ELEVEN HOUSE

北海道だ~い好き❤バイクはカワサキ☆クルマはレクサスCTとタウンエース(キャンカー)とジムニー☆キャンプと鉄道も好き

2020北海道ソロツーリング道東 Vol.4(最終回)

2020-11-12 23:27:55 | 2020北海道ソロツーリング道東
2020北海道ソロツーリング道東 Vol.4(最終回)
   ~美瑛、富良野、夕張を走って太平洋フェリーでのんびりまったり~


 前回は念願の能取湖のサンゴソウ群生地などを巡り、知床ウトロ、西に向かって層雲峡へと進みました。今回は美瑛、富良野、夕張を走り、1週間の北海道ツーリングを終え、太平洋フェリーで帰ります。

<9月18日>
 北海道ソロツーリング放浪の旅、歳を考えたらほとんど冒険の旅かも。その5日目、層雲峡は朝から雨。だからバンガローでのキャンプしたが、やっぱり本当に雨の朝を迎えるとテンションが下がる。
 小雨にならないかなあと期待しながら、バンガローの中でパンとスープと硫黄山のゆで卵だけの簡単朝ごはん。食後のコーヒーは外を眺めながらテラスで。それでも、キャンプ場の朝は気持ちがいいものだ。雨降りでも爽やかさは損なわれてはいない。




 せめて小雨になってくれればと期待しながら外に出て北海道のキャンプ場の爽やかさを味わっていたが、9時を過ぎても雨は弱まってこない。しかたがないので、カッパを着て、雨に濡れながらバイクに荷物をパッキング。眼鏡が雨粒で前がよく見えないままグチュグチュのキャンプサイトでバイクをUターン。Uターンだけど、地面が沼のような状態なのだからリアタイヤが滑る滑る。斜めになってバランスを崩しながらもなんとか態勢を立て直すこと3回。なんとか脱出成功。コケなくてよかった~。正直、ちょっとヤバかった。
 層雲峡オートキャンプ場を出て、銀河の滝も流星の滝ももちろんパスし、広大な樹海の中の峠、三国峠を目指した。R39をシールドを拭き拭き、全身べたんこになって走った。大雪湖からR39を外れR273で峠に向けてどしゃ降りの中を走り続けた。しかし、視界は最悪で、きれいなはずの大雪湖もよく見えない。そのうちに「三国峠キリ」の電光掲示。このまま三国峠へ行く意味があるのかなあと思えてきた。霧でなんにも見えないのに行ってもしょうがない。どしゃ降りの中、どうしようかなあなんて迷いながら峠に向かった。よっと待てよ、迷ったということは引き返した方がいいという気持ちがあるからじゃんか。こうなったらもう行くのをやめて、上川に戻って高速道路で一気に旭川へ行って、美瑛でのんびりコーヒーでも飲んだりして過ごす方がいいんじゃないかなあ。そんなふうに思えてきた。


 そう思って雨のR273のいよいよ峠にさしかかるという所でUターン。よく道路にこれだけ雨が流れているようなカーブだらけの道を登ってきたもんだと感心しながらR39に戻った。またまたシールドを拭き拭き上川方面へ。キャンプ場の前を通る時はすでにオドメーターは50kmを超えていた。決断が遅いわ。
 上川から道央道に入り、ハイスピードでビューン。どしゃ降りの時は高速道路の方が走りやすい。
 8月のレンタルバイク弾丸ツーリングで立ち寄った比布大雪パーキングでトイレ休憩。さすがにちょっと疲れた。缶コーヒーを飲み、Westを一本。ふう~、雨やまんかなあ。


 美瑛でのんびりコーヒーでもと思っても、僕、美瑛のおしゃれなカフェなんてよく知らない。で、facebookの友達のSさんの店「タッチウッド」に行ってみようとスマホのナビをセットした。
 旭川北インターで高速を降りると、うれしいことに雨は上がっていた。ただ、道路はウェット。さっきまで降ってたんだ。濡れた路面だからまだまだ気を抜くことはできない。旭川空港に向かって走ればその先が美瑛だ。目の前をエアDoの巨体?機体がゆっくり移動しているのが見えた。東神楽から美瑛にかけては、ちょうどパッチワークの丘の中を走っている感じだった。
 景色のいい所にバイクを停め、パッチワークを眺めながら今夜の宿探し。地面はべたべただし、僕自身もべったんこだ。キャンプはとっくにあきらめている。なによりも、あったか~いお風呂に入って眠りたいよ~。それで、以前お世話になったことのある「ハイランドふらの」に決定。
 うれしいことに、ブログで交流のあるとうびきさんご夫妻から連絡があり、「ハイランドふらの」でお会いすることになった。ほとんど無言の旅なのすごくうれしくなった。それに、ブログを拝見させてもらっていて、とてもたくましくて温かい感じの人だろうという印象のひとなのでお会いできることがすごく楽しみになっていた。
「タッチウッド」に着き、ブーツカバーを外し、カッパを脱ぎ、店に入ると、本当におしゃれなインテリアで、い~い感じのカフェだった。Sさんも感じのいい方で、美味しいお昼ごはんと美味しいコーヒーでリラックスタイム。美瑛にはこういうひとときが似合ってるね。時間がゆっくり流れているように思えた。「タッチウッド」は美瑛の雰囲気によく合ったお薦めのカフェだった。後日、facebookに僕のNinjaの写真を載せてくださった。これもうれしかったなあ。








 美瑛でどうしても行ってみたい所があった。妻お奨めの青い池だ。ナビで見てみるとここから16km。ちょっと行ってみるか。
 わあ~、これはすごいぞ。ホントに青い。感動モノだよ。有名なだけあって観光客も多い。本当に美しい湖だけど、僕はひっそりとした雰囲気のオンネトーの方が好みかもしれないなあ。でも、きれいさはこっち。




 青い池を出て、富良野に向かった。途中で国道を外れ、一本西の道を走っていると、「ここだ!」と思ってバイクを停めたのが中富良野町のラベンダー畑。リフトを見て思い出した。30年ほど前、初めて妻と二人でバイクで富良野に来た時、リフトに乗って丘の上からラベンダー畑を眺めたあの日の感動が蘇ってきた。さだまさしの「北の国から」がずっと流れていたっけ。今もラベンダーの時期にはリフトが動いていて「北の国から」が流れているのかなあ。すぐに、妻にラベンダーのない景色の写真を添付してメールを送った。
 あとは「ハイランドふらの」へ行くだけだ。
 三国峠~糠平~大好きな狩勝峠回りにしなかったので、のんびり走っても宿には5時少し前に着いた。当然、今日の走行距離は少なすぎる201km。一週間走れば、こういう日も必要かもしれない。
 しばらくしてとうびきさんご夫妻が荷物満載のCB750FとW800に乗ってやってきた。ブログでバイクの写真をよく見ているのですぐに分かった。初めて会う人なのに思わず手を振ってしまった。
 とうびきさんご夫妻は真冬の北海道でキャンプをする強者というのが僕の印象。男くささプンプンの男性とガチガチ体育会系の筋肉もりもりの女性・・・と思っていたらお二人とも優しそうな感じのご夫婦だった。この日からの4連休でツーリングに出かけられ、今日は山辺のキャンプ場に泊まられるとのことだった。目指すは能取湖のアッケシソウの群生だそうで、僕とおんなじ。これから道東へのツーリングだ。いいなあ、。僕の旅は明日で終わってしまう。お二人とお会いできて本当にうれしかった。わざわざ僕が泊まっているところまで来ていただき感謝感謝です。
 とうびきさんとお別れした後は、富良野ポークの陶板焼をメインにした美味しい晩ごはん。そして気持ちのいい温泉。


