していましたが、な、な、なんと、1対2で負けちゃいました。審判の判定に不満は残ったものの、負けは負けです。優勝争いに顔を出すという位置に着けているグランパスが、最下位チームに負けてしまったのです。試合後の様子を観ると、札幌サポーター達はまるで優勝したかのような喜びようでした。グランパスが札幌に負けたことは涙が出そうなくらい悲しかったですが、試合後の様子を見ていて、札幌にはこれをきっかけに這い上がってきてほしいと思いました。負け続けていても、多くのサポーターの人たちが応援に来てくれているのです。勝てば、優勝したかのように喜んでくれるのです。絶対にJ2に落ちてはいけません。「がんばれ、コンサドーレ札幌」、「なんとかしろよ名古屋グランパス」。そんな気分です。
得点王争いをするはずだったFDの玉田にケネディ~、早く戻ってきてよ~。生え抜きの 中村にパワフルなダニルソンのMFコンビ、早く復帰してよ~。日本一のGK楢崎~、早く治せよ~。俊足の永井~、早くオリンピックで優勝して帰ってきてよ~~~。グランパス・サポーターの一人、僕の悲痛な声です。メンバーが揃えば、絶対にグランパスは強いはずです。
8時からはオリンピック女子サッカー日本対スウェーデン戦。勝てませんでした。引き分けでした。それでも、相手FDの動きを確実に封じ、パスをつなぐなでしこJAPANらしい攻撃もふんだんに見られ、強さは十分発揮できていたように思いました。もちろん、勝ってほしかったです。ただ、この日に見た高校野球と言い、サッカーJ1と言い、僕が応援したチームがことごとく負けてしまっていて、「まさか、なでしこJAPANも・・・」と一抹の不安のかかえてのテレビ観戦でした。それだけに、引き分けとは言え、強いなでしこの試合にほっとしました。W杯優勝チームですが、その道のりは厳しいものがあるはずです。強いチームだけがオリンピックに出場しているのです。厳しい試合もあるはずですが、優勝を信じて応援し続けます。「がんばれニッポン!」
五輪サッカーー女子の試合が終わってすぐにスカパーでF1ハンガリーGP予選を観ました。ちょうどQ3が始まったばかりでした。勝ち残った10台の中にメルセデスAMGの姿がありません。小林可夢偉の姿もありません。ロータスが2台、ウィリアムズが2台、フォースインディアのマシンもいます。いつもの予選Q3と、なんだかメンバーが違います。それでも、速いの はマクラーレンとレッドブル。僕が応援しているのはマクラーレン・メルセデスとメルセデスAMGとザウバーの可夢偉選手です。マクラーレンのハミルトンがPPを獲得し、ほっとしました。バトンもいい位置に着けていました。メルセデスAMGと可夢偉の不振は気になりましたが、マクラーレンの優勝を楽しみにして、眠りに就きました。翌日の決勝レースでマクラーレンのハミルトンが優勝し、満足満足でした。
午前中はバイクを走らせ、午後からはスポーツ観戦三昧。これが僕の熱中症対策兼楽しみ方でした。
今日の最高気温も35℃。勤務は職員作業。熱中症になりそう・・・と思いましたが、なんとか乗り切りました。さすがに、力仕事の後の事務仕事は、エアコンを効かせて仕事をしました。プールからは子どもたちの歓声が聞こえていました。
写真は、今回のものではなく、バイクは春のツーリング、サッカーは豊田スタジアムの名古屋サポーター席です。
<7月14日>
三連休初日の土曜日、朝8時50分に新車のにおいが充満する買ったばかりのCクラスに乗り込み、豊田の自宅を出発した。2週間前に納車された我が家のCクラスのオドメーター は560㎞を指していた。行き先は富士五湖。以前から初ドライブは「富士山を見に行こう」と決めていたのだ。2人で富士周辺をドライブするのは新婚当時以来で、あの時はフェンダーミラーをイギリス輸出用ドアミラーを装着したスープラ仕様のセリカXXだった。
東海環状道・豊田松平ICから土岐JCTで中央道に入り、快適なドライブのスタートだ。駒ヶ岳PAでトイレ休憩をとり、さらにクルマを東に進めた。CLKからCクラスへの買い替えだったため、同じメーカーのほぼ同じサイズのクルマということで、運転に違和感はほとんどなかったが、前車は足回りをAMG仕様にしていたため、今度のクルマはややふわふわ感が感じられる。それでも、AMGスポーツ・パッケージを選んだので、柔らかすぎてしっくりこないというほどではなく、適度なしっかり感がだんだん心地よく感じられるようになって きた。
甲府の手前の双葉SAで2度目の休憩をとった。ちょうどお昼時だったので昼食にした。お昼時のSAのレストランはものすごく混んでいると予想し、あらかじめ駒ヶ岳の売店でおいしそうなパンを買っておいたので、外のベンチ に座って、行き交うクルマたちを眺めながら昼食をとった。高速路線バスの新宿行きの多いこと。食事をとっている間だけでも、飯田発と、新潟発と、松本発の高速バスを見かけた。甲府行きのJRバスもいた。しかも、どのバスもほぼ満員に見えた。やっぱり三連休の初日は賑わうものだ。なぜか、バスを見ながら外で食べる食事はおいしく感じられる。
昼食を終え、甲府の2つのICを過ぎ、一宮御坂ICで降りた。そして、R137で河口湖を目指した。
