高1の時に受けた全国模試の偏差値が35で一念発起して受験勉強に没頭し、関学(関西学院大学)の法学部に合格し、在学中に司法書士試験に合格、その後公認会計士試験に合格した著者が、勉強慣れしていないビハインド状態からの受験勉強のやり方を解説した本。
じっくりこつこつと知識をインプットしてから問題を解いていくという「正攻法」は時間がない後れをとっている受験生には向いていないとして、試験に出るところに力を入れるために、教科書は大枠をつかむために薄いものをサラッと一読して、直ちに問題集に取り組み、そこでわからないところを教科書等でじっくり調べるべきだと提唱しています。その理由は、教科書はストーリーのある物語で試験に出題されない情報も多いが、問題集は試験に出る(可能性がある)情報しか載っていないから、問題集に出てくる問題を中心に情報をインプットすべきということに求められています。そして後れをとっている受験生は、問題を解く時も、正解を得ることではなく、そのタイプの問題を解く思考回路を身につけることに意味があるのだから、解答を見ながら解いて「解説」を頭に入れることが大事だと説明しています。教科書を読むにしても、1ページ目から読む必要はなく、受験する大学の過去問数年分の出題範囲を見てそこを中心に読む、目次を見てページ数が多い項目(重要項目だからページが割かれている)から読むべきだとも。「正攻法」で育った私には、マニュアル世代向けの書きぶりに少し釈然としない思いもありますが、限られた時間での勉強という条件からすれば、そういうものかなとも思えます。
もっとも、著者のプロフィールから見ると、著者の大学受験は10年以上前。現在の大学受験にも当てはまるか、自身の記憶の鮮度は、という問題は、読む上で念頭に置いた方がいいかなとも思います。もちろん、私のような、大学受験なんて37年前(共通一次以前)のおじさんが昔を懐かしんで言う戯言とは全然次元が違うと思いますが。
碓井孝介 朝日新聞出版 2015年4月30日発行
じっくりこつこつと知識をインプットしてから問題を解いていくという「正攻法」は時間がない後れをとっている受験生には向いていないとして、試験に出るところに力を入れるために、教科書は大枠をつかむために薄いものをサラッと一読して、直ちに問題集に取り組み、そこでわからないところを教科書等でじっくり調べるべきだと提唱しています。その理由は、教科書はストーリーのある物語で試験に出題されない情報も多いが、問題集は試験に出る(可能性がある)情報しか載っていないから、問題集に出てくる問題を中心に情報をインプットすべきということに求められています。そして後れをとっている受験生は、問題を解く時も、正解を得ることではなく、そのタイプの問題を解く思考回路を身につけることに意味があるのだから、解答を見ながら解いて「解説」を頭に入れることが大事だと説明しています。教科書を読むにしても、1ページ目から読む必要はなく、受験する大学の過去問数年分の出題範囲を見てそこを中心に読む、目次を見てページ数が多い項目(重要項目だからページが割かれている)から読むべきだとも。「正攻法」で育った私には、マニュアル世代向けの書きぶりに少し釈然としない思いもありますが、限られた時間での勉強という条件からすれば、そういうものかなとも思えます。
もっとも、著者のプロフィールから見ると、著者の大学受験は10年以上前。現在の大学受験にも当てはまるか、自身の記憶の鮮度は、という問題は、読む上で念頭に置いた方がいいかなとも思います。もちろん、私のような、大学受験なんて37年前(共通一次以前)のおじさんが昔を懐かしんで言う戯言とは全然次元が違うと思いますが。
碓井孝介 朝日新聞出版 2015年4月30日発行