8月25日から9月2日まで北海道(道南)ツーリングの記録です。その前後も含め、かなりの長文になっています。前編と後編とに分けて掲載します。
一気に読んでくれる人も、少しずつ分けて読んでくれる人も、さらっと流して読んでくれる人も、大歓迎です。
初めて北海道をバイクで走ったのが平成元年の夏。あれから30年、これまで何回北海道に行ったことだろう。しかし、道南渡島半島だけはまだ一度も行ったことがない。初上陸30年目の節目として、今回は渡島半島を一周しようと妻と話し合った。出発は8月24日深夜、25日0時30分発の新日本海フェリーだ。前日の23日に19号と20号のアベック台風が北に抜け、出発当日は台風一過の晴天。荷物を2台のバイクにくくりつけ、出発の時間を待った。相棒はNinja650と妻のVTR250F。ともに乗車姿勢の緩やかな乗りやすいバイクだ。
出発予定の8月24日午後3時過ぎ、1本の電話が・・・。
準備完了。敦賀港に向けてシュッパーツ!
ブルゾンを着て、ヘルメットを持って、ブーツを履こうとしたまさにその時、電話の音がした。新日本海フェリーから、台風20号の影響で敦賀港発苫小牧東港行きのフェリーが欠航になったとの連絡だった。
ガーン!
まあ、家を出るギリギリ直前でよかったのかなあ。
それで、翌日の深夜23:50舞鶴発小樽行きのフェリーを取ることができた。でも、舞鶴ってメッチャ遠いじゃん。それに、台風のせいで北海道滞在が一日減ったじゃんか。
それから苫小牧のホテルをキャンセルしたり翌日の小樽のホテルを探したりしてちょっとバタバタしたが、それでもなんとか一日遅れで行くことができる。
しかたがないか、台風だもん。
<8月25日> 1日遅れの出発 〇豊田~舞鶴(フェリー泊)
改めてバイクのパッキングを済ませ、午後0時ちょうどに家を出た。とにかく暑い。家から東名三好ICまでの信号待ちでは、停まるたびに汗が吹き出してくる。しかも、こういう時に限って信号運が悪い気がする。
走り出して40分。守山PAで昼食にした。う~ん、迷った末に名古屋らしく豚汁きしめんにした。しばらく愛知を離れるから、かな。
走っている時は暑さを忘れられる。高速道路は停まることがないから快適だ。しかし、産業道路化した名神高速はおもしろくはない。
淡々と走り続けて約100km。東名~名神から米原JCTで北陸道へ分岐し、賤ヶ岳SAで一休み。あっつい。暑いなんてもんじゃないよ。コーヒー休憩と思ってSAに入ったけど、一番に目に飛び込んできたのがかき氷。この暑さ、アイスコーヒーよりかき氷でしょう、ということで、僕は大好きなメロンで妻はなぜかレモン。イチゴにすれば、カワサキカラーとホンダカラーでそれぞれのバイクと同じになってたのにね。
バイク駐車場の隣のEV充電器の日陰でかき氷を食べた。これがまたうまい。で、べろがすっかりカワサキのライムグリーンになった。
そしてまた、汗を拭き拭きSAを出ようとすると、妻が「ガソリン入れとこ」という提案。SAのガソリンは高いけど入る量は少ないし、北海道に上陸してからもしばらくは安心だ。
給油を終え賤ヶ岳SAを出て、敦賀JCTから舞鶴若狭道へ。いつの間にか敦賀まで全線開通してたんだ。交通量は少なく走りやすいがペースが速い。気持ちはいいけど舞鶴に早く着きすぎてしまうんだな、これが。舞鶴東ICに近い加斗PAで最後の休憩兼時間調整。でも、トイレ以外になにもないPAなので時間調整にならない。日陰もなくてただ暑いだけなので、すぐに舞鶴港を目指すことにした。このペースだと5時頃に着いてしまう。
加斗PAを出て20kmほどで舞鶴東IC。30年くらい前に兵庫県加東に住んでいた頃よくツーリングに来たなつかしい道を走って舞鶴港にたどり着いた。着いたのは見立てどおりの午後5時ちょうどだった。フェリーの出航は11時50分。退屈な時間の始まりだ。もちろん、バイク一番乗りだった。
受付で手続きを済ますと、7時に乗船口に移動、11時に乗船とのことだった。食事のできるカフェは7時からで、まずは今から1時間半をどう過ごすかが問題だった。でも、ロビーでテレビを観てたらいつの間にか寝てしまった。先月冠動脈の手術を受けたばかりで体調が心配だったが、いまのところなんともない。でも、やっぱり久しぶりの長時間のライディングで実際には疲れたのかもしれない。
