夕食後、ベートーベンのピアノトリオを聴きながら、「日経サイエンス12月号」の特集記事のひとつ「長期化するCOVID-19」から、「ワクチンの実力」「米国を揺るがす誤情報」の2編を読み終えた。
「(ロシア、中国につづき)米国ではトランプ氏が大統領選挙前の実用化をにおわす発言をし、ワクチンは政局の材料に使われている。9月8日、欧米の製薬メーカー9社は共同で「第3相試験で有効性と認められない限り、我々は承認申請を行わない」との異例の共同声明を発表した。ワクチン開発への政治的な介入を、各社が強く憂慮していることを示すものだ。十分なデータの分析と検討を欠いたまま承認されれば、ワクチンはCOVID-19を制する武器にはならず、かえって長期的な混乱を招く危険がある。ワクチンの有効性と安全性の判断は、どんな状況でも科学によって下される必要がある。」(「ワクチンの実力」、出村政彬(編集部))
「米国を揺るがす誤情報」は、危機の状況ほど陰謀論や流言飛語・フェイクニュースが世界中でまかり通る恐ろしさを目の当たりにしているわけであるが、いまだにそれが政治すらも動かしている状況、しかも日本でも野放しにされていることにもっと危機感を募らせるべきだと思って読んだ。
この指摘は肝に銘じておきたい。特に日本の政権与党を構成する政治家にはよくかみしめてもらいたいものである。
明日の退職者会のイベントにエッセンス部分を数部コピーの上、参考資料として渡したい。科学雑誌になじみのない仲間でも十分にこなせる内容だと思う。
私としてはもうひとつの特集「星の地図をつくる-見えてきた天の川銀河の姿」も大いに興味がそそられているので、こちらも急いで目を通したい。
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