Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

自句自解(21) 友を送る

2010年03月23日 23時53分42秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 (二〇〇四年正月初詣にて)
猿もいて二日の夕日ののびやかに

 4回目の入院は正月元旦の退院。薬の副作用で全身の発疹は出ており、また薬がすっかり体内から抜けるまではお屠蘇も飲めなかったものの、気分的にはのびやかな正月となった。
 信仰心のまったくない私ではあるが、正月の初詣客を相手のさまざまな芸は、見ていて飽きない。

 (友人K君を送る)
逝く人を送りし庭の紅椿
紅椿逝く人のごと不意に落つ
重かりし野辺の送りの落椿

 この年、30年来の付き合いの二つ上の友人が無くなった。体調を崩していたが、これほど早く亡くなるとは思っていなかった。私の場合は友人や親族を送る場面での句が多い。いつもはがきに句をしたためて棺の前やお墓に供えることにしている。

雪やなぎ風をためつつ風を生む
歩を止めて一番星を花の間に
柔らかに湯のあふれ出る花の夜
一番星菜の花色に風わたる

 先の友人を送った後は、病気の回復が一定順調のためか、気持ちにもゆとりができてきた。