7時にバイクを乗船口に移動させるともちろんポールポジション。ちょっと緊張する。
ターミナルに戻って晩ごはんだ。妻は限定のあじフライセット、僕はなぜかラーメンが食べたくてしょうゆラーメンと小チャーハンのセット。ありがたいことに、注文から出てくるまでにかなり時間がかかった。普通ならイラつくところだが、今は時間を使いたいところ。しかもスッゴいうまいラーメンだったし、妻のあじフライも一口もらったらうまかった。舞鶴港のフェリーターミナルの食事はオススメかも。
それからの2時間が大変だった。もう眠たくなくなってるし、やることはないし。スマホの電池もほとんどなくなってるから遊べない。退屈~と思いながら過ごした。
乗船20分前の10時40分にバイクのところに戻り、一番前で乗船を待った。フェリ乗船に苦手意識を持っている妻はかなり緊張している。いくら苦手でも、こればかりは自分で運転して乗船するしかないのだ。そして10分遅れで乗船一番乗り。
一日分のお泊まりセットとヘルメットだけを持って指定の616号室へ。グレードはデラックスA。昨日欠航になったフェリーはベーシックな部屋を予約してたが、旅程が一日減ったので、その分その分ちょっと贅沢してデラックスAにグレードアップしたのだ。もちろん初めて。
昨日の舞鶴発の便も敦賀発の便も欠航になったせいか、乗客はすごく多い。まずはお風呂ということで大風呂に行ったらものすごく混んでいた。デラックスAはバス付きの部屋だが、混んでいてもやっぱり大風呂の方が体が休まるような気がする。
日本海の北の方に二つの台風くずれの移動性低気圧があるため海は荒れていた。いつもより揺れは大きい。午前1時、よく揺れるなあと思っているうちに眠りに就いた。
*本日の走行 231km
*本日のピースサイン 3発
<8月26日> 小樽上陸 〇舞鶴~小樽(小樽ゲストハウス泊)
今日は一日フェリー暮らし。
台風くずれの温低の影響でよく揺れる。それでもしっかり熟睡し、目覚めたのは7時10分。8時のレストラン開店に合わせて朝食を取り、その後は部屋でごろごろしていた。やることがないのだ。
10時からビンゴゲームに参加したけど、僕も妻もさっぱりだった。4年前に1等賞になって2000円券をゲットして太っ腹になったのは夢のまた夢。その後もよく当たったんだけどなあ。
お昼はレストランが混んでいたので自販機のニチレイの焼おにぎりとハンバーガーを買って二人で分けて簡単に済ませた。何もしてないから腹も減らない。
デラックスAの部屋には贅沢にもデッキテラスがついている。これがまた気持ちがいい。青い空に大海原。潮風にあたってコーヒータイム。極楽極楽。またまたうだうだと過ごして4時になったら大浴場へ。おおおっ、大陸が見える。もう北海道の南西まで来ているんだ。
晩ごはんは、ずっと前から決めておいたホエー豚のジンギスカン風。去年の新日本海フェリーで行きも帰りもこれを食べてすっかりお気に入りになっている。去年よりちょっと味が薄めかなあなんて思ったりして少しだけしょうゆを垂らしたらやっぱりうまい。たぶん帰りの便でも食べるんだろうなあ。
晩ごはんが終わったらいよいよ下船の準備だ。わくわくどきどきの時間帯・・・。なぜか落ち着かないひとときだ。
予定より少し遅れて9時過ぎにフェリーから出た。北海道上陸だ。あれっ、雨が降ってるよ~。それも霧雨でヘルメットのシールドに点々と細かな雨粒がついて前が見えにくくなる。ただでさえ小樽の街のどこを走っているのかよく分からないのに前が見えないから困ったもんだ。
スマホのナビを予約した小樽ゲストハウスに設定し、ナビに従って走ると、坂路発進だらけ。インカムで妻の悲鳴がたびたび飛んでくる。雨の中、どこをどう走ったかよく分からなかったけどとにかくなんとか山の中腹の宿にたどり着くことができた。ホントめでたしめでたしって感じだった。これでいよいよ明日から北海道ツーリングのスタートだ。今日はぐっすり寝ておこう。・・・って、今日は一日中ごろごろしてたじゃん。
*本日の走行 8km
*本日のピースサイン 0発
<8月27日> 積丹半島を1周 〇小樽~せたな町(せたなのキャンプ場泊)
曇り後晴れのはずが、外は雨。しばらく部屋でだらだらしてたけど、9時になっても雨がやまないので出発することにした。それでも、パッキングしているうちに雨が上がり、かっぱを着ることもなく小樽ゲストハウスを出ることができた。
