


本日は目の休養もかねて、のんびりと過ごそうとしていたら「暑いからそごう美術館にお化け屋敷がわりに行こう」という発議。夏休みの混雑も想定したが、何もせずに家でじっとしているよりはずっと有意義であることは間違いがない。
収穫は何だったろうか。まず、45分の冷房の効いた会場は確かに背筋がとても冷えた。涼しくなる目的は充分達することが出来た。
そしてコレクター吉川観方のコレクションとそれを寄贈された福岡市博物館にあるとてつもない量の幽霊・妖怪図の数々ということか。
今回はこの1万2千点のコレクションのうちからわずか160点といっても、展覧会の量としては充分見ごたえがある。それも円山応挙、長沢廬雪、歌川広重、歌川国芳、月岡芳年、河鍋暁斎、伊藤若冲となかなかすごいものである。このすごさにやはり背筋がゾクゾクした。
構成は、
プロローグ 笑う骸骨
第1章 幽霊画の世界
1-1 幽霊画の世界
1-2 歌舞伎の幽霊画
第2章 妖怪画の世界
2-1 百鬼夜行と妖怪図巻
2-2 鬼
2-3 天狗
2-4 人間
2-5 妖怪動物園
2-6 実録 化物退治
図録は購入しなかったが、チラシの二面の図で取り合えず雰囲気を味わってもらおう。
特に第1章の幽霊図は円山応挙にはじまるさまざまな幽霊図のオンパレード。これでもかこれでもかといろんな作者や幽霊のさまざまなパターンが並んでいる。さすがにちょっと怖いが、それこそ幽霊図の全パターンを見せてもらって満腹という感じをうけた。
この展覧会、絵画史のジャンルとしての価値もあるだろうが、風俗史や社会学的な興味も引き起こすコレクションと思えた。
そして最後にコレクターで画家でもある吉川観方の作である「お岩」「お菊」の図。チラシの3ページ目でが、これは有名な幽霊となる「お岩」が念入りに化粧をしている様子と、隣の部屋に住む「お菊」に声をかけてお菊が壁越しに応答しているというありえない場面を想定した絵である。
これがなかなか印象深い一対の絵であった。
会場の解説はとても丁寧で、どのような場面なのかや作られた背景など細かな説明が貼り付けてある。通常の絵画展よりは少し照明が暗いのは古い作品の保護と言う側面がありそうであるし、幽霊の雰囲気からは理解が出来る。
ところが私の目がやはりつらい。説明の細かな字がとても読みづらい。眼科の視力検査ではこれまでと同じように視力はあった。やはり疲れ目、ひょっとして眼精疲労なのだろうか。
会場を出たあと、喫茶店で一服したが目の奥が何となくだるい。緊張したためなのだろうか。痛いというほどではないが、疲労感が残った。
ということで、本日はこのへんでもう眠ることとしよう。



