母の誕生日のプレゼントの温泉旅行に、この連休を使って行ってきた。行き先は岐阜県の下呂温泉。高速道路が1000円ということで渋滞が予想されたので、下道を走って行くことにした。そして、父が「道の駅」が好きなので、いくつかの道の駅をチェックポイントとしてコースを設定した。
高齢者の父が心臓疾患を患っているためVOXYに身障者マークを貼り、前席に僕と妻、後席に両親を乗せ、11時過ぎの遅めの出発だ。豊田から県道11号で旧藤岡町(豊田市)~旧旭町(豊田市)を抜け、岐阜県旧上矢作町(恵那市)に入った。旧旭町の中心街の小渡の街では、軒先にたくさんの風鈴が涼しげな音を立てていて、夏の風情が感じられた。それにしても、平成の大合併で豊田市の隣町が岐阜県恵那市というのが不思議な感じだ。
旧明智町(恵那市)のおばあさん2人でやっている喫茶店で昔ながらの焼きそばで昼食。その後、R363~R418で恵那市内に入った。ここまで、濃い緑に包まれた高原道路を走り続け、まったく渋滞知らずのコースだった。そして、一つ目の道の駅「そばの郷らっせいみさと」で一休み。
その後、恵那から中津川まではR19を走りましたが、ここでもそれほど混むこともなく、順調に走ることができた。
中津川からR257を北に向かった。僕の好きなのどかなローカル国道だ。旧付知町(中津川市)に入って、二つ目の道の駅「花街道付知」で休憩をとった。そして、そこからわずか10数㎞で次の道の駅「加子母」でまたまた休憩。高齢者2人を招待した温泉旅行だから、これくらいののんびりペースがいい。
舞台峠を越えればすぐに下呂市に入る。ここでも中津川市の隣が下呂市ということで、 やっぱり不思議な感じがした。
時間はまだ3時を回ったばかりだったので、下呂合掌村にでも寄って行こうかと思った矢先、雨が降り出した。雨に中を年寄り2人を歩かせるのもよくないと思い、そのまま予約しておいた下呂温泉山形屋へ直行することにした。
3時半、早めのチェックインだ。7階の部屋からは飛騨川とその両側の温泉街が見渡せ、なかなか風情のある景色が広がっていた。山にかかった雲さえも、独特の美しさが感じられた。両親はすぐに温泉に入りに行き、30分ほどして戻ると、「露天風呂は熱いぞ」と言う父、「つるつるしていい気持ち」と言う母。こうしたのんびり旅行もいいものだとつくづく感じた。そして、僕たちも温泉へと向かった。
確かにお湯はつるつるしていい気持ちだ。父の言うとおり、外のお湯の方が熱く感じた。 ゆっくりとお湯に浸かり、部屋に戻ってからは両親といっしょにテレビで相撲を見て過ごした。
6時に晩ご飯。柔らかくてとろけるような飛騨牛ステーキと山の幸。そして何よりも両親のうれしそうな顔。こうした家族旅行があと何回できるのだろうと思う。
寝る前にもう一度お湯に浸かり、普段よりかなり早めに眠りに就いた。
年寄りの朝は本当に早い。4時くらいから何やらごそごそしはじめ、5時頃には父と母がお風呂に行く相談をしていた。僕が6時半に起きた時には、もう温泉に入った後だった。7時には売店にお土産を買いに行っていた。僕にはそんなパワーはありません。朝は1分でも1秒でも寝ていたいと思うくらいなのだ。
朝食後、僕と妻もお風呂に入りに行った。せっかく下呂に来たのだから、もう1度入っておかないともったいないような気がしたのだ。それに、下呂の温泉は、何度入ってもいい気持ちになれる。
10時にチェックアウトをし、市営駐車場にVOXYを止め、温泉街を散策した。昨日の曇り空とは違い、青空の広がるいい天気になった。土産物屋をいくつか覗いた後、雅亭の喫茶でコーヒーを飲み、11時過ぎに下呂を後にした。
帰りも往路と同じようにR257を走った。ただ、旧加子母村から少しだけ東に入って、道の駅「茶の里・東白川」に寄り道をすることにした。白川茶で有名な町で、柄にもなくおいしそうなお茶を買ってしまう。これで道の駅スタンプを4つゲット。
再びR257に戻り、元来た道を再び走った。この辺りの山は木々が生き生きしているように見える。往路で、R19の中津川~恵那の間の恵那方向が渋滞気味だったので、中津川 の手前で県道408号と72号の山道を走り、恵那峡方面に向かった。そして、途中の博石館に立ち寄った。
博石館は、世界のめずらしい石が展示してあるだけでなく、万里の長城の石や富士山頂とエベレスト山頂の石、さらに恐竜のうんこの化石など、興味深い石もいくつかあった。シンボルのピラミッドも写真の被写体にはおもしろいものだった。お昼を回っていたが、あまりお腹もすいてなかったので、館内のファーストフード店で簡単に昼食をすませた。