平日のR5は 混んでいた。それでも余市でR229に入ると徐々に交通量は減り、ようやくほんの少し北海道らしい雰囲気を感じながら走ることができるようになった。R229を離れ、道道913に入ると、森と集落の間を走る道。道東と道北ばかり走っていた僕は、なんだか集落と集落の間が短く、今ひとつ北海道らしさが足りないなあと思いながら走っていた。そもそも積丹岬にい行くみちに集落がいくつもあることに疑問を感じ始め、「道、間違えたかもしれん」なんて思ったりもした。そのうちに雨粒がポツリポツリ。
かっぱを着る時に、ツーリングマップルで確かめてみたが、地図上に記されている道なんて、この913しかない。間違える道さえないから、合っているはず。積丹岬に着いた時には誰も走っていない占有道路に近い状態になっていた。さすがにここまで着て「これぞ北海道、前にも後ろにも何一つ走ってない」と、ようやく北海道を実感できた。
雨は上がっていた。薄い雲が低くたちこめていたため積丹岬から眺める海の景色は積丹ブルーとは言えないまでも、それでも澄みきった海はとてもきれいだった。青空が広がっていたらどんなにきれいだろう。
積丹半島を反時計回りに回って、神威岬へ。ちょうどお昼だったのでシーフードカレーで昼食にした。コレがまたシーフードだらけでうまい。
そのままぐるっと回って神恵内の道の駅「オスコイかもえない」で日本海を眺め、岩内の道の駅「いわない」でコーヒータイム。さらにR229を日本海に沿って走り、寿都の道の駅「みなとま~寿都」でもスタンプをゲットし、島牧村の道の駅「よってけ島牧」で一休み。
ここで、今夜の宿を二人で相談した。地図を見るとせたな町にしかキャンプ場が見当たらない。電話をすると「空いてますよ。5時頃まで受け付けをやってますから。閉まっていたら、朝受付を済ませてください」との返事。さっそく予約をしてさらに南へと向かった。問題は受付時間に間に合うかということだった。朝でもいいとは言われても、どこにテントを張ればいいのか分からないし。とにかく安全な範囲内でのハイペースで走った。それでも、せたな町との町境辺りの長いトンネルの中で速度メーター脇のデジタル時計が「17:00」になってしまった。どんよりとした空はいつの間にか空は青空になり、海の青さが美しすぎ~。R229はずうっとずうっといい気持ち。
5時14分、せたな青少年旅行村キャンプ場に着いた。5時頃と言っていた受付は実際には5時15分までだったのでギリギリセーフだった。
広~い広~いキャンプ場で、テントは僕たちだけ。遠く離れたコテージに家族連れがいただけで、ほとんど独り占めだった。
晩ごはんは、温めるだけの五目ご飯に、鍋。鍋と言っても、セコマで買ったカット野菜とうどん1玉をコンソメで味付けしただけだが、なんと、これがめっちゃうまくできて大満足。
でも、イヤなことが一つあった。走行中にバイクのバッテリーで充電していたはずのスマホがなぜかバッテリー0になっていた。これには焦った。焦ったが、仕方がない。明日も充電しながら走ればいいかと思い、寝ることにした。ちょうどいい気温で、布っきれ一枚のテントがホテルなみの快適さになり、熟睡。
*本日の走行 241km
*本日のピースサイン 14発
<8月28日> 絶景、絶景、空腹 〇せたな町~函館(ホテル泊)
よ~く寝た。今日もいい天気だ。キャンプ場の朝は爽やかでいい。
キャンプの朝ごはんはいつもパンとスープ。お湯を沸かすだけでできる。
9時半、せたなのキャンプ場を出て、再び渡島半島の西海岸を南下。
またまた道の駅巡りだ。道の駅てっくいランド大成で那須ナンバーのVストローム氏としばらく談笑。この時期の道南はライダーとほとんど出会わないので、お互いうれしかったように思えた。
てっくいランド大成を出てしばらくすると、おおお、なさに熊だ。海岸に突き出た親子熊岩は、まるで親熊が子熊を抱えている姿そのもの。しばらく見入ってしまった。その親子熊岩、この地では古くから大きな影響力があったとみえて、その先々の地名が「熊石××」が延々と続いていた。
道の駅ルート299元和台からの景色は超絶景だった。北海道の海と海岸は本当に美しい。
江差を過ぎた辺りでお昼になり、道の駅上ノ国もんじゅでお昼ご飯にしようとしたら・・・、ガーン!
