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北海道だ~い好き❤バイクはカワサキ☆クルマはレクサスCTとタウンエース(キャンカー)とジムニー☆キャンプと鉄道も好き

2016.9 鉄旅8 山梨甲府から静岡富士へ ~JR身延線一人旅

2016-09-24 23:35:19 | ローカル鉄道の部屋
まずは、これまでのバック・ナンバーです。
⑦静岡・伊豆急行線
⑥千葉・小湊鐵道
⑤福井・えちぜん鉄道三国芦原線
④東京・JR青梅線
③神奈川~静岡・JR御殿場線
②神奈川・箱根登山鉄道
①千葉・銚子電鉄

 以前から次の鉄旅の候補に挙げていたのが小田急線とJR身延線でした。新宿発の小田急線は用事で上京したついでにということもできそうなので、今回は甲府または富士出発のJR身延線に決めました。

<9月14日>
 まずは新幹線で東京へ。豊田にはない古書店などをぶらぶらしてから新宿に向かいました。
 新宿から中央線で甲府に向かいますが、中央線には乗ってみたい電車がありました。「8時ちょうどの~あずさ2号で~」の特急あずさです。朝ではないので2号ではありませんが、新宿発のスーパーあずさに乗って甲府まで行きました。乗ってみたら普通の特急でした。それでも、僕は普通の特急にほとんど乗ったことがないので、「あずさに乗った」というだけで満足しました。

 翌日は、JR身延線の途中下車の旅です。時刻表を見ると本数が少なすぎです。ホテルに入ってから、下車する駅を絞って計画を見直しました。身延線でしっかり鉄分補給をして翌週からの仕事再開に備えます。
 先週の土日はバイクで1000㎞走破に挑戦。今回は自分の足で歩いて楽しみます。

<9月15日>

 19400歩。これがJR身延線を途中下車しながら歩いた歩数です。普段あまり歩かない仕事なので、たまにはこういうことをしないと体力がどんどん落ちてしまわないか心配なのです。元々体力ないし…。
 と言うことで、甲府で前泊した僕は身延線の出発点の甲府駅へ。もちろん駅前ロータリー脇にでんと構える武田信玄像を眺めてから駅舎に入りました。甲府は中央線の主要駅です。通勤通学客で賑わっていました。それでも、一番端のホームの身延線の2両編成の車両はがらがらでした。


    やっちまった(善光寺駅下車)
 まずは甲斐善光寺でしょうということで三つ先の善光寺駅で下車しました。

 いきなりやってしまいました。
 駅から1200mほどのはずが、歩いても歩いても甲斐善光寺が見えてきません。そのうちに僕の勤める大学のホッケー日本リーグのライバル校、山梨学院大学にたどり着いてしまいました。地図で 確認すると、まったくの方向ちがいだったのです。ローカル線は、1本乗り遅れると1時間2時間待ちになってしまいます。そうだ、目的地は甲斐善光寺でなくライバル山梨学院大学だったことにしよう。敵を知ることも大切なのです。
 仕方なしに、またまたひたすら善光寺駅を目指して元きた道を歩きました。朝から40分以上歩きづめです。プラットホームから遠くに見える甲斐善光寺の屋根を見つめて、目的地はあそこではなかったと自分に言い聞かせていました。

    ハダカ島?(善光寺駅~身延駅)
 次は一気に身延駅まで行きます。ちょっとトイレにと思って車両中央のトイレに入ったら、これが結構立派なトイレでびっくりしました。
 僕が乗ったの車両には、10人ほどの乗客が乗っていました。しだいに減り、途中からは登山の若者、ディバックの中年男性、中学生か高校生か大学生か分からない小柄な女の子、そしてディバックの僕の4人だけになりました。
 善光寺駅から身延駅まで約1時間半。途中停車駅で15分も止まっていることもありました。景色にも飽きてきたので人間観察です。
 中年男性はやたらと写真を撮っているので、僕と同じ鉄旅だろう。女の子は中学や高校は学校が始まっているから大学生で、軽装だからちょっと用事で電車に乗っているのだろう。
 身延駅に近づいたところで、「次はハダカジマ~」のアナウンスがありました。
 「裸島?」。
 聞き間違えかと思いましたが、次のアナウンスでは「ハダカジマでお降りの方は~」と、確かにハダカジマと言っていました。なんとパラダイスのような駅名。
 実は、漢字で書くと「波高島」だったのでした。あらかじめ地図でチェックはしていましたが、文字そのものには刺激性がないので、音声で聞いてビックリしたということでした。