 こうして、北海道最後の夜を過ごした。明日の夜は、苫小牧発名古屋行きの太平洋フェリーの中。なんか寂しいなあ。

※本日の走行    201km
※本日のヤエー    14発


<9月19日>
 1週間の北海道ツーリングも最終日になってしまった。あっという間の1週間だった。そして、最終日に限って朝からいい天気。つくどく僕は雨男なんだと思った。先月のレンタルバイク弾丸ツーリングも雨だったし。それなのに、帰る日の富良野には青空が広がっている。


 今日は、夕方までに苫小牧に着けばいいのだから、とりあえず富良野界隈をちょっとぶらぶらして、お昼少し前くらいに夕張経由で苫小牧港に向かうことにした。
 富良野界隈ちょっとぶらぶらで、まず向かったのが山部のメロン屋さんの中西農園だ。R38を南に向かい山部に入って中西農園に着くと、なんと店が閉まっていた。一昨年訪れた時に、おばさんが「また来てね。いつでもやってるから。もしやってなかったら、私かダンナのどっちかが死んだと思って」って言ってたけど、まさか・・・。
 仕方がないので、近くの店に入って今年収穫した最後のメロンと美味しそうなとうきびを買い、宅配で家に送った。店のおじさんに「朝メシ食ったか」と言われ、「今、食べたばかり」と答えると、「とうきび持ってけ、うまいぞ。昼メシにしたらどうだ」ということで甘い白いとうきびと普通の黄色のとうきびを1本ずつくださった。


 次は彩花の里でラベンダーアイスを食べようと思い、中富良野に戻った。
「やっぱりな。」
 閉園の札がかかっていた。前回はラベンダーの季節が終わってもやっていたが、今年はコロナで客足も減っているだろうから閉園もありかなとは思っていたが、ラベンダーアイスが食べられないのはちょっと残念。中西農園も彩花の里も空振り・・・。でも、秋の富良野を味わうことはできたので良しとしよう。いや、こうして北海道をバイクで走っているだけで十分楽しいのだ。


 お昼も近づいてきたので、そろそろ苫小牧に向かわなければならない。冒険の旅の終わりは確実に迫っている。
 富良野から美唄までつながっていない道道の富良野美唄線でR452に出て、夕張を目指した。途中の、川に段差があるだけの三段滝のパーキングでトイレ休憩。実は、彩花の里が営業してなかったためずっと我慢していた。ええっ?トイレはコロナのため閉鎖?


 まいったなあと思いながらR452をハイペースでバイクを走らせた。ハイペースでないとマズイんだな、チビるわけにはいかないので。
 桂沢湖にたしか林野庁かなにかの管理事務所のトイレが開放されてたはずだ。その前に、桂沢湖のパーキングにトイレがあるかもしれない。ということで行ってみるとここも閉鎖。しっこ、限界に近いぞ。そこに、キタキツネが1匹ポツンとおすわりしていた。癒やされるねえ、キタキツネ。こうしてキタキツネを見られたからまあいいかと、例の管理事務所のトイレへ。一気に出してホッとした。
 管理事務所のすぐ前の桂沢湖の見えない桂沢湖のパーキングにバイクを停め、2本のとうきびでお昼ごはんにした。生でも食べられる甘いはずの白いとうきびは、確かに甘いけれどなんだか味が薄い気がした。普通の黄色のとうきびは味も濃く、僕は黄色い方が好みかも。


 R452の夕張経由のコースを選んだのには理由がある。シューパロ湖に残る鉄道跡を見てみたかった。
 R452は本当に楽しい道だ。高速コーナーと中速コーナーが連続する林の中の一本道で北海道では珍しくタイヤのサイドも使って走ることのできる道だ。しかもほぼ専有道路。だーれも走ってないワインディングロード。自分の一番気持ちのいい速度で走り続けることができる。
 国道は、シューパロ湖湖畔の高台を通る。途中のパーキングにバイクを停めて湖を見下ろすと、またしても「おおおっ!」、鉄橋が見える~。それも、まるで湖面に浮いているように。夕張経由にしてつくづくよかった~と思った。この景色、感動モノだった。


 その後、スーパーと併設の夕張の道の駅に寄って、母や妻へのお土産と、今夜のフェリーの中での晩ごはんの助六とエースコックのきつねうどんを買って、最後の給油を済ませて道央道に入った。


 追分インターで降りて下道で苫小牧までショートカットするのが最短コースだ。でも、なんだか簡単に苫小牧港に行くのがもったいない気がしたり、千歳恵庭ジャンクションまでの大平原の景色が好きなのと、その二つを考えて苫小牧西インターまで高速道路を使うことにした。
 最後のパーキング、美沢PAで小休止。休憩の必要はなかったすが、とっとと港に行くのが忍びなく思えたのだ。旅の終わりがすぐそこにあるようで。


 妻に電話をして一言二言話をして苫小牧港に急いだ。
 3時半過ぎにフェリーターミナルに着いた。名古屋行きの9番目だった。2台前のKTM250が僕と同じ豊田ナンバーで、さすがに気になった。ライダーがいなかったので、そのまま手続きを済ませ、ターミナル2階のレストランで美味しいコーヒーを飲みながら目の前のこれから乗る「いしかり」と、乗船待ちのバイクを眺めていた。


 5時半、乗船準備。6時乗船。ドキドキするひとときだ。




 部屋に入ったらまずお風呂。出港前のお風呂はたいてい空いている。


 部屋に戻り、お湯を沸かしてカップのきつねうどんと助六で晩ごはん。出港時のレストランはだいたい満席になるので、太平洋フェリーで帰る時はいつもこうしている。安上がりだし。


 波はとても穏やかだった。緩やかな揺れを感じながらフェリーのカフェで飲むコーヒー、これも船旅の魅力の一つだと思う。ツーリング初日の月曜日、妻の生まれ故郷の美唄市我路を走ったことが頭に浮かんでいた。