御坂峠のトンネルを超えた辺りで、まったく動かないような渋滞にハマッてしまった。前の大型トラックのドライバーは外に出てクルマの列を眺めたりしていた。しばらくして少しずつ動き出したが、こういうときのアイドリング・ストップはつらい。エアコンが効かなくなるのだ。暑さに耐えきれず、アイドリング・ストップをOFFにし、やむを得ずエコに逆行する行為に出た。救急車と2台の工作作業車が通り過ぎて数分後、のろのろとだが動き出した。下り坂の中腹のパトカーと数人の警察官がいたが、事故車はいなくなっていた。どんな事故だったかは分からなかったが、気の毒というか、迷惑というか。
坂を下ると、眼下に河口湖が見えた。思わず2人で「わあ~」と声をあげてしまった。美しい景色が突然現れると、自然に声が出るものだ。お目当ての富士山は裾野しか見えなかった。
河口湖大橋の手前で「かちかち山ロープウェイ」方面の湖岸の道に入った。そして、川口湖畔の駐車場に車を止めた。すると、観光船や白鳥のボートのおじさんがうるさいうるさい。 「ここに止めろ」だの「今からどうするか」だの「どこへ買い物に行くのか」だのやかましいから、おじさんたちのいない隅の方にクルマを止めた。隅の方には釣り客が1組いただけだったので、トランクから折り畳み椅子を取り出し、静かな湖を眺めた。時折、モーターボートが轟音を立てて通り過ぎていく。相変わらず富士山は裾野だけしか見えないが、リゾート地っぽさがいい感じだ。
河口湖駐車場のすぐ近くに発着所があるロープウェイに乗ってかちかち山(天上山)という丘の上から湖を眺めることにした。ロープウェイ駐車場には「満車」の札がかかっていた。 今夜の宿はロープウェイ駐車場のすぐ隣のホテル「ブリーズベイレイクリゾート河口湖」が予約してあり、ホテルの方にお願いして止めさせていただいた。
曇り空もだんだん青空が広がってきた。太陽が顔をのぞかせると、真夏の日差しが直接体に当たる。
往復700円のロープウェイに乗ると、眼下に河口湖全体が見渡せるようになる。すぐ隣のカップルは中国語で感動しているように見えた。
3,4分のロープウェイの旅を終え、かちかち山の山頂に立つと、青空が広がった空に頂 上の3割ほどを除いて富士山が姿を現した。山頂の頂点を見たいものだが、富士山の西側には雲が続いていて、全貌を見るのは無理だと悟った。それでも、汗を拭き拭きカメラのシャッターを押し、SDカードに富士と河口湖の画像がたまっていった。
ロープウェイで山を下りたのが3時半。まだまだ時間は十分ある。次に向かったのが、少し離れた山中胡だ。R139~138を東に向かうが、やはり三連休の富士五湖は関東ナンバーのクルマで混み合う。のろのろとクルマの列に従って山中湖に向かった。渋滞の先は富士浅間神社だった。富士山の神様がいる神社で、なぜか若者たちで賑わっていた。神社を過ぎると、左手に山中湖が見えてきた。富士五湖一番の広さを誇る湖で、さすがにでかく見える。国道沿いにいくつか駐車場はあったが、
「どこから見たらきれいな景色なのかなあ。」
そう思いながら、国道を外れ、湖岸道路に入った。先週の日本各地の大雨で九州では大きな被害が報じられているが、ここ山中湖もずいぶん降ったらしい。泥を処理した跡が道路の至る所に見られた。
「あっ、カワサキのなんかやってる。」
思わず声を出した。グリーンの地に「KAWASAKI」のロゴの入った幟が何本も立ってい るのを見つけた。カワサキ・ファンで、カワサキのバイクに乗っている僕は、迷わず幟のある湖岸のバイク・ショップに入った。店では、試乗会などのイベントが行われていて、Z1000やNINJA1400などグリーンのバイクが並べられていた。冷たいお茶をいただき、グッズを見ていると、1個200円のピンバッジがいっぱいあり、ついつい5つも買ってしまった。妻は妻で、女性用のグローブを見て、
「これ、北海道を走るのにちょうどいいじゃん。」
と言って、買っていた。春秋用だが、お盆の北海道は夏用グローブでは手が冷たい。
バイクやグッズを見たあと、せっかくだからと山中湖畔に出てみた。すると本物の白鳥が こっちに向かって泳いできた。それどころか、陸に上がって僕たちの前を平然と歩いていった。水かきのついた足が黒いことを、僕は初めて知った。そして、もう1羽、少し小振りの白鳥も泳いできたかと思ったら、僕たちの目の前を歩き、またおしりをふりながら湖に入って泳ぎ去っていった。もちろんしっかりとカメラに納めたが、わずか50㎝の距離で本物の白鳥が見られるとは、カワサキのショップに立ち寄ってよかったとつくづく思った。
カワサキの最新のバイクを間近に見て、お気に入りのグッズを手に入れ、その上、白鳥までも目の前で見て、満足満足ということで、湖岸1周をやめて河口湖に戻ることにした。
かちかち山ロープウェイ乗り場の隣のホテル「ブリーズベイレイクリゾート河口湖」に着いたのは5時を回っていた。外観はイマイチだが、ロビーの雰囲気はよく、経費節約の影がちらちらするものの決してケチくさくもなく、むしろ「もったいない」を省いた好感が持てるスリム化のように感じられた。