    もちろん身延山(身延駅下車)
身延駅に着き、4人とも電車を降りました。そして、4人とも身延山行きのバスに乗ったのでした。


 バスに揺られること約15分。身延山バスターミナルで降りると、登山の若者はさっさと待っていた仲間とどこかに行ってしまいました。どこに向かえばいいのか分からずうろうろする3人。
 バスはまだターミナルにいたので、運転手さんに聞きに行きました。
 本堂への道を教えていただいてバスを離れると、中年男性が英語で女の子に何か話しかけていました。女の子の英語は僕にも分かりました。道順を2人に知らせると、女の子はそれを英語に訳して中年男性に伝えていました。男性はマレーシアから仕事で東京に来ているようでした。僕、マレーシアとトーキョーだけは聞き取れました。情けない。
 英語の苦手な僕はさっさと門前町を歩いて総門に行きました。そして、目の前の急勾配の長い階段にひるんでしまいました。

「これは、オレには無理。」
 それで、訳して登る方法はないか一応案内所で本堂への行き方を尋ねてみました。すると、階段の他に、急坂の男坂、緩やかな女坂があるとのことでした。案内所を出るとマレーシア人と女の子も躊躇している様子だったので、3つのコースがあることを伝えて、一人で女坂を登り始めました。
「なにが緩やかな坂道だ!」急坂のヘアピンカーブだらけの大変なコースでした。何度も立ち止まっては歩き、しだいに後悔の気持ちさえ感じてきました。急勾配を緩やかにすれば長い長い坂道になるってことになぜ気づかなかったんだろう・・・。しかも、緩やかではない。
 へろへろになって本堂の前に着くと、マレーシア人が手を振っていました。
 何かしゃべっているけど分からないし、へろへろで聞く気もない。
「アイム、ベリーベリータイアド。」
「ザットコース、ベリーベリーロングコース。」
 片仮名で答えてあげました。
 お参りをして、奥の院に登るロープウェイ乗り場に行き、切符を買ってベンチに腰を下ろしていると、今度はさっきの女の子がやってきました。

 ロープウェイで登った奥の院は霧に包まれていました。ここで景色を楽しむことはできないので、お昼を食べることにしました。
身延町はゆばが有名とのことで、ゆばうどんを食べていると、下りのロープウェイの時間が迫っていることに気づいたのです。大急ぎでうどんを食べ、ロープウェイに乗ると、またさっきの女の子が乗っていました。ロープウェイも、身延駅行きのバスも、身延線の列車も、すべて本数が少ないので同じになって当たり前なのです。それでも、やっぱり気にはなりました。当然かもしれませんが電車もバスも上りロープウェイも同じだったのですから。
ロープウェイを降りて本堂に向かう途中で変な乗り物を発見。「斜行エレベーター」と書いてありました。係員っぽい人に聞いてみると、駐車場への昇り降りのエレベーターだそうで、誰でも利用できるとのことでした。そして、駐車場からバスターミナルまではクルマが通る下り坂を15分ほど歩けば行けるとのことだったので、「斜行エレベーター」なるものに乗ることにしました。乗った感じは、エレベーターとケーブルカーのチャンポン。わずか30秒の乗り物でしたが、おもしろい経験でした。
 バスの時間まで13分。駐車場を横切り、早歩きで下り坂を歩きました。あと3分というところで、かなり焦ってきました。一人競歩みたいにして大急ぎで歩き、あと1分を切った時間になんとかバスに乗ることができました。
 バスに乗るとまた何度も出会っている女の子がいました。さすがにバスの中では話をしながらJR身延駅に向かいました。
 彼女は、沖縄から甲府の大学に来ているそうで、せっかく山梨にいるのだから身延山に登ってみようと思って訪れたとのことでした。
 身延駅で彼女は甲府方面に、僕は富士方面へと別れました。別れ際に、電車の扉のところから大きく手を振ってくれたのが印象的でした。
 で、あのマレーシア人はどこへ行ったのだろう。