※本日の走行      227km
※本日のヤエー      94発

 
<9月20日>
 1週間の北海道放浪の旅のソロツーリングを終えて、今日は一日中船上の人。
 目が覚めてカーテンを開けると、半島っぽい陸地が見えた。仙台到着予定が10時。牡鹿半島かなあ。
 8時のカフェ「ヨットクラブ」が開くのを待ち、ちょっと遅めの朝食にした。太平洋フェリー「ヨットクラブ」のモーニングセットは値段(650円)の割に充実していると思う。


 朝食の後は部屋でだらだら。
 定刻の10時にフェリーは仙台港に着いた。デッキに出て多賀城市街の風景を眺めて、また部屋でだらだら。
 12時50分発なので、お昼にまたデッキに出て乗船するバイクを上から見て過ごした。10台くらいかなあ。


 昼食もレストランに行かず、カフェでカレーライスとたまごスープ。カレーは「船のまかないカレー」の名で、美味しい肉がいっぱい入っていてうまい。しかもたったの520円。


 で、お昼ごはんを食べたらまた部屋でだらだら。
 しばらくして同じ太平洋フェリーの北行きの「きそ」とすれ違うというアナウンスがあった。ちょうど美味しいコーヒーを飲みたいと思っていたので、またまた「ヨットクラブ」へ行き、コーヒーを飲みながら窓の外をスマホのカメラを構えて見ていた。




 でかい、近い、ビックリ。波が穏やかなので、すぐ近くですれ違うことができるんだろうなあと思った。
 で、またまた部屋でだらだら。
 4時になって、だらだらにも飽きてきたので、お風呂に入りに行った。シャンプーをしてさっぱり。ドライヤーで髪を乾かしている時、「オレの髪、ずいぶん薄くなってきたなあ」と、鏡を見てなんか悲しくなった。前部から頭頂部にかけて、あと1、2年でたぶん禿げちゃいそう。何歳まで美容室に行けるのかなあと思いながら部屋に戻ってまたまただらだら。
 「だらだら」が何度出てくることか。同じことの繰り返しの一日だ。
 そもそも、コロナのせいで映画もピアノコンサートも、イベントも何もかも中止になっているので、だらだらの連続になるのだ。
 晩ごはんはレストランでちょっと贅沢に、と思っていたが、ディナーセットは肉系の重い料理だらけ。なんにもしてないから、体が肉料理を欲していない。で、またまたカフェ「ヨットクラブ」できつねうどんとサケのおにぎり。それで十分だった。


 で、部屋に戻ってまたまただらだら。
 そうだ、ブルゾンのインナーを外さなくちゃ。インナーを外せばメッシュの夏仕様になる。明日の名古屋は30℃になるそうだから、これを忘れたらサウナ状態で帰らなくてはならなくなってしまう。


 9時になって美味しいコーヒーが飲みたくなってまたまた「ヨットクラブ」。ちょっとショップを覗いて、土産っぽい小物を買って、またまた部屋でだらだら。


 まあ、僕にとって一大イベントの北海道ソロツーリングを終えた後なので、船上の人としてのだらだら生活は心と体の切り替えにはいいものだと思う。
 明日の10時半には、名古屋港に着く。それが、非日常から日常へと戻る瞬間なのだ。


<9月21日>
 太平洋フェリー「いしかり」の中で迎えた最後の朝、BSでエールを観て、カフェ「ヨットクラブ」で楽しみにしていた名古屋コーチン卵かけごはんで朝食。やっぱりうまい、名古屋コーチン。


 食べ終わると、窓の外に伊良湖岬が見えた。


 「いしかり」は伊勢湾に入ったということだ。旅の終わりが確実に迫っている。部屋の窓からはずっと知多半島が見えている。1時間ほどすると、中部国際空港が、それからしばらくして伊勢湾岸道路の名港トリトン。伊良湖岬を海から見たり、名港トリトンを真下から見たり、船旅ならではの景色を楽しんではいたものの、なんだかドキドキしてくる。バイクでフェリーを利用したことのある人なら分かると思うけど、下船が近づくとなぜか緊張してくる。




 フェリーは定刻より少し早く名古屋港に着き、着岸予定の10時30分には下船できていた。




 船から出て、荷物のパッキングをチェックし、伊勢湾岸名港中央インターから東海環状豊田松平インターまでビューン。予想に反してスイスイ走れて、家に着いたのは11時10分。
 こうして、僕の冒険の旅は終わった。1週間前の美唄、新十津川駅、朱鞠内湖がものすごく懐かしく感じる。家に着いて、お昼から荷物を片付けた。あっという間に全部片付いてしまった。こうして、一大イベントの北海道ソロツーリングは案外あっさりと終わっちゃうものなのです。
 総走行距離1871.3km。
 「行っといでよ」と言って送り出してくれた妻、そして妻と一緒に留守番をしてくれた母、それに旅で出会ったすべての人に感謝です。

※本日の走行      45km
※本日のヤエー      2発


<エピローグ>
 冒険から帰って一日経ち、走ったコースを紫色の線で地図に落としました。2017年からのコースに上書きしました。ここ4年だけでもずいぶん走ったものだ。北海道をバイクで走る。僕は完全に病みつきになっていて、もう四半世紀以上続けています。それでも飽きることがないくらいでっかい魅力を感じています。


 コースを地図(紫色のラインが今回のコース)に落とした後は、バイクの泥を落としました。どしゃ降りのキャンプ場なんかを走ったものですから、水をたっぷりかけて洗い流しました。


 一つ気になることが・・・左リアのウィンカーレンズの中に水滴が。そのうちに乾くだろうけど、気になるなあ。
 バイクをきれいにしたら、再び地図を広げて冒険の旅を振り返ってみました。
 苫小牧まで新日本海フェリーで行って、14日月曜日スタート。
14日(月)・・・苫小牧~支笏湖~美唄~新十津川~朱鞠内湖~美深(393km)
15日(火)・・・美深~興部~紋別~遠軽コスモス園~網走(304km)
16日(水)・・・網走から能取岬~能取湖サンゴソウ群生地~網走フロックス園~大空遅咲きヒマワリ園~大空メルヘンの丘~美幌峠~クッチャロ湖~硫黄山~摩周湖~知床ウトロ(277km)
17日(木)・・・ウトロ~オシンコシンの滝~天まで続く道~涛沸湖~層雲峡温泉~層雲峡キャンプ場(240km)
18日(金)・・・層雲峡キャンプ場~美瑛~青い池~富良野(201km)
19日(土)・・・富良野~富良野山部~夕張シューパロ湖~夕張~苫小牧(227km) 夕方の太平洋フェリーで名古屋港へ
 足の向くまま気の向くまま。
 あっという間の一週間だったなあ。

