朝から能登地方の地震のニュースばかりを見ていた。亡くなった方を哀悼するとともに被災されている方へお見舞いをまずは申し上げたい。
予定していたことも手につかずに、報道を注目している。
能登半島の群発地震の原因について、いろいろな議論がある。地下深部のマントルから300度ともいわれる高温の流体が上昇し、一連の地震を起こしている、ということになってきている。
今回、気象庁の記者発表の資料のうち震央分布の図を見た。
まずは余震の多さに驚く。
そして余震域は陸地を走っている。建物の倒壊などが多いのは、直下型地震の恐ろしさを目の当たりにしているのであろう。
さらに昨日の夕方の大きな地震以前とそれ以降の震央分布に大きな変化があることにも驚く。地震活動が活発になって以降、珠洲市の北部と北側の海の周囲の狭い範囲に集中していた。しかし今回の大きな地震の震央の分布は佐渡島の西部から能登半島北部に沿って、志賀町の西までの実に広い範囲に及んでいる。
昨日の大きな地震の震央は珠洲市の北部の海沿いであったが、もっとも強い揺れの震度7を記録したのはこの震央分布の西の端の志賀町である。深度の浅い地震なので、地質の差ということだけなのか、流体の移動によると言われるこれまでの地震のメカニズムと、今回の地震に照らしての整合性のある解析が待たれると感じた。
四番目に気がついたのは、もっとも揺れた志賀町、しかもこの震央分布図の最西端に位置する地点が北陸電力志賀原発の立地点である。はたして原発立地の前提である土地の事前調査の妥当性はどうだったのか、が問われるのではないか。
発生時間を追った余震域の時間経過を見たいが、その動画はなかった。震央をプロットすると余震発生時間とマグニチュードが表示されるが、私の目にはランダムに映った。しかしきちんとした解析が必要と思える。今回の震源域の崩壊の推移も大切な情報と思われる。
今後の原発論議では是非とも俎上に載せてもらいたい点である。