チェックインを済ませ、まずは温泉。お湯はやや熱めだったが、ほのかに香る温泉のに おいと、肌がキュッキュッとなる感じがすごく気持ちがよかった。そして、晩ご飯はバーベキュー。厚いお肉や魚介類を外のテラスで焼きながら食べる晩ご飯はまた格別だ。一人でバーベキュー・コーナーを切り盛りする若い従業員の動きも、にこやかにてきぱきと動き、好感が持てた。おかげで、僕たちも気持ちよく食事のひとときを過ごすことができた。
晩ご飯の後は、またまた温泉に入って、いい気持ちで1日目を終えた。
<7月15日>
9時半頃にチェックアウトし、ホテルの駐車場を出た。ちょうどロープウェイに乗る観光客で混み合う時間だったようで、入ってくるクルマと交錯して出にくかったが、そこは車体は小さいながらも大きなスリーポインテッドマークがど真ん中に鎮座する迫力のある顔つきのせいか、みんな隅の方によけてくださる。なんだか申し訳ないような気にもなるが、よけてくれなければ出られない。
湖畔の道路を北に向けて走り、河口湖大橋の北側に出て、再び河口湖の北側湖畔の道路で西湖方面に向かうことにした。
やたらと「さるまわし」の看板が出ていたが、仕事柄毎日サルよりもおもしろい子どもたちと過ごしているので寄らずに行く。なんと言っても、何でも言うことを聞くし、ちゃんとしゃべるし、本気になったりふざけたり、小学校の子どもは本当におもしろい。
「さるまわし」を過ぎると、河口湖のすぐ脇を走ることになる。この湖岸道路の県道21号は別名「湖北ビューライン」と呼ばれているらしく、途中からはまさにその名のとおりの道になった。南側には富士山がそびえているはずだが、雲に隠れてしまっている。それでも、時々うっすらとその勇姿を部分的に見ることができ、ついつい左側を見ながら走ってしまう。
「わあ~、ちょっといいじゃん、ここ。」
うまい具合に富士の姿の7割くらいが見えるようになった。パーキングにクルマを停め、 外に出て眺めた。目の前に湖、その向こう側には富士山。本当に絵になる風景だ。快晴だったらもっともっと素敵な風景になるだろうと思うが、こればかりは仕方が無い。7割くらいでも見られたということで「よかった」と思った。
パーキングを出て、さらに西にクルマを進めた。いつのまにか左手に富士山が見えなくなっていた。複雑なカーブで向きが変わったのだろうと思いながら走っていると、なぜか真正面に富士山が見えた。
「なんで。」
「なんでだろう。ヘンだなあ。」
そのうちに大きな橋が見えた。富士山は右手に見える。あの大きな橋が河口湖大橋と分かった時に、ばかばかしいことに気づいた。西湖方面に右折する交差点に気づかず、河口湖をずっと左手に見ながらぐるっと1周してしまったのだった。我ながら、間抜けだった。
改めて河口湖大橋北側から再び県道12号に入り、「さるまわし」を過ぎ、富士山を眺めたパーキングを通り過ぎると、「西湖・右」の標識を見つけ、河口湖から離れた。
西湖は河口湖と比べ、ずいぶんひっそりとした湖だ。森と湖のコントラストがいい感じだ。 キャンプ場の近くに、湖岸に下りることのできるパーキングがあった。岸には釣りを楽しんでいる人が並ぶようにして湖面に向けて竿を差し出している。僕たちがクルマを止めたとなりにはゴムボートに空気を入れている家族連れがいた。小学生らしい女の子がまだ空気が入りきっていないボートの中に入ってはしゃいでいる。僕たちは湖面に向けて折り畳み椅子を出し、湖と富士の 裾野を眺めながら缶コーヒーを飲んだ。UCCのコーヒーもおいしいけれど、なによりも空気がうまい。西湖から眺める富士が一番美しいという話をどこかで聞いたことがある。雲がかかってなければ、たぶんそれは正しいと思える風景だった。
西湖から富士を眺めた後、4つ目の湖・精進湖に向かった。県道21号「湖北ビューライン」を離れ、国道に出てすぐまた北に入った。精進湖は富士五湖の中でもっとも小さな湖で、国道から見てみると釣り船だけが列になって浮かんでいた。しかし、国道から少し入ると湖越しに富士山が見える絶景ポイントがある。残念ながら富士山は雲に隠れ、稜線も霞んでいて絶景と言える景色にはなってなかったが、案内の看板には逆さ富士が写るビューポイントの一つで、千円札の図柄になっている場所がここ精進湖だそうだ。もちろん、この日は逆さ富士は見られなかったが、ひっそりとした雰囲気のいい湖の景色を味わうことは できた。
精進湖をぐるっと回って、次は最後の湖の本栖湖に向かった。一度R139に出て、次の交差点でR300に入るとすぐに本栖湖が見えた。僕は、常に湖側を走れるよう時計と逆回りのコースを選んだ。身延町に入ったあたりの湖岸で水上バイクの大会が行われているらしく、途中から路上駐車のクルマが並んでいた。湖を見ると、クルマのジムカーナのような競技のように見えたが、これがまたなかなかおもしろそうだ。湖上にいくつもの旗が浮かんでいて、水上バイクがスキーのスラロームのようにして豪快に走り回っていた。これは、好きな人にはたまらない競技だろう。
こうして、5つの湖をすべて見てきたが、どれもみな違った表情でおもしろい。華やかな観光地の山中湖、昔ながらの観光地の河口湖、釣り客で賑わう西湖、ひっそりとたたずむ精進湖、水上スポーツの本栖湖と、美しい富士に抱かれた5つの湖は、どれも魅力的だった。