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2020北海道ソロツーリング道東 Vol.3

2020-11-02 15:52:12 | 2020北海道ソロツーリング道東
2020北海道ソロツーリング道東 Vol.3
   ~念願の能取湖のサンゴソウ群生地と季節の花巡り~

 前回は苫小牧から北を目指し、美深/名寄から東へと進路を変えて興部、紋別、遠軽を走って網走にたどり着きました。今回は念願の能取湖のサンゴソウ群生地などを巡り、知床ウトロ、西に向かって層雲峡へと向かいます。


<9月16日>
 北海道放浪ソロツーリング3日目。
 9時少し前に東横イン網走駅前を出て、まず向かったのは能取岬。多くのライダーはなぜか先っぽが好きで、ナントカ岬の文字に反応してしまう。
 広い草原に岩立った海岸、そして白い灯台。この雰囲気がいかにも北海道の岬って感じがしていい。


 そしていよいよ、今回のツーリング最大の目的地、能取湖のサンゴソウ群生地を目指した。中日新聞にはアッケシソウと書いてあったが、それは通称で正しくはサンゴソウ。中日系列の北海道新聞にも載っていたとのこと。たぶん北海道新聞の記事がそのまま中日新聞にも載っていたということだろう。








 朝の湖に柔らかな淡い赤色の絨毯。これはいいわあ。北海道にしか見られない植物で今の時期しか色づかない特別な風景が、今僕の目の前に広がっている。この風景を見ただけでも、今回のツーリングの価値は大きいと思えた。
 あらかじめチェックしておいた一足早い秋見つけの旅。1日目の朱鞠内湖の紅葉、2日目の遠軽のコスモス、そしてここ能取湖のサンゴソウ。その他にもあと二つチェックしてある。能取湖畔でしっかりと二度と見られないかもしれない紅の絨毯の風景を目に焼き付け、次の目的地に向かった。
 網走から西に向かい、台地へと登って行った。おおお~、大農場だあ。で、目的地は西網走のフロックス園。スマホのナビはこういう時に便利だ。知らない所、地図に載ってない所へ連れていってくれる。
 ナビに従ってアップダウンの台地を走ると「300m先、直進です」って、ダートじゃん。オフロード車じゃないけど行くしかないわな。500mほど走ると「次、右です」。げ--っ、狭い。しかも砂利が敷き詰めてある~。狭いダートを直角に曲がって300m。あった~。でも駐車場は柔らかダート。狭いダートで向きも変えられないから入るしかない。埋まる~。で、Uターン。埋まる~滑る~埋まる~滑る~の連続だったが、なんとかUターンに成功。草地にバイクを停めたが、かなり冷や汗モノだった。柔らかダートでUターンなんて車校で習ってないよ~、オレ車校行ってないんだった。


 バイクを停めて中に入ると花の世話をしていたおじさんが「今年はもうフロックス終わっちゃったよ。雨が少なかったからね」だって。なんと、ここに来る苦労が・・・。「でも、下の方に少し残ってるから見てって」。
 フロックスの花はまばらに咲いていたので、まあまあ見ることはできた。




 暑い~。見終わってハスカップアイスを買ったら、作業中のおばさんが「コーヒー飲むか」と声をかけてくれて、ちゃっかりいただいた。それを軽トラの三菱ミニキャブの上半分をちょん切った変なクルマの中でいただいた。なんだかおもしろかったね、日陰で涼しかったし。


 帰りのダートは恐る恐るではなくスロットルを開いてビューン。慣れって怖いね。
 次は大空町の遅咲きのヒマワリ。


 西網走から大空町への道はすごいよ~、知らなかったけど。波うった台地に広大な畑が広がり、それが黄色や緑、黄緑に刈り取った後の薄茶色と耕した後の濃い茶色と色分けされているものだから、美瑛のパッチワークの丘に匹敵する美しさ。今日もまた隠れた名所を見つけたような気がした。
 大空町のヒマワリ畑もとてもきれいだった。黄色が鮮やか。これで五つの課題を達成した。
1 朱鞠内湖の紅葉・・・残念ながらまだ早かった。
2 遠軽のコスモス・・・わず「すげぇ」と声が出てしまったほど素敵な風景だった。
3 能取湖のサンゴソウ・・・一見の価値あり。柔らかな紅の絨毯がいい感じ。
4 西網走のフロックス・・・少ししか残ってなかったよ~。でも、見られてよかった。
5 大空町の遅咲きヒマワリ・・・色鮮やかできれい~。
 ここからはほぼ普通の道東ツアー観光のようなコースになった。
 西網走から大空町の台地を下って、僕のお気に入りの女満別メルヘンの丘へ。畑に木が並んでいるだけなのだが、な~んかいいんだよなあ。大好きなんです、この景色。


 そして、すぐ近くの道の駅「メルヘンの丘めまんべつ」でお昼ご飯。網走湖と言えばシジミでしょう。なんだかめずらしそうな「しじ美パスタ」にしました。名前がいいね。


 それから一気に美幌峠へ。この峠も大好きなんです。屈斜路湖が見えた瞬間「ワアッ」っと声が出ちゃうくらいきれいな景色だ。峠から屈斜路湖を見下ろしながら食べる名物のあげいも。これがいいんだなあ。
もうすぐ峠という所で出発から1000kmになった。まるでアルプスのような景色の中で1000km到達だ。
 美幌峠ではもちろん湖を見下ろすことのできる岩の上に腰掛けて、名物のあげいもを食べた。これがやりたかった~。




 峠を下って屈斜路湖へ。屈斜路湖に生息すると言われる幻の恐竜(?)青いクッシーを見て、ちょっとだけ湖をながめて次は硫黄山。


 ここへ来ると、確かに地球は生きているを実感する。目の前の山肌から硫黄臭の水蒸気がもうもうと立ち登っている。そして、僕の目的はもう一つあるのだ。硫黄山の湯気で作ったゆで卵だ。なぜか美味しい気がするんですよ~。一袋5つ入り。その中の一つを駐車場で食べた。ちょっと恥ずかしかったけど、外で食べるのがうまいんだなあ。




 続いてお決まりの摩周湖へ。今回で9回目だが、これまで8勝0敗。一度も霧で湖が見えなかったことがない。駐車場のおじさんは、「霧で見えないことの方が多いよ。今日はよく見えていいよ」と言っていたけど、僕は「一度でいいから霧の摩周湖を見てみたい」かも。今回も摩周湖はちゃんと見えました。これで9連勝だ。今回もまた、霧の摩周湖を見られなかった。な~んてね。


 あとは100kmあまり先のウトロ「酋長の家」へ。R391から道道805号で清里までショートカット、斜里からはR334で一直線。だんだん日が落ちてきて、オシンコシンの滝の手前で日の入りの時刻になった。バイクを停め、オホーツクに沈む夕日を一人で眺めた。背中に哀愁が感じられたかも。とても美しい夕日だった。

