「スペイン美術史入門」(大高保二郎監修)のゴヤの部分を読んでいるうちに、堀田善衛の「ゴヤ」を思い出し、書棚の「堀田善衛を読む」(集英社新書、2018.10刊)を手にとって見た。
読み忘れていた本。池澤夏樹、鹿島茂、宮崎駿、吉岡忍そして大高保二郎に対する「高志の国文学館」(館長:中西進)のインタビューを書籍化したもの。
早速「堀田善衛のスペイン時代」に目を通した。
堀田善衛が「ゴヤ」の執筆のためにスペインに滞在したときに、留学中の大高氏が1973〜76年の3年間同行したことが述べられている。堀田善衛と大高氏の接点がこのように濃密であったこと、堀田善衛から大きな影響を受けていることを初めて知った。
教科書的な「美術史」は耐えながら読む側面もあるが、この大高氏の文章に触れ、読み継ぐことができそうである。
「美術史」と並行して「堀田善衛を読む」の他の執筆者の文章も読みたい。
同時に堀田善衛のアドバイスを活かして執筆したという「ベラスケス」(岩波新書、2018刊)を「美術史」読了後に是非読みたくなった。