恵那市街でR19を横切り、そのままR257を南に進むと、阿木川ダムがある。ここは 時々ショートツーリングで来る所で、ダム湖の風景が周りの山々とマッチしていて気持ちのいい場所だ。愛知県との県境も近い所だが、両親といっしょに来たのは初めてだった。
しばらく景色を眺めた後、旧岩村町(恵那市)を抜けて今回最後の目的地、旧上矢作町(恵那市)の道の駅「上矢作ラ・フォーレ福寿の里」に向かう。山の中の一本道のR257は快適そのもので、まるで信州うヴィーナスラインを走っているようだ。
道の駅「上矢作ラ・フォーレ福寿の里」では、なんだか小腹がすいてきたような気がしたの で、大好きな五平餅を1本食べ、その後、両親とスタンプを押したり、新鮮な野菜を買ったりして過ごした。クルマに戻ると、父が「スタンプ帳がない」と言い出した。どこかに置き忘れたらしく、父がクルマの外に出ると、母もあわてて追いかけた。身障者の父を追う母に続いて、僕も父のスタンプ帳を探しに出ると、そこで事件発生。
なんと、歩道で母が指からぽたぽたと血を流して指を押えていた。通りがかりの方が親切にティッシュと絆創膏をくださったが、血は止まらない。心配そうに母の姿を見る父。母の指を見ると、かなり深く切れていて、押えた絆創膏もティッシュも見る見る赤く染まってくる。母は、「大丈夫、ちょっと切っただけ」と言っていたが、見るからに痛そうなケガだ。走ってきた子どもを避けようとして転んでしまい、手をついたら指が切れていたと言う。
とっさに、病院に行かなくちゃと思った。僕が岩村の街に戻ろうとしたら、妻が、少しでも豊田に近い方がいいと言うので、それに従い、豊田方面を目指した。そると、走り出してすぐの所に「上矢作診療所」の標示があった。国道を離れ、標示に従って走ると、旧上矢作町立病院があった。大急ぎで病院の中に入って受付をした。
結局、3針縫ったそうだ。若いお医者さんが、母一人のために小さなばい菌が入っていたら大変と、1時間以上かけて治療してくださった。父は「俺がスタンプ帳を無くしたから、こんなことになった」と言って自分を責めていたが、父のせいでも誰のせいでもない。それよりも、80歳の母が手をついた時に骨折しなかったこと、そしてすぐ近くに公立の病院があったことなど、本当に不幸中の幸いだったと思う。
病院を出て、矢作ダムの横を通って旧旭町(豊田市)に入り、往路と同じ県道11号で旧藤岡町を抜けて家に帰った。
最後に大きなハプニングがあったものの、温泉旅行を両親共に喜んでくれ、僕達も楽しく過ごせたので、また機会を作って家族でドライブに出かけたいと思う。
なお、上矢作病院の職員の方々、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
僕の妻は、某小学校で1年生の担任をしています。今、国語で「どうぶつのはな」という説明的文章の読解指導をしています。そこで、いろいろな鼻の説明を正確に読み取る学習を展開しているのですが、象の鼻だけは動きます。その動きを教科書では「いろいろなほうこうにうごきます」と書かれているようなのです。しかし、人間の鼻は動かすことができません。その動きをとらえさせるために、象の鼻の模型を使いたいと言うのです。鼻は掃除機のホースにグレーの布を巻き付ければいいと言うのです。
工作が得意だった僕の出番です。お気に入りのスーパーカブ70改に乗って、まずはホームセンター「ヤマ〇シ五ヶ丘店」に材料を買いに行きました。買った材料は両面テープ、グレーのスプレー・ラッカー、グレーの布テープ、黄色のビニールテープです。
両面テープを使って妻が用意した布を掃除機のホースに巻き付けるのは妻の仕事にしました。僕は、みかんの段ボール箱の前面と側面にグレーのラッカーを吹き付けました。乾くまでの間はバイクで近場をツーリングです。乾いてから、別の段ボールをキバの形に切り、黄色のビニールテープを巻きつけ、それを2本作りました。グレーに塗られた段ボール箱の中心にホースよりやや大きめの丸い穴をあけました。キバの入る溝も作りました。箱の側面を開いて、大きな耳も作りました。穴からホースを通し、ちょうどいい長さで裏から布テープで固定し、最後はかわいらしい目と口をマジックで描いて完成です。
