伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?

2008-01-12 10:05:48 | 自然科学・工学系
 酒と脳の関係についての解説書。
 酒好き・底なし派と飲めない派の2人の学者が掛け合い的に書いているのが、常に反対からの見方読み方を提示していて、楽しく読めました。
 表題にある、泥酔してもなぜ家に帰り着けるのかについては、泥酔すると新たな記憶を作る能力は失われるが過去の記憶は利用でき、視覚情報から見慣れた景色の情報が入るとこの信号は右にとかいう情報を出すナビゲーションニューロンが働いて、いつもの道であればたどり着ける、しかし新たな記憶を作れないのでどうやって帰ったかは覚えていないということになるそうです(6~7頁)。でも日常的に通っているルートでないと機能しないので電車を乗り過ごしたりしてふだん行ったことのない場所に連れて行かれたらもうダメだとか・・・(8~9頁)。
 酒を飲むと摂取したアルコール量に比例して脳の神経細胞が消えていくそうです(>_<)。加齢でも脳は萎縮するけどアルコールによる萎縮は人間の行動を理性的に抑制している前頭前野から進むんだとか(101~102頁)。う~ん。
 でも、ほろ酔い状態の時に脳は最も活性化するそうです(42~47頁)。これを底なし派は脳の情報処理能力が高まっていると解釈し、飲めない派は脳の機能低下をカヴァーするために多くの部分を活性化させて取り組むことになり反応時間が速くなるのは酔って抑制が外れていきおいで適当に判断しているためと解釈していますが。どちらにしても、ほろ酔いでは止められないのが酒飲みなんですよね。


川島隆太、泰羅雅登 ダイヤモンド社 2007年11月29日発行
コメント (1)
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