Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

自句自解(14) 一輪

2010年03月03日 06時33分35秒 | 俳句・短歌・詩等関連
★元日や街を静める寺の鐘
★初日の出かもめかすめる白灯台
★大寒や火のなき部屋も昏れんとす
★小寒や赤き芽の木のリンと立つ
★冬オリオン街に明かりを滴らす
★葉を打てる音の高鳴り霰降る
★寒木瓜の小さき一輪赤き一輪
 このような句を並べると、やはり自分でも未熟なんだな、と感じる。それぞれに添削をしてもらっている。添削前の句を見ると、このような句に付き合ってくれるのだから、俳句誌の主宰というのも大変なのだなと今更ながら思う。また病気の時の衝迫力がなくなると、自分のことながらこうも力がなくなるのかなとも感じる。
 それらの句の中でもとりあえずよさそうなのを引っ張り出してみた。
自分なりに今でも好きなのは、「冬オリオン」「霰降る」「寒木瓜」の三つの句だ。
 はじめの句、私としては除夜の鐘ではない。毎朝日の出直後に聞こえてくる寺の鐘の音が、人通りのいない町に軽い掛け布団のように覆いかぶさってくるのを句にしたかった。
 「火のなき部屋」の句はあくまでも時の移ろいの結果に着目しての句である。読書に夢中になっていて気づいたら日が落ちて寒かったことを詠んだ句だ。乏しかったころの回想の句ではない。
 「小寒や」の句は「リンと」がいけない。しかしいい語が出てこないので、恥をさらすようだがこのままにした。
☆小寒や赤き芽の木のまっすぐに
 多少はよくなったのかな?とは思うが‥余りに平凡でもある。
 あとの3つの句は、素材も形もとりあえず私なりには満足している。