富士五湖を後にした僕たちは、R139を南に向かい、静岡県へと入った。そして、まず立ち寄ったのが道の駅「朝霧高原」だ。
朝霧高原は、僕にとっては思い出の高原の一つだ。大学生時代にボーイスカウトのリーダーをしていた時、ここ朝霧高原で世界ジャンボリー(世界のボーイスカウトの祭典)が開催されたのだ。僕は豊田地区派遣隊のリーダーの一人として選ばれ、1週間ほど世界のスカウトたちと友好を深めた。豊田地区のキャンプサイトの隣は台湾、向かい側はカナダだったこと を覚えている。
妻は、「よくスーパーに朝霧高原牛乳があるけど、朝霧高原ってここのことだったんだ。」と言っていた。高原を絵に描いたような壮大な景色に感動さえ覚える。霧に霞んで全貌が見えないこともあって、はてしなく草原が続いているように見えた。北海道好きの僕たちにとっては、こうした広大な草原の広がりを見るとたまらなくうれしくなる。
当然のことながら、お昼時の道の駅のレストランは大混雑だ。僕たちは売店でひめ(ます)寿司などを買って、外のベンチで高原の景色を眺めながら食べることにした。ところが、ベンチに腰を下ろし、お寿司のパックを開け、一つ食べたところで雨が降り出したのだ。たま らず、屋内のベンチに移動し、お昼ご飯にした。
食事を終え、道の駅スタンプを押して、再びR139に出た。僕が持っている道の駅スタンプノート中部版は、先週の新車試乗ドライブで愛知県の道の駅を制覇したばかりだが、静岡県のページは西部の浜松周辺を除いてほとんど埋まっていない。たまには静岡県の中部・東部にも足を伸ばさないといけないなあと思った。
R139をさらに南に進むと、絶対に外すことのできない観光地の白糸の滝がある。
駐車場にクルマを止め、土産物屋さんが立ち並ぶ観光客で混雑した狭い通りを抜ける と、まず目にするのが「音止めの滝」だ。このところ続いた大雨のせいか、豪快な一筋の滝だ。そして、さらに進み、遊歩道を下って行くと、白糸の滝が見えた。僕が若い頃に来た時のイメージでは、ぐるっと120°くらい取り囲むような岩肌を細い筋のように水が流れ落ちていたような気がしていたが、この日は、細い筋どころか水しぶきが上がるほど豪快に流れ落ちていた。大袈裟に言えば、ミニ・ナイアガラ瀑布だ。ひんやりとした空気が心地よい。ただ、水しぶきを浴びた ひんやりとした空気はここだけで、遊歩道の坂道を登って土産物屋さんの通りを歩いていたら汗が噴き出してきた。駐車場の手前の店でソフトクリームを食べ、体を内側から冷やしてから駐車場に戻った。
再びR139を南に向けて走り続けたが、さすがに富士宮市街地にさしかかった辺りから交通量は増え、大型の店舗が並ぶ片側2車線の国道はのろのろ状態になった。休日の市街地の国道はどこもこのようなものだ。豊田でも、市街地を南北に走るR248は休日にはとても走れる状態ではなくなる。
最近開通したばかりの新東名の新富士ICは市街地から案外近い所にあった。ニュースで、新東名高速道路のSAはどこも満員で走行車線まで並んでいると報道されている。お土産も買いたいので、SAに入れないようではちょっと困る。新しい高速道路も走ってみたいが、今回は従来の東名高速道路を選んだ。
新東名・新富士ICからすぐの所に東名・富士ICはある。さらに、富士ICからすぐの所に富士川SAがある。多くの人が新東名を選んでいるのか、東名高速は走りやすかった。SAにもすんなりと入ることができ、お土産を買うのも楽だった。
人気№1と記されていた「富士宮やきそば」は、もちろん買った。人気№2の「うなぎパイ」は、よくお土産でいただくので買わなかった。№3の「富士山麓プリン・ラスク」なるものは、僕たちの知らないお土産品だ。普通のラスクよりずっとおいしそうに見える。職場用や両親用なども含め、4箱も買ってしまった。家に帰ってから食べたら、そのおいしかったこと。自分たち用にもっと買えばよかったと思った。
スタートからここまで約450㎞。そろそろ燃料を入れなくてはと思ったが、燃料系の針はまだ半分くらいの所を指していた。それでもこの先かなりの渋滞も予想される高速道路で豊田まで走るとなるとここで入れておいた方がいいだろうと思い、スタンドに入った。驚いたことに、32Lくらいしか入らなかった。リッター当たり14㎞も走ったことになり、さすがエコカー減税対象車と感心してしまった。正直、信じられない数値だ。ベンツと言えども、今のクルマはエコカーなのだ。
富士川SAを出て、しばらく走ると、清水JCT手前で「名古屋まで東名180分・新東名170分」と表示されていた。一度新しくできたばかりの新東名を走ってみたいと思っていたし、もうSAに寄るつもりもないので、新東名方向へとハンドルを切った。
やっぱり新しいクルマで新しい道を走るはいいものだ。交通量もそれほど多くはなく、流れはかなり速かった。
「ここって、制限速度100㎞?」
「そうなんじゃない。」
「120㎞かも。」
