東京都豊島区巣鴨は、「お年寄りの原宿」などと呼ばれています。
それは、「とげ抜き地蔵」で有名な曹洞宗高岩寺の門前通りが「地蔵通り商店街」として、地蔵さん詣りのおばあちゃんたちで賑わうからです。
そんな巣鴨には、お地蔵さんだけでなく、T理教の東京教会があったり、S価学会の大きな会館があったりします。
お地蔵さんの縁日である24日が土曜日や日曜日などと重なると、おばあちゃんたちの大群が地蔵通りに押し寄せ、S学会の会員さんたちがキラキラした目を輝かせて会館を目指し、T理教の人たちがお揃いのはっぴを着て歌い踊るという、巣鴨駅はまさに宗教のスクランブル、宗教の坩堝(るつぼ)と化すのでした。
これからお話しするのは、今から20数年前に、そんな巣鴨で起こった奇妙な実体験の物語です。