伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ふたりの窓の外

2025-02-11 01:56:57 | 小説
 広い人脈でのコネによる細切れの頼まれ仕事を器用にこなして生活する売れない芸能人塔野壮平こと鳴宮庄吾が不仲だった父の葬儀の日、恋人だった渋井正則が交通事故で死んだ葬儀の席で渋井が大学の後輩と二股をかけ続けていたことを知らされ当の相手から詰られていたたまれなくなって抜け出してきたふつうの事務職藤間紗奈と、火葬場の喫煙室で出会い、渋井が予約していた1泊2日のキャンセルできない温泉旅行に同行することになって…という設定で始まる恋愛小説。
 4つのパートを鳴宮視点と藤間視点で交互に展開し、距離を置いた2人の心理を相互に観察する読み物になっています。すれ違いではなく、相対しつつの焦らしというか、あるいは気長さ、ゆっくりした時間の流れへの志向を味わう作品というべきかも知れません。


深沢仁 東京創元社 2024年11月29日発行

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