あまりにも走りやすいせいか、ついペースが上がってしまい、自制心なしでは走れないよ うな道だった。うわさどおり、SAの手前には「満・FULL」の表示が出ていた。もちろんすべて通過していたが、一つくらいは新しいSAを体験したかったので、遠州森町PAに入ってみた。
遠州森町PAは、パーキング・エリアとは言っても、ちょっとしたSAより規模は大きかった。駐車場は混んでいたが誘導員の方が休日ですいているトラックの駐車場に誘導してくれた のですんなりと止めることができた。
中に入ってみると、いろんな店が入っていておもしろかった。遠州森と言えば森の石松とお茶だ。ぶらぶらと店をのぞいていたら、「しずおか茶コーラ」なる飲み物を見つけた。喉も渇いていたし、めずらしそうだったので買ってみた。レジで、
「これ、おいしい?」
と尋ねると、若い女性店員さんはしばらく考えた後、
「分かんない。人によって違う・・・。」
と、だんだん小声に。お金を払いながら「まずいかも」とちょっと心配になった。駐車場にもどって茶コーラなるものを一口飲んでみると「なんかヘンな味だなあ」と思ったが、二口目、三口目と飲み進めるにつれて「これ、なかなかいけるじゃん」へと印象が変わってきた。飲み終わった時には、
「おいしかった~。」
になっていた。
ヘンなコーラを飲み終え、再び新東名を自制心で走った。気を緩めると、とんでもない速度になってしまうのだ。法は守らなければならない。
交通情報で「事故のため東名音羽蒲郡・岡崎間を先頭に14㎞の渋滞」となっていた。普段から混む区間で事故が起きれば、相当な渋滞になるだろう。実際には浜松JCTより随分前から渋滞になっていたので、情報よりも伸びていたと思う。こればかりは仕方がない。大急ぎで帰る必要もないし、急ぐこともできないので、オーディオの選曲を替えたりして時間を使っていた。買ったばかりのクルマで、実はオーディオの操作の仕方がよく分からなかったのだ。いろいろスイッチをいじりながら「そうか、こうすればいいんだ」「あれっ、なんでFMになっちゃうの」「元に戻せなくなっちゃった」など、妻と操作方法を探っていた。
浜松の手前から音羽蒲郡を過ぎるまでに普通なら20分もあれば行けるところを1時間以上もかかっていたが、三連休の真ん中の日ということでこれくらいは想定内の渋滞だ。
岡崎矢作橋を過ぎ、豊田JCTからいつもながらすいている東海環状道に入った。
豊田松平ICを出て自宅に着いたのが6時少し前。「富士山を見に行こう」ということで計 画したドライブだったが、結局うっすらとしか見ることができなかった。それでも、やっぱり有名な観光地というのはそれだけ見応え、行き応えがあるものだ。富士周辺は首都圏からの大勢の観光客で混み合うのがイヤで敬遠していたが、富士五湖も白糸の滝も本当にいい所だということを改めて実感したドライブだった。
メルセデスCクラスC200AMGスポーツパッケージが、7月1日の日曜日の午後に納車となり、雨の中ぶらっと足助まで走ってきました。その後の1週間はほとんど妻が通勤に使い、 8日の日曜日に試運転ドライブとして両親も誘って4人で木曽川・揖斐川・長良川が合流する輪中地方に行ってきました。
Cクラスは、見た感じは普通の小型セダンですが、そこはメルセデスです からちょっと豪華に見えます。しかも、AMGスポーツパッケージということで、多少はスポーティ・セダンらしく見えるので、なんとなくかっこよさも感じられます。メルセデスCLKという2ドア・クーペからの乗り換えだったので、スポーティ・カー独特の雰囲気がどうしても頭から離れず、経済的な理由から格下の普通のセダンにしたことを心のどこかで後悔している部分もあったのです。それだけに、多少なりともスポーティ・カーっぽさも感じられ、ほっとしました。
セダンとしてオーソドックスなデザインは、足助の古い街並みにどことなく似合って見えました。納車後すぐだったので、操作のチェックなどが気になり、走りの印象はあまりありませんでした。カーナビとオーディオ関係は前車と全く異なっていて慣れが必要と感じましたが、運転に関しては一部の機能が省略されている他はほとんど抵抗なく走らせることができました。
1週間、新しいCクラスに乗っていた妻が、「やっぱり運転してて、CLKより格下って感じはするよ」と言っていました。妻はクルマの乗り味に対してかなりの通(つう)かもしれません。 それは、8日の試運転ドライブでなんとなく感じられました。妻はクルマの乗り味に対して鋭い感性を持っていそうです。
8日の日曜日、この日の試運転ドライブはすべて僕がハンドルを握りました。まずは、東名三好ICから岐阜羽島ICまで高速道路を走りました。すると、CLKでは感じられなかったふわふわ感が感じられました。AMGスポーツパッケージ仕様とは言え、足回りはノーマルのままです。標準仕様より15㎜ダウンの強化サスに225/45(F)・245/40(R)の17インチのタイヤ・ホイールが装着されています。標準仕様は205/55の16インチですから、かなりしっかり感が出ているはずですが、僕的には不十分です。メルセデスだからあまり乗り心地を犠牲にしたくないということもあるかもしれません。いずれにしても乗り心地を犠牲にすることなくしっかり感を出していたCLKに軍配は上がります。CLKより160万円ほど安いクルマだからと言ってしまえばそれまでです。このマイナス点は「車格が下のCクラスだから」なのか、CLKの時のように18インチにインチ・アップさせ、35~40扁平のタイヤにし、15~20㎜のローダウンサスにすればある程度CLKの乗り味に近づけるものなのか、ちょっと考えてしまいました。しかし、この感覚はかなり高い次元での乗り味の問題で、高速走行時の安定感はかなりのもので、心に余裕をもって安心して走ることができます。
