相模原市南区麻溝台に四季の花が絶えない「相模原麻溝公園」はある。今、園内は僅かではあるがコスモスなどの秋の花で彩られてきた。また園外でも街路樹として数百本植栽されている「カリン」が梨か柿のような薄緑の楕円形の実をたわわにつけ始めている。バラ科カリン属の落葉樹である。「カラナシ」、「カリントウ」、「アンランジュ」の名でも呼ばれる。4月中旬~5月上旬ごろピンク色の花を開花させ、夏から秋に徐々に実がふくらんで熟していく。香りも強くなり10月下旬~11月下旬が収穫期である。熟すと濃厚な甘酸っぱい独特の香りを放つようでカリンシロップ、カリン酒として親しまれている。(2408)
相模原市南区上鶴間に日蓮宗身延山久遠寺末寺の「方運山青柳寺」は鎮座している。明応8年(1499)に「青龍寺」という小庵を再興する際に「青柳寺」と改称された。創建は天正年間(1573~1592年)、本尊は釈迦如来(現在は大曼荼羅)である。「山門」より入山すると砂利が敷き詰められた境内正面に入り母屋づくりの重厚な瓦葺の「本堂」、左に「庫裏」と右に「鐘楼」、そして数多くの石碑がある。中で目を惹くのが明治17年(1884)に自由民権運動の舞台となった証の「武相困民党発祥之地」の稗である。また江戸時代、当寺は寺小屋を開いていた。また住職を中心に俳句が盛んに行われ、その句碑があちこちに建ち並んでいる。平成10年に相模原古民家園に移設された「青柳寺庫裏」は県重要文化財として保存されている。(2408)