    富士山本宮(富士駅下車)
 次は、富士宮駅で下車しました。
 目的地は富士山本宮です。富士の麓の各地にある浅間神社の総元締めのような神社です。もう善光寺駅と同じ失敗は許されません。電車の中でしっかりと地図でチェックして駅を出ました。距離は1㎞あまりです。
 歩くこと10分。
「おおっ、でかい鳥居だ。」
 境内も何か威厳があって、しっかりとお参りをしなければいけない雰囲気が漂っているような気がしました。その威厳に圧倒された僕は、お賽銭はいつもの10円玉ではなく100円玉にしてしまいました。おまけに、妻と母に御守りまで買ったりして。
 富士宮駅まで戻ると、あとは終点の富士駅です。
 今回の途中下車の旅は、列車の本数が少ないため少しの駅しか下車できませんでしたが、中身の濃い途中下車の旅になりました。富士宮駅で最後の途中下車を終え、終着駅のJR富士駅に着きました。


    贅沢に一人タクシー(終着富士駅からの帰り)
 さて、新幹線の新富士駅と在来線の富士駅は鉄道でつながっていないのです。バスもコミュニティバスで、公共施設や商業施設を回るため、コースによって到着時間が異なるとのことでした。駅員の方に尋ねても、普通はタクシーを利用することが多いということでしたので、鉄旅で初めてタクシーを使うことになりました。一人で乗るタクシーは、なんか贅沢な気がして、もったいないなあと思いながら新幹線の駅に向かいました。
 新幹線も各駅停車のこだましかありません。掛川や豊橋、新安城など、なんだか鉄旅が続いているような気分を味わいました。新富士駅で買った駅弁もびっくりで、パッケージの絵はとても古くさく、御飯はなんと富士山の絵になっていました。
久しぶりの鉄分補給の旅。おもしろいJR身延線の旅でした。
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2016.9 バイク往復1000kmサッカー観戦ツーリング

2016-09-16 23:59:55 | ニンジャ650の部屋
 何かに挑戦したくて…。
 バイクで、土日の2日間で1000㎞に挑戦してみようか。土曜日はただひたすら500km先の新潟を目指す。そして日曜日はただひたすら走り続けて帰ってくる。
 歳をとって体力が心配ですが、何か今までにやったことのないことで、頑張れば出来そうなことをやってみたい衝動にかられていました。ん?なぜ新潟?「バイクに乗りたい+グランパスの試合を観たい=新潟」ということで、サッカーJ1名古屋グランパス対アルビレックス新潟の試合がある9月10日を選びました。J2降格圏のグランパスを、僕たちの応援の力で残留させなくちゃという思いで走り続けることにしました。それに、500km折り返し地点でサッカー観戦という設定なら、途中で諦めることなく走りきることができるということなのです。

<9月10日>
 土曜日、豊田から新潟まで、東海環状道~中央道~長野道~信越道~北陸道をバイクで走りに走って483km。予約しておいたベストイン新潟南に着きました。そして、道順などがよくわからないのでタクシーを使って新潟ビッグスワンのビジター席付近にやってきました。
 さすがにちょっとだけ疲れましたが、まだまだこれからです。応援のパワーは残っていました。しっかりとグランパスを応援しないと、J2に落ちちゃうのです。
 ビッグスワン、でかくてキレイでした。名古屋のサポーターもたくさん来ていました。監督も替わり、トゥーさんも復帰し、今日こそ何か変わりそうな気がしました。
 いよいよキックオフ。第2ステージ最下位、勝ち無し、降格圏と過去最悪の成績ですが、ファンは見捨てていません。サポーター席はほぼ満員の2000人。気合が入っています。
 そして、なんとなんと、やっと勝ったのです。後半などほとんど押され気味の試合でしたが、前半の1点を粘りに粘って守りきり、ついに勝ったのです。勝った瞬間、周りのみんながぴょんぴょん跳んでハイタッチ。なかには涙ぐむ人までいて、最下位、降格圏と状況はまったく変わらないのに、まるで優勝したような大騒ぎでした。僕も、たった1勝がこんなに嬉しいものとは思ってもみませんでした。
 それにしても、朝から高速道路を走りっぱなし。実に愉快な一日でした。