名神羽島ICを出て、最初に行ったのは、道の駅「クレール平田」です。僕も父も中部の道 の駅スタンプ・ノートを持って店に入り、まずはスタンプをゲット。なぜか母が「おいしそうだったから」と言ってたこやきを2箱買ってきたので、4人で食べました。あまりこういうことをしない母ですが、この時はなんとなく「家族っていいなあ」と感じました。
道の駅「クレール平田」の次は、父のリクエストでお千代保(おちょぼ)稲荷に行きました。神社周辺の道路は昔ながらの軒先のせまる1.5車線程度のくねくねした 通りでした。ここはCクラスの本領発揮の場でした。同クラスのIS、A4、3シリーズよりかなり狭い車幅と、、ヴィッツ並みの最小回転半径による小回りの効く旋回性、そして標準装備のバック・モニターと、三拍子そろった扱いやすさがCクラスの持ち味の一つであることを実感しました。マークXやクラウンよりも狭くて短い車体は、輸入車でありながら日本の道に合ったクルマかもしれません。
日曜日のお千代保稲荷は大賑わいでした。小さな社には参拝者の長い列ができ、長い 参道はどの店も満員状態でした。「おちょぼ」などというヘンな名前なので、神社の名前こそ聞いことはありましたが、その賑わいにびっくりしてしまいました。
父を車椅子に乗せて参拝し、参道にある和食の店で昼食にしました。母はおでん定食、あとの3人は久しぶりのうな丼です。このところうなぎが高くて手が出なかったのですが、この店のうな丼の並は1300円。今の水準からは ちょっと安めでしたが、味は秘伝のたれのせいかなかなかのものでした。うなぎは小さめでしたが。
お千代保稲荷の次は道の駅「月見の里南濃」です。もちろん目的は道の駅スタンプです。そして、すぐ近くに南濃温泉があるということで、案内標識に従って山道に入って行きました。すると、「月見の森」の駐車場から12分間 隔のシャトルバスを利用しなければならないことになっていて、車椅子を持ち歩くこともできず、別の温泉に行くことにしました。
「月見の森」駐車場を出て、R258を揖斐川沿いに南下し、三重県に入った所で東にクルマを進めました。ここは揖斐川と長良川と木曽川が集まる海抜0m地帯です。輪中地方(輪中地帯)として「低地のくらし」の学習で小学校の社会科の教科書に載っている地域です。3つの川の河口付近にある木曽三川公園の前を通り、道の駅「立田ふれあいの里」に入りました。愛知県の西の端です。並ばなければ入れな いほど駐車場は混雑していましたが、ここだけは絶対にパスできないのです。実は、僕の道の駅スタンプ・ノートの愛知県のページはここ立田を残して全てスタンプが押されているのです。ここのスタンプを押せば、愛知の道の駅を制覇したことになります。試運転ドライブのコースを輪中地方にしたのは、これが一番の目的だったのです。梅雨時の曇り時々雨の予報は見事に外れ、真夏の日差しで気温もぐんぐん上がりました。あまりの暑さに、今シーズン初のかき氷を食べました。僕が選ぶのは決まってメロンです。
道の駅を出るのに、入るクルマと出るクルマが交錯し、せまい通路でUターンを強いられました。これがまた絶対に切り返しが必要と思われましたが、一発でUターンでき、両親のびっくりすること。
「こんな狭い所で回れちゃうの。(母)」「オレのゴルフでも無理だよ、ここは。(父)」
切り返しせずに一発で回れた僕は、もっとびっくりでした。普通の二車線路の道幅程度を難なくUターンできるのは、フロント・タイヤの絶妙な動きによるものです。いっぱいにハンドルを切ったとき、タイヤは内側に大きく傾きます。前車CLKもそうでしたが、メルセデスはこういうところにお金をかけているのです。
立田を出た後は、鍋田川温泉を目指しました。まずは、木曽川河口に沿って走る堤防上の狭い道路です。1800㎜を大幅に下回る車幅は、感覚的には5ナンバー車とほとんど変わらず狭い道でも安心して走らせることができます。堤防道路から見える景色は、まさに輪中地帯そのものでした。まるで教科書の写真のように、どの家も石垣の上に建てられています。万が一3つの川のどれかが氾濫して水に浸かってしまっても、石垣の上から舟で移動できるようになっているのです。田園地帯にぽつんぽつんと石垣と森と家がある風景は、この地域独特のものなのです。
そして、国道1号線。1号線はどこを走っても渋滞していて、ここ愛西市地内も例に漏れずのろのろ走行でした。ここで困ったのがアイドリング・ストップです。エアコンのコンプレッサーも止まってしまうため、数秒の余冷が終わると生暖かい風が吹き出してくるのです。30℃を超える炎天下でのエアコン・ストップは厳しいものがあります。そして、数mごとに止まってはセルモーターが回ってエンジンがかかるというのはものすごくバッテリーに負担がかかっているような気がしてしまいます。それに、一回一回ブレーキから足を離す度にエンジンがかか ってわずかにクルマが動くという動きは、乗っていて不快感が感じられるのです。そこで、不本意ながらECOスイッチをOFFにしました。
