
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、ドイツ放送フィルハーモニー・ザールブリュッケン・カイザースラウテルンで、プロコフィエフ交響曲第2番の演奏を聴きました。この曲は、中学校の時、FMのモノラル、雑音混じりの演奏ではじめて聴いた。もうそれは最初から砂嵐の中で爆音が鳴っている感じであった。第二楽章になると、砂嵐しか聞こえなくなった。しかし、今回の演奏はゆっくり目のテンポでとても美しかった。所謂「鉄と鋼でできた交響曲」と呼ばれる曲だが、もう鉄と鋼のイメージはプロレタリア文学の時代とは違うのかもしれない。ロジェストヴェンスキーのなかでも、鋼鉄は、油と火花が散るタービンではなく、集積回路のようなものになってしまったのかも知れない。
今回の大震災の映像をみると、鉄と鋼のありようは、関東大震災の時と大して変わらないように思えるのであるが……。