「酋長の家」に着くと、女将さんが待っていてくれた。また会えたことがすごくうれしい。去年の夏と同じように美味しいアイヌの料理と鹿肉と毛ガニで晩ごはん。ただ、コロナ観戦予防のため、アイヌのお話しの時間はなくしているとのことだった。女将さんの話、楽しみにしてたんだけどなあ。


 生憎男湯が故障ということだったので、生まれて初めて女湯の温泉に入った。男一人の温泉だったけど、なんだか特別いい気持ちがしたね、女湯は。


 寝る前に、硫黄山のゆで卵を一つ。最高だね、北海道ツーリング。

※本日の走行    277km
※本日のヤエー    20発


<9月17日>
 月曜日に苫小牧をスタートしてもう4日目の木曜日だ。今日から冒険の旅の後半戦。気合いを入れて知床ウトロの「酋長の家」を出ようとした8時半、突然のどしゃ降り。これでは荷物も括れない。仕方がないので小雨になるのを待ち、9時を過ぎてようやく出発の準備を始めることができた。
 うれしいことに、パッキングが終わった時には雨は上がっていた。でも、念のためにカッパを着て、さらに初登場のブーツカバーなんかもしちゃったりして、少々大袈裟。まあ、これが大正解になるんだけど。




 知床峠に行くつもりだったが、山には雲がかかり、きっと何も見えない真っ白な世界だろうと思い、涛沸湖に向かうことにした。濤沸湖にはなんとなく幻想的なイメージがあって、今日のような真っ白な景色がよく似合うような気がした。こういう時、ソロっていいなと思う。自分のイメージで動けるから。
 知床峠に行くのをやめて時間ができたので寄るつもりのなかったオシンコシンの滝に寄ってみた。一応、有名な見所だから。それにしてもブーツカバー、歩くのにちょっと違和感があるわ。まあ、許容範囲だけど。


 ついでに天まで続く道にも寄ってみた。ここも一応話題の見所なので。ちゃんとした駐車場に、写真スポットの台なんかができててちょっとびっくりした。訪れる人が増えたんだなあ。去年も来ているので、ちょちょいと見て、斜里に向かった。予想に反して雨が降っていなかったので、天まで続く道で暑くて暑くてカッパの上着を脱いだのに、バツの悪いことにこういう時に限って雨が降ってくる。結局、道端にバイクを停めてカッパをまた着る羽目になった。


 道端でカッパを着てよかった。面倒だったけど、ブーツカバーの着けてよかった。雨足はどんどん強まってきた。雨はどんどんどんどんひどくなってきた。そのうちにシールド拭いっぱなしで走らなければ前がよく見えないほどの大雨になり、浜小清水まではどこがどこだか分からないまま走った。でも、シューズに水が溜まらない。ブーツカバー、いいわあ。
 おお-っと、涛沸湖へ行く道を通りすぎてしまった。雨の中、小清水原生花園の駐車場でUターンし、涛沸湖パーキングのある方向へと入右折した。
 濤沸湖を横切る橋のたもとがパーキングだった。
 濤沸湖を陸側から見ると、本当に静か~な湖だった。そして、地味~な湖だ。でも、なぜか好きなんだよね、僕。僕も同じ地味で静かな性格だからかなあ・・・と思ったり思わなかったり。


 どしゃ降りの雨が小雨になってきた。でも、カッパは脱がないぞ。橋の欄干に白い鳥がずら~っと並んでいる。ふと橋の北側に目をやると、ねずみ色のもこもこした雨雲が湖面に映っていた。どんよりとした湖面の湖しか見えなかったのが、写真に撮るとまるで雲海のように写っていた。濤沸湖は不思議な不思議な湖だ。
 濤沸湖の湖岸に沿った道を走っているうちに、雨は上がった。でも、路面は超ウェット。ブーツカバー様々です。それに国道から外れた広域農道、それまで見えなかった景色がきれい過ぎ。周囲が大農場の波うった直線路なので、ここもまるで美瑛。北海道は国道を外れると、こういうところがいっぱいだ。
 好きな道の一つ、道道102号を南下し、東藻琴に出た。
 ホクレンでバイクに燃料を入れ、道の駅「ノンキーランドひがしもこと」で自分に燃料を入れた。牛すじ卵とじ丼を注文して前を見ると、飛沫防止の衝立の向こう側に、紋別の道の駅で出会った東京のKTMライダーさんがステーキ定食を食べていた。北海道ツーリングあるあるだね、こういうことは。みんなだいたい同じような所を走っているんだよなあ。昨日はウトロに泊まったそうで、今日の午前中は雨で大変だったとのこと。だいたい同じじゃん。


 KYM氏と別れて、僕はひたすらバイクを西に進めた。R39に入り、北見の混雑を抜け、温根湯の道の駅「おんねゆ温泉」で小休止。宿を決めなくちゃ。
今晩から明日にかけて雨。明日は一日中雨。それでも1回くらいはキャンプしたい。で、層雲峡オートキャンプ場のバンガローを予約した。


 石北峠は走り甲斐があったね。北海道を走っているとタイヤが真ん中しか減らないのに、この峠はサイドも減るような中速コーナーの連続で、久しぶりにおもしろいコースを走った。実に愉快。
 層雲峡温泉街に入り、セコマで買い物をし、そこで日帰り入浴割引券をもらって、温泉に急いだ。


 層雲峡温泉・・・有名な温泉に入るって、なんかいいね。しかも大きくて立派な「ホテル大雪」の豪華な温泉。い~い気持ち。




 冷えた体をしっかりと温め、温泉街から10kmほどの所にある層雲峡オートキャンプ場へと向かった。17時20分、キャンプ場に着いた。


 指定されたバンガローまでバイクで乗り入れることができた。土が濡れて地面がどろどろだったので、比較的平ぺったい石を探してサイドステップの下に挟んだが、これが結構大変だった。荷物をバンガローの中に入れたら、晩ご飯の仕度に取りかかった。と言っても一人だからショボい献立だ。湯せんして食べる鶏釜飯、サンマの缶詰め、硫黄山のゆで卵、たまごスープ、青森りんご3切れパック、ヨーグルト。これが僕の晩ご飯のすべて。並べてみたら結構豪華な献立だ。




 夜食にソーセージをストーブで炙って食べようと思ったけど、こんがりと焼くことはできそうもなかった。このソーセージ、生でも食べられるのかなあ。不安に思った僕は、包装パックを写真に撮り、妻にメールで送って聞いてみた。「生でも食べられるよ。そんなことも知らなかったの?」のメール。僕、「×××・・・」。

 晩ご飯の最後はカップのインスタントコーヒー。それにしても、この献立って、料理とは言わないね、僕がやったことって湯を沸かしただけだもん。
 これが、今回のツーリングで、最初で最後のキャンプかもしれないなあ。明日の天気も朝からまた雨だし、明後日は船の中・・・。
 変なキャンプでも思い出に残るキャンプになりそう。でも、明日の朝が大変だなあ。