渋滞は木曽川河口の長い橋を渡っても続いていましたが、鍋田川温泉は木曽川堤防道路を走ってすぐの所にあります。長い橋を渡ってすぐの交差点を右折し、しばらく走ると鍋田川温泉がありました。
鍋田川温泉は昔ながらの温泉施設でした。資料では湯治場だった施設を日帰り温泉施設に改装したと書かれていました。湯治湯と聞いただけでも、いかにも体に効きそうな感じがします。建物は古い旅館風で、中に入るとカラオケのお世辞にも上手とは言えない歌声が響き渡っていました。ヘンな所に来てしまったと少しだけ思いましたが、「湯治場と言えばお年寄り」「お年寄りと言えば僕の両親」ということで、湯治湯の温泉に入りました。
お湯はかなり熱かったので、露天風呂に入れば少しはぬるいだろうと思い、外に出ました。熱い湯は同じですが、少しはましで、がんばれば僕でも入ることができました。父は、「そんなに熱くない」と言ってたので、単に僕が熱い湯が苦手というだけのことだったと思います。つるつる度、ぬるぬる度がちょうどいい感じで、なかなかいいお湯でしたが、僕にはちょっと熱すぎて、長くは入っていられませんでした。こんなに気持ちのいいお湯がたったの500円ですから、とってもお得です。
温泉を出てからは、干拓地の真っ平らな道路を走り、伊勢湾岸道・湾岸弥富ICから東海環状道・豊田松平ICまで高速道路を一気に走って帰りました。往路の名神高速で感じたふわふわ感も慣れの問題で、復路の高速走行ではほとんど気になりませんでした。むしろ、メルセデスらしいしなやかな乗り心地と、スポーツパッケージ仕様の適度な足回りの固さが心地よく感じられ、すごく快適な高速走行になっていました。ある意味、ノーマルが最良の状態とも言えるので、あとは個人の好みでより固めのサス・セッティングにして自分仕様のCクラスにしていけばよいのです。僕は、前車のCLKのサス;セッティングが気に入っていたので、ゆくゆくはそのように手を加えていこうと思いました。
今回の試運転では両親にも同行してもらいましたが、後席の乗り心地はとても好評でした。同クラスのクルマに比べサイズがやや小振りなため、後席の広さに不満を感じるかもしれないと思いましたが、スペースとしては十分すぎるくらい十分だったようです。小型とは言えメ ルセデスですから乗り心地に不満を感じるようなことはないとは思っていましたが、後席のスペースの評価については両親ともに小柄なので正しい評価にはなっていないかもしれません。僕としてはカローラ程度のスペースがあれば十分だと思っているので、もちろん不満はありません。
わずか200㎞ほどの短いドライブでしたが、高速あり、市街地あり、渋滞ありの、試運転にはいいコースだったように思います。また、両親にも喜んでもらえるコースになりました。
試運転ドライブを終えたら、いよいよ初ドライブです。行き先はもう富士山と決めてあります。日にちは14日の土曜日から1泊2日。河口湖畔のホテルも予約しました。新車に乗って富士山を眺めながら富士五湖界隈を走ったら、きっと気持ちがいいだろうなあと思っています。天気が回復することを祈っています。
「えぇ~、これがカブ?」
先日、行きつけのバイクショップに行ったら、店長のHさんに「新型のカブ、来てるけど、見る?」と言われ、新型カブのある展示車コーナーに案内してもらいました。見た瞬間に口から 出た言葉が冒頭の「えぇ~?」でした。
今年の3月、ホンダ・スーパーカブが昭和33年(1958年)に発売されて以来50数年ぶりにフルモデルチェンジされました。華やかなモデルではないのでひっそりとモデルチェンジされたのですが、カブ愛好者の僕としてはすごく気になっていました。
カブの特徴の鉄板をプレスしたハンドルは、ウィンカーやヘッドライト一体式のおしゃれな 原付スクーターのハンドル周りのようになっていました。フロント・サスは筒状のスポーツ・バイクと同じ形状になり、とって付けたような無骨で合理的なフロント・カウルはカブらしさは残されてはいたもののずいぶんスマートな形状になっていました。工具やバッテリーのカバーもサイド・カウルと一体式になって、50年以上続いた基本デザインからは少しイメージの違う意匠になっていました。膝のカウルの形状がこれまでのカブとよく似た形をしているので、一応スーパーカブには見えます。
ホンダの中国の工場での生産になったということで、なんと4万円以上も値下げされたそうです。基本構造は同じで値段も安くなったとすれば、それは それで良いことなのですが、外観デザインはとても大事です。せめて工具・バッテリーカバー、フロント・サス、カウル、ハンドル周りは旧モデルと共通したデザインのまま残してほしかったと思います。
