伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

探偵の探偵 Ⅰ~Ⅳ

2023-10-11 22:23:42 | 小説
 高2のときに、ストーカーにつきまとわれたために遠縁の親戚宅に避難させていた中学生の妹咲良がそのストーカーに殺害され、警察でストーカーが所持していた咲良の所在を探り当てた探偵の無記名の調査報告書を見せられ、復讐心と悪徳探偵への敵愾心を募らせた紗崎玲奈が、探偵養成スクールに通い、事情を聞いた所長の須磨康臣の下で悪徳探偵の被害者の被害を調査し対応する「対探偵課」員として、配属された妹のような峰森琴葉とともに、悪徳探偵と対峙し、妹の所在をストーカーのために調査した探偵を探すという小説。
 もともと新体操で国体出場の運動神経に暴力団系のテコンドー道場でしごかれ、違法な手口も含めた調査技術をたたき込まれた紗崎は、DV男やストーカーのために働く探偵たちめがけて野に放たれた狼のように噛みついていきますが、度々相手に襲われてボロボロに傷つきます。読み味はミステリーやアクションというよりはバイオレンスものです。「あしたのジョー」で、プロデビュー後の矢吹丈が毎回ノーガード戦法で散々相手のパンチをもらってからクロスカウンターで相手を仕留めてくるのに、なんで格下相手にそんなにパンチをもらわなきゃならないんだと叱責し嘆く丹下段平のような感想を持ちました。毎回危険にさらされる女性の探偵としては、V.I.ウォーショースキー(サラ・パレツキー)が有名ですが、それをさらに過激にしたイメージです。暴力、特に女性への暴力の描写を好まないもので、読むに堪えないというか苦痛に思えるところが多々ありました。
 調査/情報収集の方法(一部適法、違法なもの多数)、住居侵入の方法(違法)、手近なものを武器にした戦い方(ほぼ違法)などについてのトリビアに読みでがあります。実際に試すわけにはいかない(よい子はマネしないように!)ものが大半ですので、その実効性を実感・検証できるわけではないのですが…
 2015年に北川景子主演でテレビドラマ化されたとかで(例によってテレビ見ないもので知りませんでしたが)、1巻から3巻まで統一したイメージのイラストだった表紙が4巻では違うイメージの写真になっています。販売政策上の判断でしょうけど、どうかなと思います。


松岡圭祐 講談社文庫
Ⅰ 2014年11月14日発行
Ⅱ 2014年12月12日発行
Ⅲ 2015年3月13日発行
Ⅳ 2015年7月15日発行




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