<9月11日>
 今日は、また約500km高速道路をひたすら走って帰りました。ただ走っているだけなのに、楽しくて楽しくて・・・。これも、グランパスが勝ったからだと思いました。
 それに、春に買い換えた1200から650へダウンサイジングのNinja650の走りの楽しさ。よくできたバイクで、疲れ知らずで往復961kmを走破しました。
 年齢による体力低下で、いろんなことに対して不安を感じ、今回も2日間1000㎞ツーリングを躊躇していました。しかし、僕が子どもたちや学生たちによく話す「迷ったら、やれ」を自分で実践してみました。躊躇してもやってみるものです。
 グランパスが新潟で、僕の目の前で勝った。
 往復1000㎞ツーリング完走。
 僕は今、満足感に満ち溢れています。
 バイクもサッカーも、本当におもしろい。何もかも忘れて夢中になれるのです。背中を押してくれて、しかも一緒に走ってくれたT先生に感謝です。そして、お弁当を作って笑顔で送り出してくれた妻に感謝しています。
 今日は、豊田でサンフレッチェ広島戦です。強い相手です。スーパーカブ70で往復たったの4kmの超ショートツーリングで応援に行きます。

コメント (4)
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2016.8 今年も二泊三日の宗谷岬弾丸ツーリング

2016-09-02 23:31:29 | 2016北海道弾丸ツ...
 今年も妻と2人で、飛行機とレンタルバイクを使って二泊三日の宗谷岬弾丸ツーリングに行ってきました。僕が大学に赴任して4年目。2人の休日が合わなくなったため、金曜日に有給を取って土日を含めて3日間の連休で北海道をバイクで走ろうと考えて今年で4年目ということなのです。今では、僕たち夫婦の夏の終わりの年中行事になっています。
 金曜日のANAで中部空港から旭川空港へ。旭川からはレンタルバイクのNinja400RとVTR250で北を目指し、日曜日の飛行機で帰るというプランです。
 同じようなコースで4年連続です。2人とも病み付きになっています。

<8月26日>
 中部空港発の旭川直行便は朝8時30発のANA一便だけです。昨年まではお昼頃の便だったのでのんびりと家を出ていましたが、今年は6時前に家を出ることになりました。眠い目をこすって愛車Cクラスで空港に急ぎました。
 荷物を預け、空港内の店で朝定食を食べて出発時刻を待ちました。
 飛行機は定刻を15分遅れで出発しました。
 10時30分頃に旭川空港に着きました。天気予報どおり、外は雨。先週は道東を台風が襲い旭川もその影響で土砂降りだったようです。それを思えば、普通の雨降りくらいどうってことはありません。でも、やっぱり青空の下でツーリングを楽しむことができれば、そんないいことはありません。
 バスで旭川駅へ行き、イオンモールの1階で少し早めの昼食をとりました。それから、タクシーでレンタルバイクを予約しておいたハーレーショップ「オートジョンブル」さんに向かいました。店員さんもすっかり顔なじみになっていて、手続きもスムーズなものです。
 「オートジョンブル」はハーレーの正規販売店ですが、レンタルバイクは別です。僕はNinja400Rを、妻はVTR250をレンタルしました。
 旭川北インターから士別剣淵インターまで雨の道央道を走り、名寄の道の駅「もち米の里なよろ」で一休みしました。カッパを着たまま缶コーヒーを飲みました。雨足は弱まってきましたが、雨は降り続いています。そんな天気でも、北海道を走っているというだけで楽しくてたまらない僕たちです。風景が違います。道が道です。雄大な景色を眺めながら止まることなくペースを落とすこともなく走り続けられるのです。
 例年よりスタートが早かったので、いつもの初日は美深温泉泊ですが、今回はもう少し遠くまで足をのばすことにしました。美深市街から道道49に入って枝幸方面を目指しました。道道に入ると、道はさらに道らしい道になります。信号や標識、歩行者などに気を遣うことなく、ただただ走るだけ。道とは本来そういうものなのです。直線と緩やかなコーナーで結ばれた道道49。周りは森、畑、牧場・・・。それ以外には何もないのです。それこそ、北海道を走ることの最高の魅力なのです。ひょっこりキタキツネが顔を出したりもします。インカムで「何か動物が出てきそうだなあ」と妻に伝えた矢先に、子ギツネがひょこひょこと道路を横断していきました。
「わっ、あれ見て。」
「かわいい~。」
 山の中にトロッコ王国がありました。地図で気になっていた王国です。
 バイクを止め、係の人に尋ねると、片道5㎞、往復10㎞を40分ほどかけてエンジン付きトロッコで走る体験ができるそうです。最終が16時発となっていましたが、今走っているトロッコが戻ってきたらすぐに出発できるとのことでした。単線ですからいつでも出られるわけではありません。時刻は15時40分。行くしかありません。
 これがまた愉快で愉快でたまりませんでした。旧国鉄の線路の一部を利用してトロッコ体験ができるようになっているのですが、運転と言ってもレールの上を走るのですからハンドルはなく、アクセルに軽く足を乗せているだけで、常に周りの景色を見ていられるのです。鉄橋などはたまりません。足を緩めれば、川の流れを見ることができます。欄干がないので、すぐ下まで見られるのです。
 僕たちが乗ったのは、まったくの新車で、初めてお客さんが乗って走ったトロッコだそうです。色はカワサキカラーのグリーン。でも、エンジンはホンダの汎用エンジンでした。そう言えば、いつの間にかすっかり雨も上がっていました。トロッコ体験の40分間は雨が落ちてくることはありませんでした。
 トロッコ王国前の交差点を直進するとそのまま道は道道120になりました。道道120も道道49と同じように自然の中の一本道でした。
 あらかじめ予約しておいた枝幸町の歌登温泉までやってきました。
 朝が早かったせいか、宿に着くと一気に睡魔が襲ってきました。まずは温泉、そしておいしい北の幸の料理、そこから先は記憶が途絶えてしまいました。部屋でテレビを観ながら夢の世界へと入ってしまったのでした。
 気持ちのいい道をいっぱい走って、温泉に入って、おいしい晩御飯を食べて、本当にたまりません。わずか二泊三日の北海道ツーリングですが、初日から大満足です。天気予報では、明日は天気が回復する言っていました。