※本日の走行    240km
※本日のヤエー    10発


 次回は土砂降りの雨の中、美瑛・富良野方面に戻り、最終日は夕張を通って苫小牧港に向かいます。

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2020北海道ソロツーリング道東 Vol.2

2020-10-26 17:44:51 | 2020北海道ソロツーリング道東
2020北海道ソロツーリング道東 Vol.2
   ~北へ北へ、そして東へ東へ、自由だなあ~


 前回は荒波の新日本海フェリーで北海道に上陸しました。今回はいよいよ北海道ソロツーリングの本当のスタートです。

<9月14日>
 バイクで走るってなんて楽しいんだろう。それが北海道だったらいつまで走っても走り足りないくらいだ。そう思うような一日だった気がする。走りに走って393km。あっちこっち寄ってこんなに走ったのはいつ以来だろう。歳をとっても楽しくてたまらない。


 8時40分に東横イン苫小牧駅前を出て、朝のラッシュを避けて森の中の一本道のR276へ。そうして行ったのが支笏湖だ。そこには僕の好きな場所がある。R453に入って湖の北岸を走ると、湖面と道路がすぐ近くになる所がある。この日は生憎空はどんよりと曇り、無彩色の地味な色彩の景色だったが、それでも支笏湖は十分美しく見えた。


 そのまま札幌方面へとバイクを進めると、かなりハードな峠道。しだいに雨もポツポツ降り出した。路面はすでにウェットになっていたので迷わずカッパを着た。
 それにしてもクルマのペースの速いこと。離されるのもシャクなのでおのずと気合いの走りになる。さすがにウェット路面の下り坂は怖い。途中で恵庭方面に折れると、道道117は緩やかな峠道になり、クルマもいなくなってほっとしたね。ナントカの滝がいくつかあって、気になったので一か所だけバイクを停めて見に行ったが、よく分からないのでそのまま走り続けた。断崖と谷の連続でいい感じの道だったが、滝や湖があるにもかかわらず走り続けてしまい、ちょっともったいなかった気もした。
 恵庭で燃料を入れ、道央道恵庭ICから一気に美唄ICへ。何度も利用している区間だが、いつもながら江別から岩見沢辺りまでは吹きっさらしの大平原の中を走り、横風の強いこと。でも、大平原の中を走るのは気持ちがいい。内地の高速道路ではこの気持ちよさは経験できない。
 美唄ICで高速を降り、炭鉱町跡のある美唄市我路へ行ってみた。留守番している妻の生まれた町なのでなぜか外せない。写真を撮ってメールで送り、西に向かって宮島沼へ。


 美唄市の西部は麦畑が見渡す限り広がっていた。おおお~っ、すごすぎる~。金色の世界だ。宮島沼は工事中で見られなかったが、広大な麦畑の金色の世界を見て満足満足。


 すぐ近くに、今年の5月に廃線となったJR札沼線の石狩月形駅があるはずだ。隠れ乗り鉄の僕は、ちょっと寄ってみることにした。古い駅舎のモノクロ写真が好きで、せっかく来たのだから撮ってみようと、スマホのナビに従って行ってみた。あれっ、廃線になった割には人が何人もいる。それに、駅舎はそれほど古そうにも見えなかったので、石狩月形駅をパスしてR375を北に向けて走った。
 道の駅つるぬまに寄って蕎麦で昼食を済ませ、ついでに、今日の宿、びふか温泉を予約した。朝からどこへ行っても雨が降ったりやんだりの天気なので既にキャンプは諦めていから、こうして宿が決まると一安心だ。そして、再びバイクに跨がり、次の目的地の新十津川駅に向かった。




 新十津川駅は札沼線の終着駅で、どうしても写真を撮ってモノクロ加工をしてみたかった。駅舎はレトロっぽいいい雰囲気の駅舎だ。廃線駅にたたずむオレ。こういうのを撮ってみたかった。三脚を立てて構図をよく考えて、渾身の一枚を撮ってみたものの、どうもイマイチだなあ。


 次は朱鞠内湖の紅葉だ。R275を北上するつもりが、意に反してナビが勝手に高速へ誘導するので、滝川ICから秩父別ICまでビューン。沼田から再びR275に入ると、直線と高速コーナーだけのいかにも北海道のローカル国道。ちょっと気を許すと3桁km。意識的にスロットルを緩めることしばしば。


赤っぽい色の蕎麦畑、黄色のとうきび畑、薄緑色の牧草ロールの牧場、黄緑色の草原に時々真緑の林、しかも、その全てがスケールがでかい。幌加内の道の駅でトイレ休憩をとってさらに北へ。
 朱鞠内湖に着くと、キャンプ場方面へと向かった。すると展望台の看板を見つけたので行ってみるとダムがあった。「静かな湖畔の森のかげから」の歌が聞こえてきそうなたたずまいの風景が広がっていた。実は僕、朱鞠内湖の大きい湖なのにひっそりとした雰囲気が大好きなのです。


 時計を見ると4時半を回っていた。そのままR275の森の中の道を気持ちよく走って美深町に出て、R40でびふか温泉に向かった。
 びふか温泉は先月のレンタルバイク弾丸ツーリングでも、去年の弾丸ツーリングでもお世話になっている旅館で、これまでに何度も利用しているのでなんだか心から安心できる。




 晩ごはんは美味しいジンギスカン。食後はのんびりとつるっつるの温泉に入ってほんわかとした気分になり、い~い気持ち。好きなバイクで好きな北海道を一日で400km近くも走り、今年の夏休みも天国ですよ~。

※本日の走行    393km
※本日のヤエー     7発


<9月15日>
 さあ困った。今日のコースだ。
 道北美深町まで来て宗谷を目指さない手はない。いや、今回は今の時期しか見られない道東能取湖のサンゴソウの群生を見るのが目的。そもそも初日に調子に乗って400kmも走って無駄に北の方まで来ただけじゃないか。いや、宗谷まであとちょっとだし。
 朝から迷いに迷って、東に向かうことにした。


 9時少し前に美深温泉を出て、名寄まで戻ってR239でオホーツク側の興部を目指した。相変わらず広大な畑の中の一本道と森の中の一本道が続く。峠道に入ってついに遭遇しました。エゾシカです。これはうれしくなってくる。
 デコッパチのような形の岩山がやたら気になった。こんな変な形の岩山は内地ではなかなか見られない。


 定休日の西興部の道の駅でトイレ休憩。さらに東に向かうと「万里の長城」の案内標識を発見。矢印に従って走ると・・・あった~。長さ(距離)は2km・・・だって?それって半里の長城じゃん。それでも、小規模な長城だけど確かに城壁が長い。


