フランスの小さな村で、なついていた犬が車にはねられ目の前で飼い主に撃ち殺されたのを見て衝撃を受けた12歳の少年アントワーヌが、事情を知らずにやってきた隣人の6歳の少年レミに手にした木の枝を振り下ろして殺害してしまい、その後行方不明のレミを捜索する騒動に怯えつつ過ごす日々を描いたサスペンス小説。
主人公の視点から周囲の人の視線や捜索の手が近づかず遠ざかることにどこかホッとしつつ、しかし第三者の視点からそれでいいのかという思いに駆られる、その不安定な心情を読む作品かと思います。そういう点で、それにふさわしいラストだと私は思いましたが、納得できない思いを持つ読者もいるだろうなとも思います。
舞台は最初が1999年で次が2011年。日本ならJCOの臨界事故と福島原発事故の年ですが、もちろんそういう話題は出てきません。日本の小説ならお約束のノストラダムスも…
原題:TROIS JOURS ET UNE VIE
ピエール・ルメートル 訳:橘明美
創元推理文庫 2023年10月10日発行(原書は2016年)
主人公の視点から周囲の人の視線や捜索の手が近づかず遠ざかることにどこかホッとしつつ、しかし第三者の視点からそれでいいのかという思いに駆られる、その不安定な心情を読む作品かと思います。そういう点で、それにふさわしいラストだと私は思いましたが、納得できない思いを持つ読者もいるだろうなとも思います。
舞台は最初が1999年で次が2011年。日本ならJCOの臨界事故と福島原発事故の年ですが、もちろんそういう話題は出てきません。日本の小説ならお約束のノストラダムスも…
原題:TROIS JOURS ET UNE VIE
ピエール・ルメートル 訳:橘明美
創元推理文庫 2023年10月10日発行(原書は2016年)
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