<8月27日>
 これでもかっ!というくらい寝ました。前日まで仕事でしかも昨日の睡眠時間は飛行機の時刻の関係で4時間弱。だからなのか、8時くらいにテレビを観ながら意識がなくなり、12時半に一度目を覚ましたもののまた眠ってしまい、気がついたら朝の6時。10時間も寝ていたことになります。
 カーテンを開ければ思いっきり青い空。雨が降らなければいいや、それくらいに思っていただけに、うれしさ100倍。
 しゃきっとするために朝風呂、朝シャン。スッキリしたところで朝食を済ませ、9時に歌登温泉を出ました。
 道道120、道道12を走って枝幸市街に出ました。初めて走った二つの道道の気持ちのいいこと。真っ青な透き通るような空と鮮やかな緑にさわやかな空気。気持ち良すぎです。
 ただの道道を走っただけで十分感動していたところへ深い緑のオホーツク海が見えたものですからテンションはどんどん上がっていきました。
 まずはクッチャロ湖。澄んだ空気に抜けるような青い空、そこに静かにたたずむ湖。
 トイレに入ると聞こえてくる「白鳥の湖」・・・のはずが、湖の紹介のガイドの声が大きくなっていてちょっと残念でした。
 地元のライダーに「これからどちらへ」と尋ねられ、宗谷岬と答えると「今日はたぶんサハリンが見えますよ」と教えてくれました。どうやらサハリンは地元の人でもめったに見られないようなのです。
 美しい湖に感動し、次は農道エサヌカ線。国道を右に1本外れると、そこには何㎞も続くまっすぐな道。前方も後方も地平線が見える道なのです。地平線から地平線に向かう道などここでしか見られない風景です。妻も僕もメットの中で「すげぇ」の連発でした。
 猿払の道の駅で休憩し、いよいよ宗谷岬です。オホーツク海沿いの国道は宗谷岬の手前から海岸段丘を駈け登ります。そこで見えるのが宗谷丘陵。もこもこした起伏の台地は、この世のものとは思えない不思議な風景です。
 宗谷岬に着くと本当にサハリンが見えました。探さなくても、目を凝らさなくても、すぐに「サハリンだ」とわかるくらいはっきりと見えました。初めて宗谷岬に立ったのが26年前のことです。それ以来15,6回は宗谷岬に来ています。それでも、サハリンがはっきりと見えたのは初めてのことでした。快晴でしかも雨上がりで空気が澄んでいからなのでしょう。妻も僕もさらにさらにテンションは上がる一方でした。
 最北端の食堂でホタテラーメンを食べ、もう一度岬からサハリンを眺めました。
 宗谷岬を出て、最北端のスタンドで燃料を入れると、次は西に進路をとりました。すると目の前にはどーんと利尻富士が。こんな遠くからはっきり見えるなんて、こんなことも初めてです。天気が良すぎなのです。こうなったら、大平原のサロベツ原野越しに利尻富士を見てみようと、稚内からR40を南下し、豊富バイパスを通らずに下道を走って、宮の台展望台に向かいました。
 すごい眺めです。サロベツ原野は東京山手線の内側二つ分の広さと言われています。その広大な大平原の向こうにでんと構える利尻富士。その景色のスケールの大きさ、もうたまりません。
 最後は豊富温泉です。油田採掘中に涌き出た温泉で、別名油温泉と言われるように油の香りが漂う温泉です。油成分の混じったお湯は、疲れた体を癒すのに最高の温泉かもしれません。
 その後、道道84、121で幌延に出て、R40で天塩川に沿って南に向かいました。天塩川は先週までの台風3連発の影響で降水量が多かったせいかかなり増水していました。
 R40は中川の道の駅を過ぎると音威子府まで店はおろか自販機さえなくなります。去年も一昨年もここでは睡魔と戦いながら走っていましたが、今回は10時間睡眠ですから北の大地の緑を楽しみながら走ることができました。
 さすがに豊富からノンストップで走り続けてお尻が痛くなってきたので、音威子府のセイコーマートでコーヒー・タイムにしました。毎年眠気覚ましに利用しているコンビニです。音威子府から今夜の宿「びふか温泉」までは10㎞足らず。こうして快晴の道北をしっかり楽しんで17時40分にびふか温泉に着きました。
 北の幸の晩御飯につるつるのお湯の温泉。天候に恵まれ、感動の連続の一日になりました。明日の飛行機で帰る予定ですが、本当はずっとずっと北海道をバイクで走り続けたい気持ちでいっぱいでした。