 興部に出たら道の駅でオコッペアイスだ。ハスカップ味がうまい。ただ、名前が興部のアイスで「オコッペアイス」。そのまんまなのがちょっと残念。


 それからオホーツク海沿いに南下し、紋別へ。紋別には先月妻と一緒に来たばかりだ。2か月連続で「なんだコレ」のカニのオブジェには行かないぞ-と思って走っていたが、国道から目立つんだよね、あの巨大なカニのはさみ。行っちゃいましたよ~。


 やっぱりおもしろいわあ。絶好の写真スポットだなあ。


 お昼近くになっていたので、道の駅に入った。ん?オホーツク紋別のホワイトカレー?
 カレーライスは大好物だけど、白いのは・・・。でも、話の種にと試しに注文しました。おおおっ、ルーが白いのは想像どおりなのだが、ホタテやカニのトッピングに加え、ど真ん中にカニのはさみが立ってる。変なモニュメントとおんなじだ。味は、白いけどちゃんとカレーの味だった。


 道の駅を出て、野鳥が多く飛来するというコムケ湖に行ってみたけど、野鳥は1羽もいない。


まあいいかと思い、地図を広げてキャンプ場探し。その前に天気をスマホでチェックすると、9時から1時まで雨90%、朝5時から8時まで雨90%。これではテントはベタンコになってしまい、撤収もできないじゃん。仕方がないから網走の東横インを予約した。昔みたいに情報が簡単に得られず、キャンプ場でびしょ濡れになった頃が懐かしい。懐かしいけど、そんなのイヤだ。
 その後、そのまま国道を南下し、湧別から内陸へ。遠軽のコスモス園を目指した。
 目的のコスモス園が目に入った瞬間、メットの中で「すげぇ」と思わず声をあげてしった。見渡す限りコスモスコスモスコスモス。




 バイクを停めて妻にメールと写真を送ったところへジクサーが隣にやってきた。和歌山の学生で北海道17日目とのこと。一緒にコスモス園に入り、ツーリングに出て初めていっぱい話をした。ソロツーリングって、ほとんど無言の旅なんだよなあ。ジクサー氏の人柄はとてもいい感じで、楽しいひとときを過ごすことができた。




 見渡す限りのコスモスの花花花の景色をしっかりと目に焼き付け、コスモス園を出て彼と別れた後、R333と道道7号で網走街道R238に出ようとしたが、「岐阜」の地名が目につき、なんとなく勤務地と同じ地名に惹かれ、幹線15号という農道に入ってみた。すると、直線のアップダウンが強烈で美瑛のジェットコースターの道に匹敵するくらいの豪快な道だった。北海道には「名も無いスゴイ」がいっぱいある。


 道東の「岐阜」方面に右折するととうきび畑、とうきび畑、とうきび畑。刈り取られたとうきびの入った大きな真四角の箱もごろごろ。すごい景色を見ちゃった気がした。
 R238に入った時には日も陰ってきて、寒い~。グリップヒーターONで網走の東横インまで走った。
 晩ごはんはセコマの牛しゃぶ丼。食後のコーヒーは北海道のジョージア。これで十分!


 明日は、道東に来たら必ずお世話になることにしているウトロの「酋長の家」に泊まることにしている。女将さんのアイヌのお話をお聞きするのが楽しみだ。

※本日の走行    304km
※本日のヤエー     6発


 次回は念願の能取湖のサンゴソウ群生地などを巡り、道東の季節の花を楽しみます。

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2020北海道ソロツーリング道東 Vol.1

2020-10-20 23:28:08 | 2020北海道ソロツーリング道東
 北へ行こうか南に行こうか。北海道ツーリングに出るときは、いつもこれで悩む。出発するまで、時には北海道に着いてもどちらに行こうか迷うことがある。
 出発する1週間ほど前の中日新聞に能取湖のアッケシソウの群生が見頃を迎えているという記事を目にした。淡い赤色の柔らかい絨毯のような風景の写真に心惹かれるものを感じた。アッケシソウ(サンゴソウ)は北海道でしか見られない植物で、赤く色づくのは今の季節だけ。これは外せないなあと思った。となれば、道東を目指すことにするしかない。でも、去年妻と2台で走ったのが道東だったし、8月のレンタルバイクツーリングの時も宗谷・猿払が豪雨と暴風のため非難指示が出てしまい、北に行けなかったのでそのリベンジもしたい。そして、出た答えが「やっぱりアッケシソウでしょう」ということで、迷いはあるものの一応道東を目指すことにはした。

 ※とても長いレポートになりそうなので、4回に分けて投稿します。まずは書き上げた分の「2020北海道ソロツーリング道東 Vol.1」です。

2020北海道ソロツーリング道東 Vol.1
   ~荒波の新日本海フェリーで苫小牧へ~


<9月12日>
 今年はコロナのせいで9月中旬という遅い時期に1週間の夏休みが取れることになった。1週間休みが取れれば、計画するのは北海道ツーリングでしょう。そこで、土曜日の夜のフェリーでどこを目指すか迷ったままの放浪の旅に出た。


 午前中は歯医者さんに行ったり。高齢でクルマを降りることにした義父のクルマの廃車手続きに行ったりし、午後2時45分、妻と母に見送られて敦賀に向けて出発した。
 たった一人だけでバイクで北海道。相棒はNinja650。明るいうちに敦賀に着くことのできる午後3時頃を出発の時間としていたが、その時間が近づくにつれて、なんだか怖くなってきた。歳のせいか体調が気になったり、いろいろ不安が頭をよぎるようになる。
 家を出て、近くのスタンドで燃料を満タンにした。そして、豊田の市街地を西に抜けて行く。30分ほどで東名三好ICに入った。
 一気に時速100km+ちょっとに。調子出てきたあ。
 快調な速度で東名から名神に入る。遠距離通勤の僕にとっては、一宮JCTまではいつもの通勤道路だ。でも、こうして荷物満載のNinja650で走ると気分は最高。養老SAで一休みと思っていたが、あまりにも高速走行が気持ちよくて通過だ。さすがに少しは休憩を入れなくちゃと思い、伊吹PAで小休止した。ぜんぜん疲れていないので、ペットボトルのコーヒーを一口二口飲んで、すぐにピットアウト。
 米原JCTから北陸道に入ると北海道を彷彿させる景色になってくる。出発前に「怖い」と思ってたのに、走り出したらなぜか平っちゃらになってきた。
 敦賀ICを出てR8に入ればすぐに敦賀港フェリーターミナルだ。


 着いたのは5時10分。早すぎる。なんと言っても、僕が乗る船は23時55分発なのだから。ろ、ろ、6時間半もある~。
 でも僕は、フェリーターミナルの雰囲気、好きなのです。だから6時間でも飽きずに待てる。
 手続きのはじめは体温チェック。気分が高揚しているからひょっとして・・・大丈夫だった。
 僕の前にいたライダーは三人組とソロライダーだけだった。
 しばらくして、神戸ナンバーのNinja1000がやってきた。少し話をして、彼は出発カウンターへ、僕は晩ごはん。


