40歳前後の女性をターゲットとする雑誌「クワランタ」のフリーランススタッフで洋酒会社の社員からライターに転身した毒舌家の日野原翔子、上背があり色黒で大仏と呼ばれるコーディネーターの西恵、カメラマンの夫と離婚して財産分与で得た渋谷のマンションに住むスタイリストの藤田友美、21歳年上の弁護士と不倫の関係を続けるモデル出身の「カメラマン」志賀ルミの4人のアラフォー女性の仕事と男性関係、先行きへの不安、焦燥感などを描いた小説。
章ごとに中心人物をずらせる短編連作のように見えつつ、恵の怪しい男の誘いに乗ったロシア行き、翔子のメンタル不調、友美の母親介護、ルミの長すぎた不倫と年下男とのアバンチュールなどの事件をつないでさまざまなエピソードを絡め合わせて一つのお話の体裁を保っています。
アラフォー女性の結婚への願望と失望、男との間合い、親の介護と自分の老後への不安とともに、フリーランス=自営業の矜持と悲哀が大きなテーマになっています。零細自営業者としては、身に染みる/身につまされるところがあります。
女性のフォトグラファーが主要登場人物の作品で、「カメラマン」という言葉が使われるのは今どき珍しい。男中心の業界への皮肉なんでしょうか。

谷口桂子 小学館 2019年3月9日発行
章ごとに中心人物をずらせる短編連作のように見えつつ、恵の怪しい男の誘いに乗ったロシア行き、翔子のメンタル不調、友美の母親介護、ルミの長すぎた不倫と年下男とのアバンチュールなどの事件をつないでさまざまなエピソードを絡め合わせて一つのお話の体裁を保っています。
アラフォー女性の結婚への願望と失望、男との間合い、親の介護と自分の老後への不安とともに、フリーランス=自営業の矜持と悲哀が大きなテーマになっています。零細自営業者としては、身に染みる/身につまされるところがあります。
女性のフォトグラファーが主要登場人物の作品で、「カメラマン」という言葉が使われるのは今どき珍しい。男中心の業界への皮肉なんでしょうか。

谷口桂子 小学館 2019年3月9日発行