レストランは臨時休業。どこかで食べればいいや、そう思って道の駅を出たけど、通称追分ソーランラインはどれだけ走ってもなんにもない。景色だけは絶景続き。きれい過ぎて空腹を忘れかけてしまいそうだったが、絶景でお腹は満たされない。松前にたどり着いたのは2時過ぎ。道の駅北前船松前では食事系のメニューはすべて売り切れだった。串カツやらメンチカツやらおやつっぽいのを適当に食べ、お昼代わりにした。
せっかくだから松前城に行ってみた。小さなお城だが、最北端の城ということと、防御がすべて海を向いていたことに感動した。
次に向かったのが木古内だったが、途中の道の駅しりうちでおもしろいものを見た。新幹線青函トンネルの出口だ。入り口かも。それが見える展望塔まであって、なんだかすごく珍しいものを見たような気がした。
その後、木古内で新幹線の駅を見て函館のスマイルホテルに入った。
晩ごはんを食べに街に出たが、最初に向かったのがauショップだ。やっぱり僕のスマホは充電できていない。
ショップで調べてもらった結果は・・・チーン!
帰ったら機種変更するしかないか・・・。悲しい~。
晩ごはんは駅前近くの根室花まる。おいしいお寿司をたらふく食べて満足満足。でもスマホが~。
*本日の走行 251km
*本日のピースサイン 8発
(後編に続く)
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一気に読んでくれる人も、少しずつ分けて読んでくれる人も、さらっと流して読んでくれる人も、大歓迎です。
初めて北海道をバイクで走ったのが平成元年の夏。あれから30年、これまで何回北海道に行ったことだろう。しかし、道南渡島半島だけはまだ一度も行ったことがない。初上陸30年目の節目として、今回は渡島半島を一周しようと妻と話し合った。出発は8月24日深夜、25日0時30分発の新日本海フェリーだ。前日の23日に19号と20号のアベック台風が北に抜け、出発当日は台風一過の晴天。荷物を2台のバイクにくくりつけ、出発の時間を待った。相棒はNinja650と妻のVTR250F。ともに乗車姿勢の緩やかな乗りやすいバイクだ。
出発予定の8月24日午後3時過ぎ、1本の電話が・・・。
準備完了。敦賀港に向けてシュッパーツ!
ブルゾンを着て、ヘルメットを持って、ブーツを履こうとしたまさにその時、電話の音がした。新日本海フェリーから、台風20号の影響で敦賀港発苫小牧東港行きのフェリーが欠航になったとの連絡だった。
ガーン!