 カフェのカウンターで醤油ラーメンとミニソースカツ丼のセットを食べた。以前あったイクラ丼とうどんのセットがおいしかったのになあなんて思ったりしながら食べたけど、おいしさは普通のおいしさ。
 いつの間にか三人組も神戸のNinjaもいなくなっていた。たぶん敦賀市街へ食事に行ったと思う。


 それからは、妻や親友のT先生とMessengerのやりとり。とにかく暇~。
 20時30分にでっかい船がゆ~っくりと入港してきた。目の前には大きな船。いい雰囲気じゃないですか。
 乗用車に続いて次から次へとバイクが船から出てきた。素敵な旅を終えて帰ってきたんだろうなあ。その数・・・ん?たったの19台でした。9月中旬になるとそんなもんかなあ。
 まだあと1時間くらい夜のフェリーターミナルの雰囲気を楽しむことになる。
 北海道・・・数日前から、中日新聞に載っていた能取湖のアッケシソウ群生地の写真を見てわくわくしていた。今の季節しか見られない赤い絨毯。ネットには朱鞠内湖の紅葉も。一足早い秋を楽しむことができる旅になるぞ、きっと。
 の~んびりと北の大地のスケールのでっかい秋を味わう旅・・・そんな感じになるのかなあなんて想像しながらfacebookを更新してた。そうこうしているうちに、いつの間にかバイクが並べられていてポールポジションのつもりが最後尾スタート。移動の放送、あったのかなあ。まあいいか、後ろにせかされずに乗れるから。


 23時45分乗船。フェリーにバイクを載せる時は、いつもながら緊張する。それでも空いていたから楽々駐車。一日分のお泊まりセットとタンクバッグとヘルメットを持って、予約しておいたステートAの5004の部屋へ行き、予定どおり短パンとTシャツ姿になって風呂に行った。一番風呂だあ。ふう~~~。


 フェリーは定刻23時55分、僕が風呂に入っているうちに出港した。風呂から上がって北海道限定ガラナを飲んでベッドに入る。僕、ガラナ好きなんです。
 なんかよく揺れるなあと思っているうちに夢の中に入った。

        ※ 本日の走行   154km
        ※ 本日のヤエー    2発


<9月13日>
 朝8時起床。ぶらっとレストランに行ったらめちゃ空き。モーニングの洋風プレートを注文したらこれがまたうまい。コロナでメニューが変わったけど、これはいいわあ。


 朝ご飯は済ませたものの、コロナのせいでイベントは全てなくなってしまったため、とにかく暇。ロビーにもあまり人は出ていないし、やっぱりみんな密を避けているんだろうなあ。部屋から出てこない。
 カフェでコーヒーを飲んだだけで、仕方がないから僕も部屋にとじ込もっていた。それにしても今回はよく揺れる。横になっていると、頭が上になったり下になったり、これ気持ち悪いわ。


 お昼は僕の定番のカレー。これもまたうまかった。ちょうどいい辛めのルーに存在感のあるビーフ。気に入っちゃいました。


 それからまたまた暇。午前中と同じように地図を見ながらカフェでコーヒーを飲んだだけであとはほとんど部屋でごろごろ。スマホは通じないし、とにかく退屈退屈。


 それにしてもますます揺れが大きくなってきた。船長のアナウンスで「只今佐渡沖、波が2mから3mで揺れが大きくなっています。太平洋は5mほどですからより大きな揺れが予想されます」とのこと。


 新日本海フェリー北行きは、午後4時頃に露天風呂に入ると目の前に津軽半島龍飛崎が見える。ますます揺れが大きくなってきた午後4時、津軽半島を見ながら露天風呂なんて最高だよなあと思って風呂に行った。シャンプーしてさっぱりして露天風呂へ。うわあ~、扉を開けた瞬間、波しぶきだか雨なのか真横から吹き付けてくるわ、お湯は大きく波打ってるわ、龍飛崎どころではなかった。すぐに内湯にもどってフー。
 最後にもう一度露天風呂に行ってみたが、やっぱりとても入れる状態ではなかった。
 また部屋に戻ってテレビを観ていたが、揺れが尋常ではない。頭が上になったり下になったりの大きな横揺れに激しい上下の揺れ。感覚的には1mくらいの上下の揺れなのでだんだん気持ちが悪くなってきた。まっすぐ歩けない。
 そうこうしているうちに夕食の時間になった。気持ちが悪いけど、ここでしか食べられないから食べなくちゃ。それに、メニューにある名寄ジンギスカン定食が食べたかった。
 上下に大きく揺れながらのジンギスカン。うまい・・・気はしましたが、気持ちよく食べることはできなかったなあ。
 アナウンスでは苫小牧の天気は雨で気温は15℃。雨も、それくらいの気温は想定内だ。ただ、これに強風が加わったらイヤだなあと思いながら、ブルゾンにインナーを取り付けて秋仕様にした。寒さ対策のトレーナーと雨対策のカッパを用意して下船準備オーケー。
 なぜか突然今までの揺れが嘘のように揺れなくなりました。苫小牧東港に入ったということだろう。
 いよいよ下船だ。ん?予定より20分くらい早いけどどういうことなんだろう。それにしても何度フェリーに乗っても乗船と下船はドキドキする。これって、弱虫の僕だけかなあ。


 甲板でカッパを着て、係の人の指示を待った。
 いざ外に出ると、雨は小雨で視界は良好。厚真ICから高速に入るとしだいに雨もやみ、時速100km走行で苫小牧市街に入ることができた。暗闇の中をまっすぐにまっすぐに走る。これが北海道だ。「オレ今、北海道を走ってる~」そんな思いで沼ノ端東ICを目指した。それにしても、インターを降りてからも周りのクルマのペースの速いこと。


 予約しておいた東横インはJR苫小牧駅のすぐ近くにある。道に迷っても、駅に向かって走ればいいから便利だ。そういう理由でこれまでも利用しているから、暗い夜でも迷うことはなかった。そうして、ホテルに着いたのは9時ちょっと過ぎ。予定よりずいぶん早い到着にほっとした。留守番の妻に到着の連絡を入れて、部屋でツーリングマップルを広げてコーヒーを1杯。これで今年の北海道ソロツーリングのスタートラインについた。ただ、明日も天気予報では雨。それでも、僕は雨の北海道ツーリングも悪いものじゃないと思ってる。雨も北海道の自然だよ。そう思うと、ワクワクしてくる。

        ※本日の走行      30km
        ※本日のヤエー      0発


 次回はいよいよ北海道ソロツーリングの本当のスタートです。北海道1日目は北へ北へと走ります。
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