<8月28日>
 あっという間の北海道ツーリング最終日。3日間だけだから、来て、走って、帰るだけですが、ただ帰るだけではつまらない。
9時に美深温泉を出て、美深市街からR275で朱鞠内湖を目指しました。美深峠から朱鞠内湖へのR275は、人気の信州ヴーナスラインをはるかに超える絶景コース。峠と言っても高速コーナーと直線だけの坂道です。広大な景色と見渡す限りの原生林を眺めながら気持ちよく緩やかに体を右に左に傾けて軽快に走り続けました。
 朱鞠内湖の手前の日本最寒気温記録の記念公園のようなところでトイレ休憩を取りました。白樺の木に囲まれた静かな公園でした。そして、国道沿いの朱鞠内湖のパーキングへ。ここ朱鞠内湖は-41.2度の最寒気温を記録した地なのです。人造湖なので入りくんだ形の湖で、緑の木々と白い白樺の木に囲まれたひっそりとたたずむ湖です。ここに来ると、ずっと眺めていたい衝動にかられます。視界の中に人工物がどこにも見えないのです。まあ、湖そのものが人工物と言えば人工物なのですが。
 素敵なワインディングR275から添牛内でR239に入り、士別に向かいました。R275もR239も交通量はほとんどなく、常に自分たちの最適なペースで走ることができました。遅いクルマがいれば抜けばいいし、速いクルマが来たら抜かさせればいいのです。北海道の道はそういう道なのです。
 士別からはR40、道央道で旭川に向かいました。比布大雪パーキングで最後の休憩です。旅の終わりが近づいていることを実感しました。さすがに寂しくなってきます。
 旭川のバイクショップでNinjaとVTRを返却し、タクシーで旭川駅に行き、バスに乗って旭川空港へ。
 空港で遅めのお昼御飯をとりました。最後に北海道を味わいたくて、僕はジンギスカン定食を注文しました。妻はホッケ定食です。ちょっとだけホッケをもらって食べました。
 あとは、飛行機に乗って帰るだけ。40分遅れのANAで帰ってきました。
 たった3日間だけの北海道ツーリングでしたが、本当に中身の濃い3日間になりました。
 トロッコ体験にクッチャロ湖、地平線の道に最北端の岬。油の温泉にサロベツ原野。そして、ひっそりとたたずむ最寒の地の湖。中身の濃すぎる3日間でした。
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