私が、永平寺の修行を終えて、「曹洞宗ボランティア会(現シャンティ国際ボランティア会)」のスタッフとして五反田の事務所に勤めていた時、宿としていたのが、巣鴨の泰宗寺さんというお寺の離れで、言わば居候の形でした。
曹洞宗ボランティア会は、曹洞宗教団が立ち上げた難民救援団体「曹洞宗東南アジア難民救済会議」のボランティアとして現地に赴いたメンバーが、その活動を引き継ぐ形で創設した団体でした。
ほとんど資金のない、学生が中心の貧乏団体でしたが、何とか自前の事務所が欲しいということで、私が見つけてきたのが五反田のワンルームマンションでした。
永平寺に修行に行く直前でしたので、私の部屋にあった家財道具、机や椅子、テレビや冷蔵庫、電話まで、そのほとんどを持ち込んで開設した事務所でした。
修行が終わったらすぐにその事務所に勤めるという約束でしたので、永平寺から歩いて帰って間もなく、上京することになりました。
団体からの給料は月に3万円しか出せません。そこで、空いている離れを宿として無償で貸してくれたのが泰宗寺さんだったのです。