★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

東京都青少年健全育成条例対ブルガリアン・エク×タシー

2011-03-06 23:47:03 | 思想

まだ少数精鋭だけ辛うじてがんばっている四年生の花束



宮台真司と山本直樹の対談「性表現と都条例を考える」(http://www.ohtabooks.com/eroticsf/blog/f68miyadai_yamamoto.pdf)を読みながら、「ブルガリアン・ポリフォニーⅠ」を聴く。ときどき聴くけど、すばらしい音楽であるっ。まさに法悦の境地に連れ去られる。

対談の方は、例の、東京都青少年健全育成条例改正案に対するものである。
宮台氏の相変わらずの瞬発力はすごいなあと思う。宮台氏が言うように、性表現をきちんと規制すりゃ健全な(笑)青少年が育つという発想自体が、あまりにも、頭の悪い学級委員長的な幼稚さであって、……「お前がまずは思春期からやり直せよ(笑)」ですますべきレベルである。私も宮台氏の言うように、本気で性表現を規制すりゃ世の中よくなると考えているのはたぶんごく一部であると思う。大学でもどこでもそうだが、一部の声のでかい×タレは逆恨みすると何するか分からないので、「はいはい」という感じでその場は従っておき、自然的生長的事態の推移によって本質が現れてくるのをまつというのが、我々のよくある身の処し方である。これはある種の弁証法みたいなもん(笑)である。宮台氏はギリシャ的インテリだから、とりあえずその悠長な弁証法ではなく、言説の対置によって流れを速めたい、というクチであろう。それはよくわかる。ただ、こういう時の宮台氏は嬉々としすぎてて、こういう低レベルな条例の存在がないところでは、もしかしたら氏は退屈で死んでしまうのではないか、と思う。私は、かかる事情も日本のインテリではよくある自然的な何かではないかと思っている。

山本直樹の作品は、「レッド」しか読んだことないのでよく知らない。性表現の問題は昨年書いた中勘助の論文で自分なりに考えてみた。そのとき思ったのは、例えば、谷崎や永井荷風をすごいと思うのはいいとして、戦後の大江健三郎「性的人間」や宮谷一彦「性触記」などの作品をきちんと分析しておかないと、日本人は性表現に淫するとろくなことにならないぜ、という上の条例にある固定観念にきちんと反論できないのではないかということである。確かに雑な「子どもを守れ」スローガンに対して、成長には葛藤が必要なので「子どもを揉め」(←宮台氏w)と言うだけでは……。ボケに対するツッコミに過ぎないような気がするのである。

呉を行く2

2011-03-06 04:00:35 | 食べ物
 
本気で暮れてきたので駅に戻る。


そごうの七階でご飯を食べる。夜景撮るのって難しいですね。


満腹満腹。食堂(←食べ物を出してくるところはこの単語でいいと思うっ)を出るときれいなオブジェがいっぱい。

駅にこんなポスターが


「世界最大最強の戦艦大和」(←残念な戦艦の代表でもあるわな

呉を行く1

2011-03-06 03:20:44 | 旅行や帰省

高校生たち(「じゃけえ」とほんとにしゃべっている)と一緒に呉線に乗っていたら、知らないうちに呉に着いた。


大日本帝国に大輪の花が咲きましたっ


日が暮れてます……まさかね↓

大和ミュージアム閉館時刻でございます。(←!)


昔から人間は光る物とかでかい物が大好き


大和ミュージアムの前になぜポセイドンが……確かにいい男だが。

  
宇宙戦艦陸奥の主砲……人間はでかいものがお好き


私は理解した。陸奥の主砲の先にはポセイドン。いいのですか……西洋人を敵に回しちゃって……

 
大きい……まさか、ここに千光寺の寺の鐘が使われたのではあるまいか。


ミュージアムの裏側に回り込む。雲が映っている。





海辺で育ってないから、このようなものはみたことなかったね。人生がうまくいかなくなると泣きたくなるだろう、この風景は。木曽の三時日没とかもある意味泣きたくなるけどな……。



この彫刻の意味は、何?……私の脳裏に浮かぶのは↓

尾道を行く10──線路沿いを歩く篇

2011-03-06 02:51:41 | 旅行や帰省
駅まで歩くことにしよう。



被せてる


横道にそれてみる

戻る
 


電車がわたくしを追い越す


デザイン的に左の勝ちだとわたくしは思う。

尾道駅に着く。あ、志賀直哉の旧宅を観るのを忘れた。まあいいか……

知らないうちに福山に着いた。

時間もあるし、高松に帰りたくないので、呉に行くことにした。


この文章は、九州をややバカにしていると思う。


胴上げ……わっしょい



右見て左見て


わたくしは、こういうものが好きである。


……


よくみると人間の文化というのは面白いですね(棒読み)



乗ろう


新幹線はやいっ



……いつの間にか広島に着く。

尾道を行く9──艮神社篇

2011-03-06 02:30:37 | 神社仏閣

艮神社にふらふらと誘われる。さっきこの神社の上をロープウェイで偉そうに通過したことはなかったことにしよう。

樹齢八〇〇年以上らしい。これだけこれだけ長生きできるのはなにか理由があるに違いない。たぶん何も考えていないのでストレスがないのだろう。

石橋を叩いて渡るにはしゃがむ必要が……


巨石をみあげるわたくし


左手に入ってみる
 


板の間からのぞき見



ちょっと不気味な感じがしてきたので帰る。


人間の香り……ほっとする。

尾道を行く8──決死の降下篇

2011-03-06 02:19:38 | 旅行や帰省

ロープウェイで降ります。

わたくし専用列車(あとで、おばさんおじさんたちがきたけど)

もしかしたら、わたくし、高所恐怖症か……となりのおばさん曰く「高いところで育った人は高所恐怖症にならないんだって~」。私は標高700メートルぐらいで育ちましたけど……、あ、おばさんの言うのは高いビルとかのことか。



うわーーっ。揺れるっゆれるっ。


下を見るなっ(←映画の常套句)でしばらくして上を見る


でも下を見る





上を見る


尾道を行く7──「文学のこみち」篇5

2011-03-06 00:40:59 | 文学

吉井勇。「千光寺の御堂へのぼる石段はわが旅よりも長かりしかな」(昭和11年)石段がつらけりゃロープウェイをつかえばいいじゃない。(←渡邊アントワネット史郎)


ぬばたまの夜は明けぬらし玉の浦にあさりする鶴鳴き渡るなり
貫禄の万葉歌。


小杉放庵。「岩のまに」というところに気持ちがこもっておる。


尾道場所記念……がんばれお相撲さん。


陣幕久五郎の手形!


頼山陽。「相傳う残杯未だ傾け去らず 首を回らして苦に諸少年に嘱す 記取せよ先生曽て酔いし処と」飲み過ぎはよくない。左手に不気味な松の根が……




岩割松。この勢いでは、遠からず頼山陽の碑を破砕する。


すごいです。


鷹羽狩行。だから風速を……

(つづく)

尾道を行く6──千光寺篇2

2011-03-06 00:02:13 | 文学


昔、異人がこの岩に埋まっていた宝石を奪ったという伝説がある玉の岩。とにかく今も昔も我々は光る物が大好きです。


護摩堂から客殿を望む。

 
本堂へ行く途中。




水滴ぽっちゃん


鼓石。右側の傷は、大阪城の築城のときに切り出そうとした時のものらしい。太平洋戦争の時もこの寺の鐘が供出されたとか。非常時に信仰にすがるのではなく、逆に信仰はどうでもよくなる我々。