スーパーカブは日本を代表する二輪車で、世界的に見ても20世紀を代表する二輪車だと思っています。そのためか、生産国が日本でなくなったことには多少の抵抗は感じますが、それも時代の流れでしょう。ただ、聞いた話では、今回のニューモデルは、もともと中国のホンダで製造されていた中国 やタイなど東南アジア向けのバイクとして存在していたもので、その既存の東南アジア市場向けバイクに「スーパーカブ」の名を付けて日本市場にも輸出することになったとのことでした。そう言われると納得できるデザインです。どことなく中国っぽいデザインなのです。ただ、もともと中国で生産されていた既存のバイクというのが本当なら、ちょっと悲しくなります。ちなみに、タイヤにはメーカー名、ブランド名と思われるロゴを見つけることがで きませんでした。世界のホンダが、全世界を市場として発売した新型スーパーカブですから、海外生産と言っても、きっと品質は大丈夫だと思います。「HONDA」マークを付けている以上、中国製の無印(?)タイヤを使ったとしても、おそらく品質を落とすようなことはしていないはずです。それに、今までの50年以上も前の無骨なデザインと比べればとてもスマートなデザインになりました。カタログの写真を見ても、とてもおしゃれです。
僕は、無骨ななかにもスマートさが感じられる1950年代のデザインの今までのカブの方が好きです。僕が旧車好きで、旧型カブのオーナーの一人だからかもしれません。かろうじて新聞配達用の「プレス・カブ」が旧モデルのまま残っていますが、一般ユーザーは手に入れることができるかどうか。それに、プレス・カブには50cc車しか設定されてないようですし・・ ・。
なお、写真画像はHONDAのカタログで公開されているものです。従来のカブのイメージを残してはいますが、走っている写真を見るとすごくおしゃれなバイクに変身していることが分かります。ちなみに、最後の1枚は僕の98年式スーパーカブ70です。
我が家では、夫婦で月20000円弱の、掛け捨てでない保険に入っています。年によって多少違いますが、年度末に5割~6割くらいが還付金として戻ってきます。これが結構楽しみなの です。突然、10万円以上のお金が入ってくるのですから。それを、何に使ったともなく無くしてしまってはもったいないと思い、毎年、何らかのモノを買うことにしています。そこで、還付金が入ると、普段の生活費では買わないもので、何を買おうか妻と相談しています。これまでにも、年代モノのスーパーカブ、ローバーミニのスタッドレスタイヤ、シチズンの腕時計エクシードなど、この還付金で買っています。
ところが、去年の還付金で何を買おうか決まらないまま、手つかずで5月まで残っていまし た。そこで思いついたのがお掃除ロボット「ルンバ」だったのです。
近くのエイデンに行ってみると、本家アメリカのロボット・メーカーアイロボット社の「ルンバ」の他に、国産の東芝とシャープの製品もありました。シャープは音声機能があるそうです。他の2社のより値段は高めでしたがロボットが何かをしゃべるというのもおもしろそうと思いました。東芝は東芝らしくエコ製品になっていて、一度通ったところは通らないということで、省エネでしかも掃除の時間が短いということ でした。ルンバは、一度通った所でも、まだ汚れていると判断すれば何度でも行ってきれいにしてくれるとのことでした。ちょっと考えましたが、やっぱり家電メーカーのロボットよりロボットメーカーのロボットのほうがいいだろうと二人で相談し、ルンバに決めました。
ルンバが掃除をしているのを見ると、これがまたかわいいんです。ホント、ものすご~くかわいいのです。見ていてイラッとくることもありますが、許せちゃいます。
そこら辺りを掃除しているかと思ったら、突然あっちの方に向かって行き、あっちの方の隅 をごそごそと掃除を始めます。と思ったら、また戻ってきてさっきの続きをやるのです。段差のある所に向かって行くのを見ると、「あぶねぇ~」と思わず声が出ちゃいますが、ルンバは段差の手前でピタッと止まり、段差の部分の掃除を念入りに行ったり来たりします。壁に向かって行くときは、壁の手前で速度を落とし、そうっと隅の掃除をします。その動きのかわいいこと。手も足も無いロボットなのに、なんだかペットのように思えてくるのです。ただ、人間が掃除するように端から順にという意志はルンバにはまったくありません。そこらを掃除していて、急に思いついたように他の 所へ走り出します。「そっちじゃないだろっ」「まず、ここをやれよ」なんてイラついたりもしますが、ルンバにはルンバの順序があるらしいのです。
夜のうちに寝室以外の掃除をさせたり、外出中に廊下の掃除をさせたり、こっちの部屋の拭き掃除をしている間に他の部屋の掃除をさせたり、想像以上に便利です。相当な働き者です。しかも、丁寧に何度も何度も掃除機をかけるような動きをするのですごくきれいになります。掃除が終われば、充電器の所に戻り、チョコンと充電器の上に座り、充電を始めます。まるで自分の犬小屋に戻っていくように見えます。今では、妻は「ルンバちゃん」と呼んでいま す。
働き者でかわいい動きのお掃除ロボット「ルンバちゃん」は、買って1か月あまり経った今では我が家のアイドルになっています。