伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

自然科学ハンドブック 恐竜・古生物図鑑

2023-05-15 21:33:32 | 自然科学・工学系
 中生代以降の絶滅した恐竜その他の生物について図解し解説した本。
 それぞれの生物の呼称、分類、生息年代、生息環境、体長、体重、食性と解説を、大半は外見のイラスト(人の大きさとの比較付き)、一部は骨格標本をつけて掲載しています。化石等からどうしてそこまでわかるのか、不思議に思います。科学の進歩なのか、想像力と蛮勇なのかはわかりませんが。ティラノサウルスの背中に毛が生えているイラスト(112~113ページ)は、ちょっと衝撃的でした。
 また、さらっと「かつて恐竜は動きの遅い外温性(変温性)の動物だと考えられていたが、今では多くの恐竜が内温性(恒温性)だったといわれている」と書かれている(11ページ)のも、学問の進歩・知見の変化を感じました。
 ずっと見ていくと、遙か昔からさまざまな動物が誕生しては絶滅していったことに感慨を抱きます。子どもの頃から、人類は二足歩行をすることで手が移動から自由になり道具の製作・使用ができるようになったという説明を聞かされてきたのですが、早くも中生代最初の三畳紀に二足歩行で前肢に4本の指があり「手を握る動作ができた」というグナトボラクス(48ページ)、イラストではかなり体を起こした二足歩行をして「手の親指がほかの指と向き合っていたので、手で食物をつかむことができた」というプラテオサウルス(51ページ)がいたというのを見ると、二足歩行で手が自由になるということの意味についてもいろいろに考えるべきことがあるように思えます。クジラが、陸生のブタの仲間が海洋に移動して適用したという話(160ページ)なども含めて、生物の「進化」のありよう、一直線の進化があるわけではないことに思いをはせました。


原題:Dinosaurs and Other Prehistoric Life
グレゴリー・F・ファンストン監修、ヘイゼル・リチャードソン著 田中康平監訳、喜多直子訳
創元社 2022年12月30日発行(原書は2003年・2021年)
 
 
 

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