実直だが無口でコインのこと以外興味を示さない父親との2人暮らしに飽きて、不良仲間とつきあい大学に行かずに陸軍に入隊しドイツに駐留する青年が、休暇中に故郷で巡り会った女子大生とたちまちに恋に落ち、遠距離恋愛する青春恋愛小説。
主人公は女性関係もいい加減で粗暴で荒んでいたにもかかわらず、女子大生が主人公を正直で優しい人だと評価してすぐに好きになるという設定が、どうもしっくり来ないんですが、そこを乗り越えれば、遠距離純愛物語として波に乗れます。それにアスペルガー症候群と示唆される社会不適応だがまじめで子育てには誠実に当たってきた父と、高校時代はその父を不愉快に思い離れていた主人公が父の生き方への共感を深めていき関係を確認していく親子物語の流れがかぶさって行きます。ストーリーの進展に従い、最初はただの不良上がりの粗暴な青年だった主人公が成長していく様が読ませどころになっています。
最後は、素直な性格の読み手なら感動、斜に構えた読み手ならきれいごとに過ぎるんじゃないと感じるかと思いますし、まあこういう展開ならそう書くしかないなとも思いますが、それでもうまく収めています。
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原題:Dear John
ニコラス・スパークス 訳:雨沢泰
エクスナレッジ 2007年12月3日 (原書は2006年)
主人公は女性関係もいい加減で粗暴で荒んでいたにもかかわらず、女子大生が主人公を正直で優しい人だと評価してすぐに好きになるという設定が、どうもしっくり来ないんですが、そこを乗り越えれば、遠距離純愛物語として波に乗れます。それにアスペルガー症候群と示唆される社会不適応だがまじめで子育てには誠実に当たってきた父と、高校時代はその父を不愉快に思い離れていた主人公が父の生き方への共感を深めていき関係を確認していく親子物語の流れがかぶさって行きます。ストーリーの進展に従い、最初はただの不良上がりの粗暴な青年だった主人公が成長していく様が読ませどころになっています。
最後は、素直な性格の読み手なら感動、斜に構えた読み手ならきれいごとに過ぎるんじゃないと感じるかと思いますし、まあこういう展開ならそう書くしかないなとも思いますが、それでもうまく収めています。
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原題:Dear John
ニコラス・スパークス 訳:雨沢泰
エクスナレッジ 2007年12月3日 (原書は2006年)