まあ、家を出るギリギリ直前でよかったのかなあ。
それで、翌日の深夜23:50舞鶴発小樽行きのフェリーを取ることができた。でも、舞鶴ってメッチャ遠いじゃん。それに、台風のせいで北海道滞在が一日減ったじゃんか。
それから苫小牧のホテルをキャンセルしたり翌日の小樽のホテルを探したりしてちょっとバタバタしたが、それでもなんとか一日遅れで行くことができる。
しかたがないか、台風だもん。
<8月25日> 1日遅れの出発 〇豊田~舞鶴(フェリー泊)
改めてバイクのパッキングを済ませ、午後0時ちょうどに家を出た。とにかく暑い。家から東名三好ICまでの信号待ちでは、停まるたびに汗が吹き出してくる。しかも、こういう時に限って信号運が悪い気がする。
走り出して40分。守山PAで昼食にした。う~ん、迷った末に名古屋らしく豚汁きしめんにした。しばらく愛知を離れるから、かな。
走っている時は暑さを忘れられる。高速道路は停まることがないから快適だ。しかし、産業道路化した名神高速はおもしろくはない。
淡々と走り続けて約100km。東名~名神から米原JCTで北陸道へ分岐し、賤ヶ岳SAで一休み。あっつい。暑いなんてもんじゃないよ。コーヒー休憩と思ってSAに入ったけど、一番に目に飛び込んできたのがかき氷。この暑さ、アイスコーヒーよりかき氷でしょう、ということで、僕は大好きなメロンで妻はなぜかレモン。イチゴにすれば、カワサキカラーとホンダカラーでそれぞれのバイクと同じになってたのにね。
バイク駐車場の隣のEV充電器の日陰でかき氷を食べた。これがまたうまい。で、べろがすっかりカワサキのライムグリーンになった。
そしてまた、汗を拭き拭きSAを出ようとすると、妻が「ガソリン入れとこ」という提案。SAのガソリンは高いけど入る量は少ないし、北海道に上陸してからもしばらくは安心だ。
給油を終え賤ヶ岳SAを出て、敦賀JCTから舞鶴若狭道へ。いつの間にか敦賀まで全線開通してたんだ。交通量は少なく走りやすいがペースが速い。気持ちはいいけど舞鶴に早く着きすぎてしまうんだな、これが。舞鶴東ICに近い加斗PAで最後の休憩兼時間調整。でも、トイレ以外になにもないPAなので時間調整にならない。日陰もなくてただ暑いだけなので、すぐに舞鶴港を目指すことにした。このペースだと5時頃に着いてしまう。
加斗PAを出て20kmほどで舞鶴東IC。30年くらい前に兵庫県加東に住んでいた頃よくツーリングに来たなつかしい道を走って舞鶴港にたどり着いた。着いたのは見立てどおりの午後5時ちょうどだった。フェリーの出航は11時50分。退屈な時間の始まりだ。もちろん、バイク一番乗りだった。
受付で手続きを済ますと、7時に乗船口に移動、11時に乗船とのことだった。食事のできるカフェは7時からで、まずは今から1時間半をどう過ごすかが問題だった。でも、ロビーでテレビを観てたらいつの間にか寝てしまった。先月冠動脈の手術を受けたばかりで体調が心配だったが、いまのところなんともない。でも、やっぱり久しぶりの長時間のライディングで実際には疲れたのかもしれない。
7時にバイクを乗船口に移動させるともちろんポールポジション。ちょっと緊張する。
ターミナルに戻って晩ごはんだ。妻は限定のあじフライセット、僕はなぜかラーメンが食べたくてしょうゆラーメンと小チャーハンのセット。ありがたいことに、注文から出てくるまでにかなり時間がかかった。普通ならイラつくところだが、今は時間を使いたいところ。しかもスッゴいうまいラーメンだったし、妻のあじフライも一口もらったらうまかった。舞鶴港のフェリーターミナルの食事はオススメかも。
それからの2時間が大変だった。もう眠たくなくなってるし、やることはないし。スマホの電池もほとんどなくなってるから遊べない。退屈~と思いながら過ごした。
乗船20分前の10時40分にバイクのところに戻り、一番前で乗船を待った。フェリ乗船に苦手意識を持っている妻はかなり緊張している。いくら苦手でも、こればかりは自分で運転して乗船するしかないのだ。そして10分遅れで乗船一番乗り。
一日分のお泊まりセットとヘルメットだけを持って指定の616号室へ。グレードはデラックスA。昨日欠航になったフェリーはベーシックな部屋を予約してたが、旅程が一日減ったので、その分その分ちょっと贅沢してデラックスAにグレードアップしたのだ。もちろん初めて。
