90歳を前に同い年の妻が就寝中に死亡したのを受けて、失意の著者が人生の節々での妻との思い出を綴ったエッセイ。
1930年生まれの著者(私とはちょうど30歳違い)の世代を反映して、転職・転勤を繰り返す著者に、教師を辞めて夫唱婦随でついて行く専業主婦となる妻の選択を、ひいてはそれをさせた自分の人生を正当化しているくだりと価値観には、世代の違いを感じますが、妻に感謝し讃える言葉を若い頃から衒いなく伝えていた様子、仲睦まじい様子は、微笑ましく羨ましくも感じます。
妻を終始「あなた」と呼びながら、しかし妻に話しかけるのではなくやはり第三者に説明する文体は、妻のことを中心に語るのならば弔辞のように思えますが、内容は2人の想い出なので妻に語っているようでもあり、少し不思議なニュアンスのある読み物でした。
加藤秀俊 新潮文庫 2024年1月1日発行(単行本は2021年6月)
1930年生まれの著者(私とはちょうど30歳違い)の世代を反映して、転職・転勤を繰り返す著者に、教師を辞めて夫唱婦随でついて行く専業主婦となる妻の選択を、ひいてはそれをさせた自分の人生を正当化しているくだりと価値観には、世代の違いを感じますが、妻に感謝し讃える言葉を若い頃から衒いなく伝えていた様子、仲睦まじい様子は、微笑ましく羨ましくも感じます。
妻を終始「あなた」と呼びながら、しかし妻に話しかけるのではなくやはり第三者に説明する文体は、妻のことを中心に語るのならば弔辞のように思えますが、内容は2人の想い出なので妻に語っているようでもあり、少し不思議なニュアンスのある読み物でした。
加藤秀俊 新潮文庫 2024年1月1日発行(単行本は2021年6月)
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