Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

長谷川等伯展感想(1)

2010年02月26日 23時39分46秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 長谷川等伯展の感想を書こうとしたら、昨日も今日もまた仕事(のようなもの)で、遅くなり23時近くにようやく帰宅できた。三毛猫の子猫さんからの期待に筆(指)も緊張して言葉が滞ってしまう。取りあえず夜食休憩の合間を利用して感想らしきものをつくり、それをベースに作り直してみた。
 何しろ素人の感想である。間違いも頓珍漢もあると思うが、それはご愛嬌で許してほしい。


 会場に入って最初は十二天図。これがなかなか人を惹きつける。12の顔、表情も生き生きとして個性豊かに描き分けられ、仕草も服装も細密画を思わせる丁寧な仕上げに目を奪われる。これまで見た様式化された十二天図とは違っている。ひとつずつモデルがいるような絵だ。
 仏画が力感あふれるものであっても静的なものであると勝手に誤解していた不明が露わになった。


 そして仏涅槃図は大小二つあったが、私は小さいほうの涅槃図が気に入った。こちらのほうが周りの者の表情が実に豊富で仕草も豊かだ。寝転がって子供が泣き喚くような赤鬼のような仕草のものもいる。無表情に眠ったような、悟って無関心なような天人ないし菩薩見たいなものも面白い。面白いといってはいけないのかな。
 十六羅漢図も表情が秀逸だ。温和なだけでもなく、怪異に過ぎるでもなく、人間のさまざまな表情が、少し滑稽味をもって太い線で克明に描かれている。完成した人格とは程遠く、迷い・笑い・しかめっ面あり、これは飽きない16人である。
 また山水図と寒江渡舟図の蓑を着た人物は、私の好きな構図である。緑が生きていると思う。