昨日の舞鶴発の便も敦賀発の便も欠航になったせいか、乗客はすごく多い。まずはお風呂ということで大風呂に行ったらものすごく混んでいた。デラックスAはバス付きの部屋だが、混んでいてもやっぱり大風呂の方が体が休まるような気がする。
日本海の北の方に二つの台風くずれの移動性低気圧があるため海は荒れていた。いつもより揺れは大きい。午前1時、よく揺れるなあと思っているうちに眠りに就いた。
*本日の走行 231km
*本日のピースサイン 3発
<8月26日> 小樽上陸 〇舞鶴~小樽(小樽ゲストハウス泊)
今日は一日フェリー暮らし。
台風くずれの温低の影響でよく揺れる。それでもしっかり熟睡し、目覚めたのは7時10分。8時のレストラン開店に合わせて朝食を取り、その後は部屋でごろごろしていた。やることがないのだ。
10時からビンゴゲームに参加したけど、僕も妻もさっぱりだった。4年前に1等賞になって2000円券をゲットして太っ腹になったのは夢のまた夢。その後もよく当たったんだけどなあ。
お昼はレストランが混んでいたので自販機のニチレイの焼おにぎりとハンバーガーを買って二人で分けて簡単に済ませた。何もしてないから腹も減らない。
デラックスAの部屋には贅沢にもデッキテラスがついている。これがまた気持ちがいい。青い空に大海原。潮風にあたってコーヒータイム。極楽極楽。またまたうだうだと過ごして4時になったら大浴場へ。おおおっ、大陸が見える。もう北海道の南西まで来ているんだ。
晩ごはんは、ずっと前から決めておいたホエー豚のジンギスカン風。去年の新日本海フェリーで行きも帰りもこれを食べてすっかりお気に入りになっている。去年よりちょっと味が薄めかなあなんて思ったりして少しだけしょうゆを垂らしたらやっぱりうまい。たぶん帰りの便でも食べるんだろうなあ。
晩ごはんが終わったらいよいよ下船の準備だ。わくわくどきどきの時間帯・・・。なぜか落ち着かないひとときだ。
予定より少し遅れて9時過ぎにフェリーから出た。北海道上陸だ。あれっ、雨が降ってるよ~。それも霧雨でヘルメットのシールドに点々と細かな雨粒がついて前が見えにくくなる。ただでさえ小樽の街のどこを走っているのかよく分からないのに前が見えないから困ったもんだ。
スマホのナビを予約した小樽ゲストハウスに設定し、ナビに従って走ると、坂路発進だらけ。インカムで妻の悲鳴がたびたび飛んでくる。雨の中、どこをどう走ったかよく分からなかったけどとにかくなんとか山の中腹の宿にたどり着くことができた。ホントめでたしめでたしって感じだった。これでいよいよ明日から北海道ツーリングのスタートだ。今日はぐっすり寝ておこう。・・・って、今日は一日中ごろごろしてたじゃん。
*本日の走行 8km
*本日のピースサイン 0発
<8月27日> 積丹半島を1周 〇小樽~せたな町(せたなのキャンプ場泊)
曇り後晴れのはずが、外は雨。しばらく部屋でだらだらしてたけど、9時になっても雨がやまないので出発することにした。それでも、パッキングしているうちに雨が上がり、かっぱを着ることもなく小樽ゲストハウスを出ることができた。
平日のR5は 混んでいた。それでも余市でR229に入ると徐々に交通量は減り、ようやくほんの少し北海道らしい雰囲気を感じながら走ることができるようになった。R229を離れ、道道913に入ると、森と集落の間を走る道。道東と道北ばかり走っていた僕は、なんだか集落と集落の間が短く、今ひとつ北海道らしさが足りないなあと思いながら走っていた。そもそも積丹岬にい行くみちに集落がいくつもあることに疑問を感じ始め、「道、間違えたかもしれん」なんて思ったりもした。そのうちに雨粒がポツリポツリ。
かっぱを着る時に、ツーリングマップルで確かめてみたが、地図上に記されている道なんて、この913しかない。間違える道さえないから、合っているはず。積丹岬に着いた時には誰も走っていない占有道路に近い状態になっていた。さすがにここまで着て「これぞ北海道、前にも後ろにも何一つ走ってない」と、ようやく北海道を実感できた。
雨は上がっていた。薄い雲が低くたちこめていたため積丹岬から眺める海の景色は積丹ブルーとは言えないまでも、それでも澄みきった海はとてもきれいだった。青空が広がっていたらどんなにきれいだろう。
積丹半島を反時計回りに回って、神威岬へ。ちょうどお昼だったのでシーフードカレーで昼食にした。コレがまたシーフードだらけでうまい。
