伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

これは経費で落ちません! 1~11

2024-07-17 23:25:55 | 小説
 中堅石鹸・入浴剤メーカー天天コーポレーションの経理部に勤務する1巻時点で入社5年27歳、11巻時点で入社7年29歳の森若沙名子と経理部の面々、営業部の山田太陽らの会社勤めと人間関係、仕事上の駆け引き等と恋愛関係を描いた小説。
 タイトルから、主人公の森若沙名子がごまかしを目論む営業部員が持ってくるいかがわしい伝票を厳しくはねつける場面を予想していましたが、森若は大半の場面で上司が承認しているのならと承認して行き、このタイトルは何だったのかと思いました。タイトル通りの言葉が出るのは、3巻末から登場した「タイガー美華」こと麻吹美華が4巻で山田太陽の出金をはねつけた場面(4巻15ページ。もっともこのときは「これは経費で落ちません」で「!」はなし。文字通りの「これは経費で落ちません!」は、営業部の謎のフィクサー山崎柊一が森若と麻吹との3人での喫茶店代を落としてくれというのを麻吹がはねつける6巻183ページで初登場)。森若が山田にデートのためにデパ地下で買ったお弁当代「経費で落ちる?」と聞かれて「落ちません!」という場面(4巻232ページ)はありますが、これまでのところ、森若が「これは経費で落ちません!」という場面は登場していません(私が見落としていなければ)。まだまだ続きそうですので、これから先に出てくるのかも知れませんが。
 各巻冒頭に6~8名の登場人物紹介がありますが、山田太陽の先輩の営業部員の嫌われ役鎌本は登場頻度割と高いのに1度も紹介されていません。同じく嫌われ役の馬垣和雄は3巻の登場人物紹介に出ているのに。なんだか哀れ。
 文庫書き下ろしなんですが、各巻4話+エピローグ(経理部員佐々木真夕視点の一部振り返りなど)の構成が踏襲されています。5巻だけ、別巻とか外伝ふうの脇役たちのエピソード5話+森若目線のエピソードで、サブタイトルが「落としてください森若さん」になっています(5巻以外は、すべてサブタイトルは「経理部の森若さん」:何のためにこのサブタイトルはある?)。


青木祐子 集英社オレンジ文庫
 1巻 2016年5月25日発行
 2巻 2017年4月25日発行
 3巻 2017年10月25日発行
 4巻 2018年6月26日発行
 5巻 2019年2月25日発行
 6巻 2019年7月24日発行
 7巻 2020年5月25日発行
 8巻 2021年4月25日発行
 9巻 2022年3月23日発行
10巻 2022年12月25日発行
11巻 2023年11月21日発行

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