なあむ

やどかり和尚の考えたこと

免停 5

2012年04月25日 22時48分53秒 | 免停

友だち思いの私は、部屋から店の鍵をとってきて、店に入り車の鍵を調達しました。

駐車場で四人が車に乗り込み、三茶へと向かいました。

何という不運だったのでしょうか。

ちょうどその直前、三菱商事か何か大企業の社長宅へ送られた小包爆弾が爆発するという事件が起こったのです。

過激派学生運動グループの犯行と思われていたのでしょう。

そんなことは知る由もなく、

「あれー、今日はやけに警察多くねえ」

「何かあったのかな」

「気をつけていくべ」

その時です。

間もなく三茶の交差点にさしかかろうとしたその時、目の前に立っていた警官が赤色灯を横に振ったのです。

「左に入れってかな」

いやいや、それは一斉検問の止まれの合図でした。

勘違いした私は、左の路地に車を向けました。

すると、目の前の警察官の動きが急に慌ただしくなりました。

止まれの合図を無視して「逃げた」と思われたようです。

車は白のバン、中には学生風の四人が乗っている、制止を無視した。

もう、警察官は「本命」「獲った」とざわめいたことだったでしょう。

路地の前からと後からと、自転車やらパトカーやらがわんさか集まって、どの顔も色めきだっています。

何だ何だ、何が起こった。

というところで、続きは次回に。


大震災123 「フクシマ元年」

2012年04月25日 18時45分10秒 | 東日本大震災

先日講演をいただいた、渡辺祥文さんからご紹介いただいた本の一つ、フォトジャーナリスト豊田直己『フクシマ元年』(毎日新聞社)を読みました。

震災直後から被災地に入って取材を続けてきた1年間の記録です。

世界各地の紛争、イラクの劣化ウラン弾の取材をした著者の、偏りのない冷静な文章が一つ一つ腑に落ちます。

福島で何が起こったのか、何が起こっているのか、マスメディアでは報じられない、現場の生の様子が手に取るように分かります。

国は、原発を再稼働させることが最優先で、そのためには原発は安全であることにしなければならず、そのためには、現在それが原因で苦しんでいる福島の人々の様子を伝えることを極力押さえ込んでいるとしか思われません。

広島に落とされた原爆168個分のセシウムが放出されたといわれる、この国最大の事故も、知ろうとしなければ知り得ず、見ようとしなければ見えない、危機的な状況にあります。

もはや、知ろうとしないこと、見て見ぬ振りをすることは、「罪」だと言いたいと思います。

是非多くの人に読んでもらいたい、知ってもらいたいと希求します。

かき消され、押しつぶされてしまっているような福島の人々の叫び声に耳を傾けてください。

4月23日の朝日新聞連載「プロメテウスの罠」で、福島県浪江町赤宇木の男性が昨年11月、避難先から自宅に戻り、包丁で腹を刺して死んだことを取り上げました。

「あれの自殺は、最大の抵抗だ」 (長老)

「人間には、耐えられる限界というものがある」(馬場町長)

福島の人々にだけ苦しみを押しつけてはなりません。