お目当ての鼻は自由自在に動きます。これなら、文章だけで理解できない子も、その動き を実感することはできるでしょう。
実は、先生は授業のない時、こんなこともやっているのです。ただし、文書処理やら広告書の作成やら、そういう事務仕事よりはずっと楽しくできます。
この模型を使って、妻がどんな授業をするのか、とっても気になります。
金曜日はPTA家庭教育学級活動の一環として、瀬戸市のガラス工房でコップ作りを体験しました。
朝、9時出発のところ、早めに参加者全員が集合したので、5分ほど早くバスは出ました。参加者は幹事のNさんFさん、家庭教育学級生のうちの体験希望者32名、そして学校での担当者の僕の35人。僕以外は全員女性で、実は恥ずかしいからあまり行きたくなかったのです。
1時間少々で瀬戸市のガラス工房「バルト工房」に着きました。10人あまりの3つのグループに分かれ、僕はまずサンドブラストという、透明なコップに絵が磨りガラスのように浮かび上がる作品に挑戦しました。僕だけ学校の先生だし、変な作品になってはかっこ悪いというプレッシャーの中で活動を開始。ところが図案が思いつかず、ちょっと外に出て、BOSSコーヒーとマルボロで思案・・・。浮かんできました、いい図案が。「道」の文字を行書体で書き、しんにょうを伸ばして道に見立て、所々に針葉樹を描く。テーマは北海道の「道」。キタキツネも入れてみよう。
体験教室に戻り、下絵を描きました。自分が選んだコップに、ビニールテープを巻き、このテープが貼られた部分だけが透明のまま残ることになります。下絵を見ながら、テープの上からボールペンで下絵どおりに描いていきますが、だんだん磨りガラスになる部分と透明な部分の区別が分かりにくくなってきました。そこで、磨りガラスになる部分を斜線で塗りつぶしていきました。なんとなくいい感じになってきました。次は、塗りつぶした部分をカッターナイフで切り取ります。曲面にナイフを当てるのはなかなか難しいものでした。さらに、「道」の行書体をカッターナイフで切り抜くのも文字が鋭い感じになってしまい、イメージどおりにいくかどうか心配になってきました。でも、子どもの頃から、図工は得意でしたから、昔とった杵柄かどう かは分かりませんが、複雑な図案の割にはお母さんたちよりも早く切り抜くことができました。ただ、キタキツネだけは下絵そのものがあまりかわいいキツネにならなかったので、大事をとってカット。キタキツネの絵が入るはずだった部分には針葉樹を増やしました。
かれこれ2時間がすぎました。幹事さんたちが冷や麦を茹でてくださいました。きりのついた人から昼食の冷や麦を食べ、次の活動を待ちました。もう一つの体験は、吹きガラス体験といって、テレビでよく見る、先にガラスの溶けた塊がついた管をそっと吹き、だんだん丸くしていき、回しながら形を整えてコップにしていくという体験です。これもまた、うまくできるかどうか不安でした。
順番を待っている間に、サンドブラストの吹きつけに呼ばれました。午前中に作ったコップを 吹きつけの機械の中に入れ、切り抜いた部分だけに高圧で粉を吹き付けていきます。全体に吹き付けたら、ビニールテープをそっと剥がし、水で洗い流します。すると、切り抜いた絵の部分だけが磨りガラスのようになり、すてきな作品が出来上がりました。ほぼ、イメージどおりのコップになりました。
吹きガラス体験の順番がやってきました。熱したガラスの塊のついた管をインストラクターさんの指示に従って、そうっと息を吹き込みました。インストラクターさんが管を回しながら、形を整えてくれます。熱しては息を入れ、それを数回やったところで台に乗せ、自分で回転させて好みのコップの形にしていきます。途中で、色ガラスの粉をまわりに着け、さらに熱しては回していきます。そして、回転させながらやすりで切り込みを入れ、インストラクターさんの指示で管をポンと叩くとコップの部分だけが管から離れ、あとは底の部分を整えてくださいました。ちょっといびつな形で厚めなコップになりましたが、なんとなくいい感じにはなっていました。ただ、これは冷やして仕上げ工程を経て完成ということで、2週間後に届くと のことでした。不安3割、楽しみ7割というところです。
いやいや行った家庭教育活動でしたが、やってみたらなかなかおもしろいものでした。何かを作り上げるということは、やっぱりいいものでした。恥ずかしさは、いつの間にか消えていました。