そのままぐるっと回って神恵内の道の駅「オスコイかもえない」で日本海を眺め、岩内の道の駅「いわない」でコーヒータイム。さらにR229を日本海に沿って走り、寿都の道の駅「みなとま~寿都」でもスタンプをゲットし、島牧村の道の駅「よってけ島牧」で一休み。
ここで、今夜の宿を二人で相談した。地図を見るとせたな町にしかキャンプ場が見当たらない。電話をすると「空いてますよ。5時頃まで受け付けをやってますから。閉まっていたら、朝受付を済ませてください」との返事。さっそく予約をしてさらに南へと向かった。問題は受付時間に間に合うかということだった。朝でもいいとは言われても、どこにテントを張ればいいのか分からないし。とにかく安全な範囲内でのハイペースで走った。それでも、せたな町との町境辺りの長いトンネルの中で速度メーター脇のデジタル時計が「17:00」になってしまった。どんよりとした空はいつの間にか空は青空になり、海の青さが美しすぎ~。R229はずうっとずうっといい気持ち。
5時14分、せたな青少年旅行村キャンプ場に着いた。5時頃と言っていた受付は実際には5時15分までだったのでギリギリセーフだった。
広~い広~いキャンプ場で、テントは僕たちだけ。遠く離れたコテージに家族連れがいただけで、ほとんど独り占めだった。
晩ごはんは、温めるだけの五目ご飯に、鍋。鍋と言っても、セコマで買ったカット野菜とうどん1玉をコンソメで味付けしただけだが、なんと、これがめっちゃうまくできて大満足。
でも、イヤなことが一つあった。走行中にバイクのバッテリーで充電していたはずのスマホがなぜかバッテリー0になっていた。これには焦った。焦ったが、仕方がない。明日も充電しながら走ればいいかと思い、寝ることにした。ちょうどいい気温で、布っきれ一枚のテントがホテルなみの快適さになり、熟睡。
*本日の走行 241km
*本日のピースサイン 14発
<8月28日> 絶景、絶景、空腹 〇せたな町~函館(ホテル泊)
よ~く寝た。今日もいい天気だ。キャンプ場の朝は爽やかでいい。
キャンプの朝ごはんはいつもパンとスープ。お湯を沸かすだけでできる。
9時半、せたなのキャンプ場を出て、再び渡島半島の西海岸を南下。
またまた道の駅巡りだ。道の駅てっくいランド大成で那須ナンバーのVストローム氏としばらく談笑。この時期の道南はライダーとほとんど出会わないので、お互いうれしかったように思えた。
てっくいランド大成を出てしばらくすると、おおお、なさに熊だ。海岸に突き出た親子熊岩は、まるで親熊が子熊を抱えている姿そのもの。しばらく見入ってしまった。その親子熊岩、この地では古くから大きな影響力があったとみえて、その先々の地名が「熊石××」が延々と続いていた。
道の駅ルート299元和台からの景色は超絶景だった。北海道の海と海岸は本当に美しい。
江差を過ぎた辺りでお昼になり、道の駅上ノ国もんじゅでお昼ご飯にしようとしたら・・・、ガーン!
レストランは臨時休業。どこかで食べればいいや、そう思って道の駅を出たけど、通称追分ソーランラインはどれだけ走ってもなんにもない。景色だけは絶景続き。きれい過ぎて空腹を忘れかけてしまいそうだったが、絶景でお腹は満たされない。松前にたどり着いたのは2時過ぎ。道の駅北前船松前では食事系のメニューはすべて売り切れだった。串カツやらメンチカツやらおやつっぽいのを適当に食べ、お昼代わりにした。
せっかくだから松前城に行ってみた。小さなお城だが、最北端の城ということと、防御がすべて海を向いていたことに感動した。
次に向かったのが木古内だったが、途中の道の駅しりうちでおもしろいものを見た。新幹線青函トンネルの出口だ。入り口かも。それが見える展望塔まであって、なんだかすごく珍しいものを見たような気がした。
その後、木古内で新幹線の駅を見て函館のスマイルホテルに入った。
晩ごはんを食べに街に出たが、最初に向かったのがauショップだ。やっぱり僕のスマホは充電できていない。
ショップで調べてもらった結果は・・・チーン!
帰ったら機種変更するしかないか・・・。悲しい~。
晩ごはんは駅前近くの根室花まる。おいしいお寿司をたらふく食べて満足満足。でもスマホが~。
*本日の走行 251km
*本日のピースサイン 8発
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