日本初の「介護弁護士」を自称している(5ページ)という著者が介護利用者側でトラブルに対応する知識と心構え等について解説した本。
「不毛なトラブルを一件でも無くし、トラブルになりかけても話し合いで平和的に解決することで、介護の現場に元々備わっている調和の世界と『おかげさま』の精神を取り戻したい」(9ページ)という著者の姿勢は、利用者側が権利を強く主張することを抑制する方向に働き、ともすれば施設・事業者側にとってありがたい結果につながることになるでしょう。しかし、弁護士も威勢のいいことをいっていればいい結果が出るというものでもなく、無謀な主張はしない方がいいというのも真理です。
介護をめぐる制度や実務、実情について、法律の説明はあまりしていませんが、というよりも法律の条文や規定を挙げないから読みやすく必要そうなことがらを説明しているように思えます。まずは地域包括支援センターの人と親しくなろうとか、ケアマネは施設ごとに変わるから選べないとか、老健施設はリハビリと位置づけられているから数か月で出なければならない、ヘルパーと訪問看護師は(法令上)できることが違うから頼めることが違う(かなりうるさく区別される)とか、よく知らなかったことがあれこれ書かれているのが勉強になりました。裁判でどうする的なことはあまり書かれていませんが、それ以前の段階での常識的な対応について参考になる本だと思います。
外岡潤 本の泉社 2023年4月28日発行
「不毛なトラブルを一件でも無くし、トラブルになりかけても話し合いで平和的に解決することで、介護の現場に元々備わっている調和の世界と『おかげさま』の精神を取り戻したい」(9ページ)という著者の姿勢は、利用者側が権利を強く主張することを抑制する方向に働き、ともすれば施設・事業者側にとってありがたい結果につながることになるでしょう。しかし、弁護士も威勢のいいことをいっていればいい結果が出るというものでもなく、無謀な主張はしない方がいいというのも真理です。
介護をめぐる制度や実務、実情について、法律の説明はあまりしていませんが、というよりも法律の条文や規定を挙げないから読みやすく必要そうなことがらを説明しているように思えます。まずは地域包括支援センターの人と親しくなろうとか、ケアマネは施設ごとに変わるから選べないとか、老健施設はリハビリと位置づけられているから数か月で出なければならない、ヘルパーと訪問看護師は(法令上)できることが違うから頼めることが違う(かなりうるさく区別される)とか、よく知らなかったことがあれこれ書かれているのが勉強になりました。裁判でどうする的なことはあまり書かれていませんが、それ以前の段階での常識的な対応について参考になる本だと思います。
外岡潤 本の泉社 2023年4月28日発行
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