うとうとしながらユーチューブでカザルスの「鳥の歌」を聴いていた。短い曲だが、心に沁みる曲である。現在の他の演奏者の録音の新しいものもいくつか聞いてから、この1961年のカザルスの演奏を聴くのが私の聴き方。ホワイトハウスで演奏、カザルス85歳。
多くの人はこの曲ばかりを聞くが、この日カザルスはメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番」、クープラン「演奏会用小品」、シューマンの「アダージョとアレグロ 」そしてカタロニア民謡のこの「鳥の歌」の4曲を演奏している。合わせて100分を超える演奏をこなす超人的な演奏に脱帽である。しかも「鳥の歌」では左指で弦を抑える音が響き、力強く吐く息が聞こえる。最後まで気力と体力が漲っている。「息を飲む」というのはこのような演奏を言うのだと思う。うつらうつらしていた気分が、次第にしゃきっとする。
本日は、「鳥の歌」とメンデルスゾーンの「ピアノ三重奏曲」を聴いて、就寝の準備。